EURO2024予選グループC第6節マルタ戦の直前に、代表メンバーだったニコロ・ザニオーロとサンドロ・トナーリが賭博疑惑によりチームを離脱する騒動に見舞われたイタリア。全敗中の格下を相手に4-0と勝利を収めたが、続く第7節では、ジュード・ベリンガムら強力なメンバーを擁するイングランドに力及ばず、1-3と敗れて3位へと後退し、本大会出場が遠のいた。
そんなルチアーノ・スパレッティ率いるイタリアについて、『DAZN(ダゾーン)イタリア』の解説者としても活躍するイタリア紙『Gazzetta dello Sport』の副編集長アンドレア・ディ・カーロ氏が18日、同紙のコラムで分析をおこなった。
「イタリア、実力差はあるが、成長の兆しは見えた」との見出しをつけ、前向きに評価。「イングランドを相手に、ピッチでは明らかな違いがあった。しかしスパレッティのアッズーリが見せたよいプレーを曇らせるべきではない」などと述べ、今後の糧とするべきであるとの見解を示した。
(C)Getty images
大きすぎたイングランドとの実力差
ディ・カーロ副編集長は、「組織力のチームが、才能ある選手がひしめき合うチームと対戦すれば、組織力のチームは負ける」と指摘。「残念ながら昨日はそれが起きた。非難すべき点は少ない」と述べ、相手の実力を認めてスパレッティのチームを擁護した。
「不正確なプレーや相手にスペースを与えすぎたことなどについて議論の余地はあるが、相手の方が強い時は、相手の功績や実力差を認めるべきだ」と主張。「(マーカス)ラッシュフォード、ベリンガム、(フィル)フォーデンに加え、その前に(ハリー)ケインがいてものすごい。これ以上を求めるのは難しい」と続け、「現在、前線のこの4人と渡り合えるのは、フランスくらいだろう」との見解を示した。
「カルチョは気持ちやアイディア、メンタリティ、準備や研究、組織力、細部のケアなどで決まる」との見方はあるが、それが通用するには「両チームが似通った技術レベルである必要があり、その差が離れすぎていてはならず、拮抗していなければならない」と指摘。「昨日は、その差が大きすぎるように見えた」とイングランドに白旗を挙げた。
それでも、イタリア紙の副編集長は「1-3の結果は明確だが、イタリアは落ち込むべきではない」と主張。「(この試合で)目に留まった好材料を持ち帰れるようにするべきだ。この敗戦は、すべて捨て去るべきものではない」と論じた。
先月に発足したばかりのスパレッティ体制のイタリア。ディ・カーロ副編集長は、まだ連携の動きやメンタル面、パーソナリティなどについて改善すべき点が多いと指摘しつつ、「ヨーロッパ最強チームの1つと対戦したことを忘れてはならない」と強調。「敗戦は常につらいものだが、成長のための怒りや意欲、野心や勇気、自己犠牲の精神をプレゼントしてくれるのならば、有益でもある」と述べた。
(C)Getty Images
イングランド戦の収穫とアッズーリの行方
最後にイタリア人記者は、イングランド戦の収穫として、20歳デスティニー・ウドジェのフィジカル、走力、積極性のほか、代表初ゴールをマークしたジャンルカ・スカマッカの存在を挙げ、「ジャンルカは、特にフィジカル戦において、この代表に必要とされるパワーを持ったセンターフォワードだ」との見解を示した。
スパレッティ率いるアッズーリの試金石とされたイングランド戦。ディ・カーロ副編集長は「イングランドに後れをとっている」ことが明確になったことを指摘した一方、「他の多くのチームとは互角に戦える」力がイタリアにあると分析。アッズーリは来月、EURO2024本大会出場を懸け、残る2試合に臨むことになるが、「北マケドニアに勝ち、ウクライナと引き分けて出場権を勝ち取ることができるはずだ」との見通しを示した。
さらに「時間がイタリアに味方する」とも予想。「スパレッティは過去に奇跡を起こしてきた。彼が我々の保証であり、このイタリアは成長するだろう」と綴り、前向きな評価を下した。
「残念ながらイタリアには世に送り出せるベリンガムのようなフェノーメノ(怪物)はおらず、ハリー・ケインのような完成したカンピオーネ(王者)もいない。だが、より自信とパーソナリティをもって、より積極的でスピードのある予測できないカルチョを繰り広げることはできる」
「だから自信を持つべきだ。もしかしたらEUROの舞台で、より現代的で自由なダイナミックな組織力のチームが、才能が集まるチームを上回ることができるかもしれない」
ハイライト
関連記事
● 【インタビュー】守備の名手ネスタ氏が持論「私は横浜でもゴールを決めた。誰だってFWをやりたい。DFはさせられるもの」トレゼゲ氏とミランやユーヴェの将来も語る | セリエA
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。