ジュビロ磐田 対 東京ヴェルディ の見どころ
ラスト3試合で迎える昇格争い直接対決だ。自動昇格圏の2位・清水エスパルスを勝点2差で追う、3位のジュビロ磐田と4位の東京ヴェルディがヤマハスタジアムで対戦する。まさに勝ったほうが生き残り、負けたほうが脱落する大一番。引き分けに終われば、清水に優位に働いてしまうため、両チームともに最後まで勝点3を取りにいく。
ホームの磐田は、前節・徳島ヴォルティス戦に3-0で勝利。前半早々にドゥドゥと上原力也が立て続けにゴールを決め、一気にリードを奪った。そして後半早々にも松本昌也がダメ押しの3点目。相手に押し込まれる時間帯もあり、シュート数では上回れたが、確実に勝点3を積み上げ、前々節で清水とのダービーで敗れたイヤな流れを払しょくした。
今節の注目は、第35節・レノファ山口戦から戦列に戻ってきた山田大記。経験豊富な司令塔がトップ下にいることで攻撃にリズムがもたらされる。ここ4試合は先発出場が続いており、J1昇格に向けた最終局面で背番号10がいる頼もしさは大きいに違いない。誰よりもサックスブルーを知る男が、チームを勝利に導く。
アウェイの東京Vは、現在7試合負けなし。前節のジェフユナイテッド千葉戦は前半のうちに2点をリードされる展開も後半に3得点を奪い逆転勝利を飾った。勝点3以上に得た勢いと自信は大きく、いまのチームにまとう一体感をさらに大きくさせた。
同じ勝点で並ぶ磐田との対戦に向け、キーマンを挙げるとすれば主将を務める森田晃樹。チームの中心としてピッチ中央に君臨する背番号7がどれだけボールに触り攻撃の時間を長くできるかがカギを握りそうである。前節は前半のみで交代したが、大きな問題はないよう。森田を先頭に攻撃的なサッカーでアウェイに乗り込みたい。
この両者のヤマハスタジアムでの対戦で思い起こされるのは、2018シーズンのJ1参入プレーオフ決定戦での戦いだ。プレーオフを勝ち上がってきた東京VがJ1・16位の磐田に挑んだが力の差を見せつけられ敗戦。あと1歩のところで夢を断たれたが、その1歩が大きな差であるとも突きつけられた。それから5年後の再戦。再びサックスブルーが笑うか、緑がやり返すか。“因縁の一戦”から目が離せない。
他会場のカード
10月28日（土）
13:00 清水エスパルス vs ロアッソ熊本（J2）
清水は前節7-1の大勝を収め、いわきFCにダブルを達成。2位の座をがっちりとキープしてホーム2連戦に向かう。3位のジュビロ磐田と4位の東京ヴェルディがつぶし合う今節は、勝点3を上積みできれば昇格に王手がかかる可能性も。ケチャップの蓋が再び開かれるか注目だ。
熊本は前節、FC町田ゼルビアのJ1昇格決定を目の前で見届けることに。降格圏との勝点差が『4』に詰まり、残留争いから抜け出すことはかなわなかった。今季失点した試合では28試合中わずか2勝。得点力の高さを誇る清水と相対する今節は“打ち勝つ”強さも求められそうだ。
14:00 ベガルタ仙台 vs レノファ山口FC（J2）
MF郷家友太の先制ゴールを守り切った仙台は、今季6度目のウノゼロ勝利。降格圏の21位との勝点差『8』をキープし、“安全圏”に浮上した。連勝を狙う今節、キーマンとなるのはGK林彰洋。ファインセーブで白星を呼び込んだ前節に続き、最後の砦として立ちはだかりたい。
20位の山口は、90+7分にMF池上丈二がFKを叩き込みドロー。敗れていた場合は降格圏と勝点3差になっていただけに、価値の大きな同点弾だった。仙台との前回対戦ではエスナイデル体制初勝利となる白星。ダブルを狙う今節は、3節連続の古巣対決に臨むMF矢島慎也に注目だ。
14:00 藤枝MYFC vs 水戸ホーリーホック（J2）
藤枝の前節は2-0から痛恨の逆転負け。リード時の試合運びに課題を残し、残留確定とはならなかった。今節はDF鈴木翔太、DF小笠原佳祐、MF横山暁之の3人が出場停止。出番の少なかった新戦力の台頭が求められるとともに、最終ラインを束ねるDF川島將がカギを握る。
対する水戸も“北関東ダービー”で逆転負けを喫し、バウンスバックを果たしたい一戦。藤枝には4月に1-4で敗れており、雪辱を期して臨むことにもなる。今節の藤枝を皮切りに、ここからは静岡勢との3連戦。4戦勝ちなしと苦しむ中、チームの成長を結果で証明したい。
14:00 V・ファーレン長崎 vs 徳島ヴォルティス（J2）
長崎は敵地で勝点1を積み上げ、昇格プレーオフ圏内の6位を死守。とはいえ2ポイント以内に3チームと後続が迫っており、予断を許さない戦いが続く。カギを握るのはジョーカーとして左サイドを活性化させているMF松澤海斗。得意のドリブルで相手ゴールに迫りたい。
16位の徳島はジュビロ磐田に敗戦。降格圏の21位とは勝点差『5』で残り3試合に臨む。前節はスコアこそ0-3だったものの、吉田達磨監督が「最もゴールに近づいた形を作れた」と振り返ったように攻撃面では手応えも得た。その収穫を生かせるか、長崎戦で真価が問われる。
10月29日（日）
13:00 大分トリニータ vs ブラウブリッツ秋田（J2）
11位・大分は前節終盤に同点ゴールを許し、痛恨のドロー。6位との勝点差『4』を縮められず、昇格プレーオフ進出へ厳しい状況に追い込まれた。最後にホームで勝ったのは8月12日の藤枝MYFC戦。その試合で加入後初得点を決めたFW鮎川峻は今回も救世主となれるだろうか。
対する秋田は2連敗中。2試合いずれもシュート数では上回った一方で、フィニッシュの質に課題を残した。注目は走力を生かしたプレスをはじめ、献身的な働きが光るFW齋藤恵太。今季の3得点をすべてアウェイで挙げている韋駄天が、大分戦初白星をチームにもたらしたい。
14:00 モンテディオ山形 vs ザスパクサツ群馬（J2）
山形はMF南秀仁の先制点が決勝点となり、2連勝を達成。8位をキープし、昇格プレーオフ圏内との差を『1』に縮めた。群馬には昨季から公式戦で4連敗中。相性の悪さを払拭したい今節は、MF髙江麗央、FW宮城天など夏に加入した選手の活躍に期待がかかる。
対する群馬は今季の“北関東ダービー”を4戦全勝で締めくくり、山形と勝点1差の9位に浮上。久々の複数得点による逆転劇も明るい材料だ。注目は第24節以来の先発で同点ゴールを挙げたDF岡本一真。敗れればプレーオフ進出が厳しくなる重要な一戦で、再びチームを救いたい。
14:00 大宮アルディージャ vs ヴァンフォーレ甲府（J2）
21位・大宮が驚異の巻き返しを見せている。前節は2点のビハインドを後半に跳ね返して4連勝。残留圏との勝点差を『4』に詰めた。ラスト3連戦はいずれも昇格争いに身を置く上位との対戦。厳しい状況に変わりはないが、奇跡を手繰り寄せるべく5連勝達成を狙う。
昇格プレーオフ進出を争う甲府は、前節V・ファーレン長崎との直接対決にドロー。順位は7位で変わらずに後続との差が縮まった。アウェイでは7月22日の第27節を最後に6試合白星がない。5-1の大勝を飾った前回対戦に続くダブルを達成し、踏みとどまることができるか。
14:00 ジェフユナイテッド千葉 vs いわきFC（J2）
東京ヴェルディとの上位対決に臨んだ千葉は、2-0からの逆転負け。自動昇格が事実上消滅した。今節の結果次第ではプレーオフ圏外に転落する可能性もある中、注目は出場停止明けのFW田中和樹。J初得点を刻んだ第38節に続く“2戦連発”で、3試合ぶりの勝利をもたらしたい。
いわきは清水エスパルスに1-7で敗戦。前回対戦の1-9に続き再び大量失点で屈した。ただ、田村雄三監督が責任を一身に背負ったように、この大敗は攻撃的な姿勢を貫いたからこその結果。突きつけられた課題と得た手応えを携え、いわきらしい戦いでJ2残留をつかみ取りたい。
14:00 FC町田ゼルビア vs ツエーゲン金沢（J2）
悲願のJ1昇格を達成した町田はホーム最終戦。土曜日の試合で清水エスパルスが引き分け以下に終わると、その時点で町田の優勝が決定。清水が勝った場合は、町田の勝利が戴冠の条件となる。本拠地では9月から3戦勝ちなしが続くが、サポーターと歓喜を分かち合えるか。
金沢は前節の敗戦でJ3降格圏の21位以下が決定。ただ、21位にはJ3の結果次第でJ2残留の可能性がわずかに残っており、最下位脱出を目指して残り3試合に臨む。町田に対しては一昨季から公式戦で5連敗中。シーズン序盤の攻撃力を取り戻し、意地を見せたいところだ。
14:00 ファジアーノ岡山 vs 栃木SC（J2）
痛恨のドローに終わった岡山は10位に後退。プレーオフ圏内との勝点差は『3』で変わらないものの、ライバルをまくるためには残り3試合でひとつも落とせない。注目はFWルカオ。後半から出場した前節同様に前線で重戦車ぶりを発揮し、チームにチャンスを呼び込みたい。
19位・栃木も前節は1-1のドロー。ただしこちらはビハインドを追いつき、かつ連敗も止めたことで、前進の意味合いが強い勝点1となった。岡山には5月の対戦で2-1の勝利。降格圏が4ポイント差に迫る中、シーズンダブルを達成して残留への歩みを進めることができるか。
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