セリエA第9節で実現した首位ミランと3位ユヴェントスによるビッグマッチでは、40分にミランDFマリック・チャウが決定的な得点機会の阻止により、一発退場。数的優位に立ったユヴェントスが63分、マヌエル・ロカテッリの決勝点により、1-0と勝利を収めた。
ユヴェントスの勝利の意味
そんなサンシーロのビッグマッチについて、『ダゾーン・イタリア』の解説陣が「Sunday Night Square」の番組内で議論。まずはユーヴェOBチーロ・フェラーラ氏が古巣の勝利を語った。
「ユヴェントスは、順位表において大きく1歩前進した。昨シーズンよりもはるかに拮抗したリーグ戦になるだろう。セリエA全体に向けてだけでなく、特にユヴェントスにとっても、大きなメッセージになったと言える」
「こうしたビッグマッチは、私自身も経験したことがあり、勝つ時もあれば、負ける時もあった。シーズンはまだ長く、転換点になるようなものではないが、大きな後押しとなるだろう。それにユヴェントスにとって、4戦連続無失点であり、守備の安定を示すものだ。数的有利があったとしても、サンシーロへ行き、自分たちの試合をし、パーソナリティを示して重要な3ポイントを持ち帰ることができた」
するとステファノ・ボルギ記者が続けた。
「今年は最後まで中身の濃いシーズンになるはずだが、そんなシーズンにおいて、このユーヴェの勝利は、ライバルに対するメッセージにもなる。ミランはここまで9戦7勝だが、2敗の相手は上位3位以内のインテルとユヴェントスだ。今シーズンは、こうした直接対決が違いを作り出すはずだ」
「直接対決は、勝ち点に2倍の価値が生じると確信している。どのチームも道中でポイントを取りこぼすことがあるかもしれないが、直接対決をより多く制したチームが首位にたどりつけると考える」
今シーズン、ユヴェントスでは、ポール・ポグバがドーピング陽性反応を示したほか、若手有望株のニコロ・ファジョーリが賭博違反により出場停止となり、中盤に問題を抱えている。マッシモ・アンブロジーニ氏が見解を示した。
「ユヴェントスは中盤の選手層が薄いかもしれないが、より成長の余地があるチームだ。そもそもユーヴェは変化していて、開幕直後のユーヴェは、このようなチームではなく、もっと攻撃的だった。サッスオーロでの敗戦後の直近の4試合は、あえて守備面に力を入れているように見える。ユヴェントスは、もっと良いカルチョができるはずだが、バランスを見出していく必要があるだろう」
一方のミランについて、フェラーラ氏が「数的不利に陥っていたとはいえ、非常によく持ちこたえていた」と評価すると、OBのアンブロジーニ氏が古巣の敗戦を分析した。
「ミランの試合は、チャウの退場により戦術面でパフォーマンスが変わってしまった。その時点まで、ミランが主導権を握り、リスクを負うようなシーンもほとんどなかった。それから問題は、選手層にある。ミランには現時点で前線のバックアッパーがいないように見受けられる。(ルカ)ヨヴィッチはまだ、(オリヴィエ)ジルーのレベルに到達できていない」
(C)Getty images
インテル主将ラウタロの完璧な相棒
トリノに3-0と勝利し、ミランを追い越して再び単独首位に浮上したインテル。アンブロジーニ氏が「インテルはベンチメンバーを含めた総合力で他のチームを上回っている」と見解を示すと、フェラーラ氏も同調し、「アンブロが話したように、トップチームがより充実しているのはインテルだ。インテルには数多くのオプションがある」と述べた。
するとボルギ記者も、インテルのベンチメンバーの充実度を認めつつ、これまでに合計16得点とゴールを量産しているFWラウタロ・マルティネスとFWマルクス・テュラムのコンビを称えた。
「控えが充実している点もあるが、インテルは試合中、選手のスイッチを入れることができる。例えばラウタロは、最初の60分、エリアの外でさまよっていて苦戦しているように見えた。そこからスイッチを入れてゴールを挙げることができるんだ」
「テュラムは、ラウタロにとって完璧な相棒だ。ゴールを挙げ、アシストをすることもできる。特徴的に考えると、ラウタロがインテルへやって来て以降、最高の相棒だと思う。インテルは強いチームだ」
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ラツィオ監督は鎌田らの活かし方を見つけつつある
元ラツィオのマルコ・パローロ氏やヴァロン・ベラーミ氏、アレッサンドロ・マトリ氏らが出演する「Tutti Bravi Dal Divano」では、サッスオーロに2-0と勝利し、公式戦3連勝を飾ったラツィオについて見解を示した。
開幕直後に格下に敗れるなどして低迷が続いたラツィオだが、解説陣は、サッスオーロ戦の勝利が素晴らしいメッセージになると考えている。先発した新戦力のタティ・カステジャーノスやマテオ・ゲンドゥージ、ニコロ・ロヴェッラ、さらに途中出場した鎌田大地らの適応状況を評価した。パローロ氏が語った。
「サッリは、新戦力の活かし方を見つけつつあると確信している。特に中盤のロヴェッラやゲンドゥージ、カマダらのことだ。サッリは、新選手たちのことを知り、ラツィオのプレースタイルに融合させる方法を理解したのではないだろうか。それからルイス・アルベルトにリーダーとしての全権を託したが、このサッリの決断が実を結びつつある」
ベラーミ氏は、リーダーシップを発揮してチームをけん引し、2得点に絡んだルイス・アルベルトを称えた。
「クオリティの高い選手が、あのように走り回り、タイミングを得たプレスをかければ、チームをけん引することができる。彼よりもクオリティに劣る選手たちは、彼がアグレッシブにプレーするその姿を見て、強いメッセージを受け取ることになる」
そんなスペイン人MFは、2016年にラツィオへ加入して以降、最高のパフォーマンスを見せているのだろうか。パローロ氏が見解を示した。
「近年における最高のルイス・アルベルトかどうか? 彼はシモーネ・インザーギ指揮下において、より攻守両面で完全な姿を見せていたように思う。彼は時々さぼることがあり、そのように見えないかもしれないが、よく走る選手で、当時もスタッツに驚かされることがあった」
「彼はフィジカル面で重要な素質とポテンシャルを持っている選手だ。(セルゲイ)ミリンコヴィッチ=サヴィッチがいなくなり、リーダーとしての役割を与えられたことで、ピッチでその期待に応えているように見える」
続いて『ダゾーン・イタリア』の解説陣は、今シーズンのラツィオの目標について議論した。マトリ氏が「きっとUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)出場だ」と主張すると、パローロ氏が「UCLは夢だ」と反論。最後にリッカルド・モントリーヴォ氏が見解を示した。
「現時点はUCLのその下だろう。昨シーズンはプラスアルファの成績を残すことができた。今シーズンもリーグ戦で奮闘し、良いパフォーマンスを見せられれば、4位以内に入れるかもしれないが、UCL出場権を競える準備があるチームに見えない」
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