昨シーズン限りでミランを退団し、41歳で現役生活を終えたズラタン・イブラヒモヴィッチ氏が、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』がトレントで主催したイベント「Festival dello Sport」に出席。キャリアで最後のタイトルとなった2021-22シーズンのセリエA制覇を振り返った。
「ミランでの最後のスクデットは、これまでよりも満足感のあるものだった。なぜならチームは優勝候補の本命ではなく、選手たちもスーパースターではなかったからだ。あのミランは、自分が過ごしてきた環境とは正反対で、自分自身、そんな状況に慣れていなかった」
「経営陣が変わり、新型コロナウイルスがあり、監督も変わった後だったが、チームは非常に団結していた。以降、自己犠牲を払う覚悟があった者がチームに残り、そうでない者が去っていった。自分のキャリアにおいて、これほど結束力の強いチームはなかった」
「チームがトップレベルに戻ると、観客も戻ってきた。そして、チームは日を追うごとに強くなっていった。すべて運によるものだと言う者もいたが、チームはやってのけたんだ。きっと永遠に歴史に残るはずだ。最終節の後、チームメートやスタッフは涙していた。そこで自分たちが何を成し遂げたのかを理解した。ミランを優勝へ導くと言った自分の言葉通りになったことを実感したんだ」
また、イブラヒモヴィッチ氏は、ミランで成長を見守ってきたサンドロ・トナーリとの逸話を明かしたほか、元ミランMFの賭博疑惑にも言及した。
「トナーリの夢はミランだった。だが1年目は、ファンとしての気持ちが強すぎた。『1歩踏み出す時だ。ファンであることをやめ、違いを作り出すんだ』と伝えた。彼の才能は見て取れたが、ブレシアとミランは異なるからね」
「彼の賭博の話は、ほとんど知らない。彼からそんな話を聞いたことはなかったし、彼から苦しんでいることを聞いたこともなかった。もしギャンブル中毒なら、彼を助ける必要がある。カジノなら自分もしたことがあるが、カルチョの賭けをしていたのなら話は違う」
Getty
ユーヴェでのカペッロ氏との思い出
イブラヒモヴィッチ氏は、2004年にアヤックスからユヴェントスへ移籍した際の当時の指揮官ファビオ・カペッロ氏らとのエピソードを明かした。
「カペッロは、よりストレートでより具体的なプレーを求めていた。練習初日から毎日、ゴール前でのプレーに取り組んでいた。時には、チームメートたちの陰に隠れようとしたこともあったよ。カペッロには、(マルコ)ファン・バステンのエリア内での動きを研究するように指示されていた」
「一方、(ダヴィド)トレゼゲには『君がボールを受け、反転して前へ進めばいい。僕が前で待っている』と言われた。ダヴィドは賢い選手だった…。それでイタリアにおけるメンタリティは、よいプレーをするだけでなく、ゴールを量産するというメンタリティがあることを理解した。それからは、こっちもトレゼゲに『今度は僕が前線で待っているよ』と言ったんだ」
続いて、イブラヒモヴィッチ氏は、“悪童”マリオ・バロテッリについて語り、開花することがなかったその才能を惜しんだ。
「若者がその才能を花開かせるチャンスがあったのに、一度もそのチャンスをつかむことができなければね。世の中には、一度しかチャンスが到来しない者も多い。バロテッリはチャンスが何度もあったのに、台無しにしてしまった」
(C)Getty Images
放送・配信予定
- ミラン vs ユヴェントス
- 配信:DAZN
- キックオフ:2023年10月23日(月)日本時間3:45
- 解説:細江克弥 実況:北川義隆
- 会場:サンシーロ
関連記事
● 【インタビュー】守備の名手ネスタ氏が持論「私は横浜でもゴールを決めた。誰だってFWをやりたい。DFはさせられるもの」トレゼゲ氏とミランやユーヴェの将来も語る | セリエA
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。