アンドレア・バルザーリ氏は2011年から2019年にかけてユヴェントスに所属し、8シーズン連続でスクデットを獲得したほか、コッパ・イタリア優勝4回、スーペルコッパ・イタリアーナ優勝4回を経験し、クラブの歴史を刻んだ。
イタリア代表の一員として臨んだFIFAワールドカップ(W杯)ドイツ2006では、世界の頂点に立った1981年生まれの偉大なバルザーリ氏。極めてレベルの高いパフォーマンスで継続性も示し、近年におけるイタリア、そしてヨーロッパ最高峰のDFの1人としても名を残した。
現在、『DAZN(ダゾーン)イタリア』の解説陣として活躍するユヴェントスOBは、日本時間27日4:45に予定されているセリエA第13節のイタリアダービーの行方に注目している。バルザーリ氏が『ダゾーン・イタリア』のインタビューで自身の見解を示した。
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――今週末は優勝候補の首位インテルと2位ユヴェントスが直接対決を迎えます。
シーズンの3分の1にさしかかったところだが、順位表を見れば、ユヴェントスとインテルが最も継続性を示しているチームと言える。おそらく2チームは、最後まで優勝争いを繰り広げるはずだ。時期尚早とはいえ、両チームの直接対決であり、ここで3ポイントを持ち帰ることができれば、心理面において極めて大きな効果をもたらすことになるだろう。
――両チームは、共に守備の主力を欠くことになります。ユヴェントスのダニーロと、インテルのアレッサンドロ・バストーニでは、どちらの不在がより大きく影響するでしょうか。
2人とも強くて重要な選手だ。だが両チームはこれまで、負傷者の穴を埋めることができることを示してきたように思う。2チームとも選手層は厚く、重要な選手が揃っている。それに最強守備陣同士の対戦になる。選手がいないからと言って、両指揮官にとって大きな問題とはならないはずだ。
――マッシミリアーノ・アッレグリ監督とシモーネ・インザーギ監督の違いはどこにあると思いますか。
当然ながら年齢を見ると、マッシミリアーノの方がより経験豊富だ。しかしどちらも重要なタイトルを獲得してきた指揮官と言える。シモーネは組織的なカルチョを繰り広げ、攻撃面も素晴らしい。両指揮官の間で、明確にどんな違いがあるのかは分からない。それぞれ自分たちのスタッフがいるわけで、間違いなくトレーニングやメソッドに何らかの違いはあるはずだ。ただ、両指揮官に共通することなら、私にも分かる。2人ともチームのマネージメントにおいて最強だ。
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――47歳のインザーギは、もはや正真正銘のトップクラスの指揮官と言えますか。それとも、まだ足りないものがあると思いますか。
もちろん彼はトップクラスの指揮官だ。ラツィオで指導していた頃から結果を出し、実力を示してきた。ローマでタイトルを獲得し、そしてミラノでも結果を出し続けている。そして今シーズン、もしスクデットを獲得できれば、自身のステータスをさらに証明することになる。
昨シーズンは、彼にとって重要な1年間だった。常に冷静さを保って困難の時を完璧にコントロールし、自らの評判を危うくすることは決してなかった。彼は常にピッチのことだけを考えていた。
――一方、アッレグリは、“美しいカルチョ”の愛好者たちから批判されることが多いように思います。それでもユヴェントスは順位表で上位をキープしています。
ユーヴェの指揮を執るということは、プレッシャーをコントロールすることも意味する。それが当然の世界なんだ。称賛される時もあれば、批判の的になる時もある。それがゲームの一部であり、指揮官たちはそれをよく分かっている。
いずれにしても、マックスは、数多くのプレーのオプションを持っていることを示してきたように思う。確かに“美しさ”について問われることは多いが、結果が全てのクラブもあるんだ。それにマックスは現在、テーブル上で開幕時に優勝候補とされていなかったチームを率いてプレーしているんだからね。
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――イタリアダービーは、見ごたえのあるスペクタクルな試合になると思いますか。それとも両者が一歩も譲らない一戦になると思いますか。
インテルはセリエA最強の攻撃陣と守備陣を誇る。数多くのチャンスを作り出す一方で、注意深く、組織的な守備をする。対するユヴェントスは、試合を決定づけることのできる予測不能な選手たちが前線にいるとはいえ、ご存じの通り守備が強みだ。
私は最初の10分間が興味深いと思っている。どちらも先制点を狙うあまりに焦ってバランスを崩すようなことがあってはならない。おそらくインテルは、自らのプレーを見失うことなく、いつもの姿勢で試合に臨むはずだ。一方、ユーヴェは相手の出方を待ち、相手の隙が見えた瞬間に攻撃を試みるはずだ。
イタリアはEURO連覇を目指すべき
――さて、イタリア代表についてもお聞きします。イタリアは、EURO2024出場決定を喜んで良いものでしょうか。アッズーリの歴史を振り返ると、イタリアにとってある種の目標達成は当然とみるべきだと思います。
確かにその通りだ。だが、それぞれの時代というものがある。そしていまはイタリアにとって特殊な時期と言えるだろう。カタールW杯出場を逃し、ロンドンでEURO2020を制した素晴らしいイメージを台無しにしてしまった。そのうえ、監督が交代したばかりでもある。私は出場決定を喜んで良いものと考える。だがこれからは前を向くべきだ。やらなければならない仕事は山ほどあるはずだ。
――では、ドイツで開催されるEURO2024において、アッズーリは何を目標にするべきだとお考えですか。
多くの人は、スパレッティのチームの技術的なポテンシャルに確信を持てていないように思うが、自信を持つべきだ。もちろんこれからの数カ月が重要となる。チームのメンタリティを作り出し、堅固で団結したグループにしていく必要があるだろう。はっきり言おう。目標は優勝であるべきだ。イタリアの歴史がそれを裏付けているうえ、我々は現ヨーロッパ王者なんだ。
文・フランチェスコ・フォンターナ/『ダゾーン・イタリア』フィールドプロデューサー、イタリア人ジャーナリスト
放送・配信予定
- ユヴェントス vs インテル
- 配信:DAZN
- キックオフ:2023年11月27日(月)日本時間04:45
- 解説:細江克弥 実況:北川義隆
- 会場:アリアンツスタジアム
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