清水エスパルスは前節、勝ち点「1」差という状況で迎えたジュビロ磐田との”静岡ダービー”に臨み、自動昇格圏を争う同県最大のライバルを1-0で下し、再び2位へ浮上した。
”静岡ダービー”後に4日間のオフが与えられたことでシーズン中にゲストとして登場した乾は、このダービーで前半41分に自らのゴールでダービー勝利に導く活躍を見せたほか、前半終了時点のスタッツでは『パス成功率』、『敵陣パス成功率』、『前方パス成功率』で驚異の100%というスタッツを叩き出し、終始圧巻のパフォーマンスを見せた。
安田氏から「あのスタッツだと、今日自分が調子良いなと思ってなかったの？」という問いに、乾は「そんなに思っていなかったですね。（相手に）攻められる時間も途中にあったんですよ。だからその感覚もあって、そんなに良いという感覚はなかったですね」と自身のパフォーマンスを振り返った。
チームの好調な要因を問われた乾は、「まずはほとんどJ1でやっていたメンバーが残ってくれたことが大きかった。去年、J1で得点王を取ったチアゴ（・サンタナ）がいたり、左にはカルリーニョスがいたり、その辺がいてくれるのは大きい」と助っ人の存在が心強いものとなっているようだ。
また清水は今季、昨季シーズン途中に就任したブラジル人のゼ・リカルド監督の下でスタートしたが、開幕から7戦勝ちなし（5分け2敗）でスタートダッシュに失敗。当時は19位まで順位を落としていたが、秋葉忠宏監督がシーズン途中に就任してからは18勝8分け5敗と再建に成功し、残り4試合というタイミングで２位まで巻き返し、1年でのJ1復帰も現実味を帯びてきている。
内田氏から「監督が代わって何が変わった？」という問いに、「雰囲気はやっぱ一気にガラッと変わりました。（ゼ・リカルド監督時代は）マンネリじゃないけど、結構不満もあるじゃないですか。で、J1の時から勝てていなかったので、『どうしてもキツイんちゃう？』という話には結構なっていた」と当時を振り返った。
今年で35歳になった乾は、チーム内では最年長選手。安田氏から「俺からすると、貴士って一つ年下でやんちゃ坊主みたいな感じだけど、チームの中で経験ある先輩としての立ち振る舞いをしているの？」と問われた乾は、「していないです」と即答。続けて「それはゴンちゃん（権田修一）がやってくれています。俺は若手とか、その辺と一緒にはしゃいでます」と回答し、”永遠のサッカー小僧”というキャラクターは変わらないようだ。
また35歳になったことで「昔に比べたら落ちたなと感じることはない？」という安田氏の問いには、「落ちました。キレは無くなります。全然、ないですよ。あとは連続して走れないですね。1回スプリントしたら、5分欲しいとなりますもん」とベテラン選手ならではの苦悩も明かしている。
清水はラスト4試合で、いわきFC（A）、ロアッソ熊本(H)、大宮アルディージャ(H)、水戸ホーリーホック(A)との対戦を控えている。チームの中心選手として躍動する乾は、チームを1年でJ1へ返り咲かせることができるか。その活躍に注目だ。
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