今夏、主力のセルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチを放出した一方、日本代表MF鎌田大地やフランス人MFマテオ・ゲンドゥージらを獲得したラツィオ。しかし補強に出遅れ、新戦力のチームへの融合に時間を要した影響などもあり、セリエA第7節終了時点で16位と低迷した。そんなサッリのチームについて、ローマに拠点を置くイタリア紙『Corriere dello Sport』が特集を組み、分析を行った。
サッリは今夏、「成長のプロセスを加速させるために、円熟期にある(ドメニコ)ベラルディや(ピオトル)ジエリンスキ、(アルカディウシュ)ミリクら3人の選手の獲得を要望した」。しかし移籍金が決して安価ではない即戦力の獲得は実現せず、サッリ自身が表現したように、プランAやBではなく、「XやYの選手がやって来た」。
「ミリンコヴィッチのいないラツィオの再建は問題となった」が、「もはやアンタッチャブルな選手が存在しなくなった現在のカルチョにおいて、不可避なシナリオ」であったと言える。
実際、「セリエA王者のナポリは、キム(ミンジェ)を失い、インテルは(アンドレ)オナナ、(ミラン)シュクリニアル、(マルセロ)ブロゾヴィッチ、(ロメル)ルカクに別れを告げ、ミランは(サンドロ)トナーリを売却」するなど、どのクラブも主力選手の放出を余儀なくされている。
現状として「マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマン(PSG)、レアル・マドリードのみが別の惑星に属する」だけに、もはや「セルゲイの退団」は想定範囲内の出来事であり、「サッリにとって終わったこと」でしかない。
そして「ラツィオを新たな方向へ導いていくことは、サッリにとって野心的な課題」となるわけだが、そんな中で「XやY」と評された新選手たちが躍動を見せ始め、ラツィオは、日本人対決も実現したUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)のセルティック戦や、直後のアタランタ戦で勝利を収めて2連勝を飾った。
(C)Getty images
日本時間22日には、公式戦3連勝を目指してサッスオーロと敵地での対戦に臨むが、新生ラツィオに関して「手ごたえは十分にある」とイタリア紙は指摘。「ロヴェッラは、イタリア代表の常連となる運命にあり、何か(マティアス)アルメイダやルーカス・レイバを想起させるものがある」と若き才能の開花に期待を寄せた。
また「ゲンドゥージはエネルギッシュなプレーでバランスを動かし、(タティ)カステジャーノスは輝かしい発見となる可能性がある」と主張。さらに「カマダは、サッリによって走行距離や持久力を(エンゴロ)カンテと比較され、(グスタウ)イサクセンも直近のフィジカルテストで素晴らしいスコアを記録」するなど、ラツィオが秘める潜在力に言及した。
イタリア紙はそのうえでラツィオが「期待外れのシーズンスタートを経て、魅力的で興味をそそるチームになった」との見解を示した。
サッリのチームは今後、「22日間で6試合」をこなす過密日程に突入するが、「この3週間は、ラツィオのチーム力を定義し、サッリの4-3-3はミリンコヴィッチただ1人のおかげ機能していたのではないことを示す期間になる」とイタリア紙は強調。ラツィオの今後に注目している。
(C)Getty images
放送・配信予定
- サッスオーロ vs ラツィオ
- 配信:DAZN
- キックオフ:2023年10月22日(日)日本時間3:45
- 解説:川勝良一 実況:河村太朗
- 会場:マペイ・スタジアム
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