スポーツ界をビジネス面から探り、各チームや各団体がどのような活動を行なっているのかを深掘りする新コンテンツ『FRONTIER OF SPORTS(フロンティア・オブ・スポーツ)』。第3回では「マルチクラブ・オーナーシップ(MCO)」特集の第2弾として、実際にヨーロッパでMCO戦略を実践するACAフットボール・パートナーズの小野寛幸氏がゲストに登場し、コアクラブとなるベルギーリーグ2部所属KMSKデインズ運営のリアルに迫った。
今回はヨーロッパで戦う日本人オーナーである小野氏に迫るべく現地取材を敢行。2部とは思えない充実の設備や強化・育成環境への投資の実態、そして大きなビジョンの裏にあったローカルとの地道な向き合いとは。3つのテーマに沿って探っていく。
まずACAフットボール・パートナーズとは何なのか。これは世界的投資会社ACAから21年7月にフットボール事業を新設したもので、シンガポールを拠点とし、アジア発のマルチクラブクラブオーナーシップを掲げ、クラブに投資することで周辺事業を育てていくことを目的とした会社となる。
現在、デインズだけでなくスペイン5部のトレモリーノスも買収。イングランド3部のチャールトンにも経営参画し、この3チームがACAFPグループ傘下となっている。
今回は最初のクラブとなったデインズの実態を知るためクラブに潜入。どんな取り組みをしているかを紹介しつつ、いかに戦略的にやっているか、クラブが目指しているものとは何なのかを説明した。また、小野氏は「育成や海外からより僕たちをヨーロッパの拠点としてもらう、挑戦の場とすべく設備を用意しましたし、現状はベルギーを中心にやっていて、育成自体は大事ですけど、その育成をしっかりお金になるフローを生む中でやることがさらなる育成を呼び込むというふうに信じてこの事業を進めています」と語っている。
最後に「実際のところ成長した選手たちがグループ内で活躍することが優先なのか、売却益が優先なのか」と質問された小野氏は、現実的によると金額によるとしつつ、「僕たちのプロジェクトは長く続く、多くの人を呼び込むことを大事にしているので、プロジェクトがより大きく、認知度が広がるのはどちらか。もちろん選手としてのキャリアとしてどうなのか、バランスを持って見ていきたいと思っています」と明かしている。
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