鎌田大地が所属するラツィオは8日、難敵アタランタとホームで対戦。序盤に2点のリードを奪った後、同点に追いつかれたが、83分、途中出場のマティアス・ベシーノが、UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)セルティック戦に続いて公式戦2戦連続となるゴールを挙げ、3-2で勝利を収めた。
試合終盤の劇的な決勝弾で公式戦2連勝を飾ったラツィオ。ようやく結果が出始めたマウリツィオ・サッリのチームについて、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Sunday Night Square」の番組内で見解を示した。
イブラヒモヴィッチのような決勝弾
ユヴェントスOBのチーロ・フェラーラ氏は、スタディオ・オリンピコの一戦を高く評価。「ラツィオ対アタランタは素晴らしい試合だった。ラツィオの立ち上がりは良かったが、アタランタは決してあきらめないチームだ。この結果は、ラツィオにとって非常に重要と言えるだろう」と語った。
また、フェラーラ氏は、ウルグアイ代表MFによる空中の右足ショットに賛辞を贈った。
「ベシーノのゴールは簡単ではなかった。ボールが高くリバウンドしていたので、すぐさま打つ必要があったが、非常に上手く枠をとらえたと言えるだろう。しかしベシーノは、あのようなシュートが打てる選手だ」
試合の解説を務めたラツィオOBのダリオ・マルコリン氏も、ベシーノの得点シーンに言及すると、ズラタン・イブラヒモヴィッチ氏に例えた。また、ラツィオの勝利を分析し、復調の兆しが見えることを指摘した。
「ベシーノは、セカンドトップのような仕事をした。アタランタの選手たちは、ボールに気を取られていて、相手選手を見失っていたように見えた。ベシーノへのボールは高く、とらえるのは難しかったはずだ。イブラヒモヴィッチがこうしたプレーをしていたのを思い出すよ。アタランタの守備陣がボールを見て立ち止まっていた隙を上手くついたと言える」
「今日のラツィオは今シーズン最高の出来かどうか? アタランタのような偉大なチームを相手に、このようなパフォーマンスを見せられるのであれば、メンタル面で見失っていたものを取り戻したと言えるだろう」
「サッリは、わずか4日間で自身のラツィオを取り戻した。(セルティック相手に)グラスゴーで結果を出した後、スタディオ・オリンピコでこのパフォーマンスができるのなら、すでに機能するプレーの基礎が確立されているということだ」
伊解説陣が分析する鎌田の1プレー
さらにマルコリン氏は、途中出場した鎌田のシュートで終わった73分のラツィオの攻撃に見解を示した。鎌田からボールを受けたペドロが左サイドを駆け上がってクロスを上げると、日本代表MFがヘディングシュートを放ったが、ボールはGKの正面へ飛び、ゴールには結びつかなかった。
「カウンターから素晴らしい攻撃だった。ペドロのクロスは、カマダがコントロールするには高すぎるし、強すぎた。ヘッドで力強くミートしてはいるが、もしかしたらフェリピ・アンデルソンへのクロスだったのかもしれない。それにしてもクロスが強すぎた。もう少し柔らかいボールの方が良かった」
(C)Getty images
違いを作り出したサッリの采配
なお、ラツィオの一戦を巡っては、イタリア紙も見解を示している。『La Repubblica』は、特にサッリの采配を評価。「ラツィオは交代が違いを作り出した」と指摘し、「今年のラツィオは選手層がより厚い。サッリがターンオーバーを好んだことはこれまでにないが、正しい形で選手層の厚みを利用している」と分析した。
続いて「ラツィオ指揮官は、後半の半ばの(ダニーロ)カタルディと(グスタウ)イサクセンの投入で試合の決着を加速させたが、その前にも、ペドロやベシーノ、カマダを適切なタイミングで送り込み、ラツィオは再びコンパクトでアグレッシブになった」と綴った。
ミランの“急造守護神”ジルー
日本時間8日に行われたジェノア対ミラン(ミランが1-0で勝利)では、終盤に両チームの守護神が退場処分を受ける珍しい一戦となった。ミランは、87分にようやくクリスティアン・プリシッチのゴールで先制点を奪ったが、後半アディショナルタイムにGKマイク・メニャンが退場した際、すでに交代枠を使い切っていたため、37歳のFWオリヴィエ・ジルーがメニャンのユニフォームに袖を通した。
『ダゾーン・イタリア』解説陣のフェラーラ氏は、体を張ったビッグセーブで自陣ゴールマウスを死守したフランス代表FWを絶賛した。
「ジルーは、360度どこから見てもカンピオーネ(王者)だ。チームメートを助けようとメニャンのユニフォームを身にまとい、危険を伴うあのセーブを見せた姿は、本当に素晴らしかった。私が昔、GKを務めた時のことを思い出したよ。私自身はGKの代理を務めるのは好きだった」
(C)Getty Images
今節、セリエA第7節終了時に18ポイントで並んでいたインテルがボローニャと引き分けたことで、ミランは単独首位に立った。ステファノ・ボルギ記者は、ジェノヴァでの勝利の重要性を説いた。
「この勝利は、ミランにとって非常に重要だ。極めて熱狂的なスタジアムで、非常に良いトレーニングを積んでいるチームが相手だったうえ、(ステファノ)ピオリは前線の大幅なターンオーバーを行い、かなりのリスクを負って試合に臨んだ。しかしチャンピオンズリーグ(UCL)で苦しんだ直後に、このような形で最終的に勝てたことは、かなりのインパクトになるだろう」
「この試合で得た熱狂や結束は、今シーズンのミランのアイデンティティを確立するうえで、カギとなるはずだ。熱狂が高まれば、高まるほど、より前進できるだろう。ジェノア戦のこの結果と、ジルーのリーダーシップを得られたことで、中断明けのユヴェントス戦におけるテオ・エルナンデスとメニャンの不在をカバーできるはずだ」
続いて、フェラーラ氏もピオリ率いる新生ミランを分析した。
「中断前に単独首位に浮上することに成功し、ミラノダービーの大打撃を乗り越えることができた。簡単ではなかったはずだが、こうして調子を取り戻せたことは、努力し、団結したチームであることがうかがえる。ベンチメンバーもそれぞれチームに貢献しており、このミランには、違いを作り出すことができる本当に強い選手たちが揃っている」
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