今季のJ3リーグは、大混戦のシーズンだった。昇格争いでは、J3王者に輝いた愛媛FCが3シーズンぶりのJ2復帰を果たし、もうひと枠の昇格圏は、最後の最後までもつれた。2位の鹿児島ユナイテッドと3位カターレ富山が最終節で勝ち点で並んだが、最終的には得失点差で上回った鹿児島が5シーズンぶりの昇格を達成して幕を閉じた。
J3得点王はリーグ36試合に出場し、キャリアハイとなる19ゴールを獲得したFW小松蓮(松本山雅FC)が初受賞。本人は、「1年間(ゴールを)積み重ねられたのはサポーターの後押しや監督も信頼して使い続けてくれたり、特にチームメイトがボールを供給し続けてくれたので本当にありがたいです」と感謝を述べ、「僕自身、サッカー人生でもこういった盾をもらった記憶がないので、嬉し過ぎてたまらないです」と喜びを語った。
最優秀選手賞(MVP)にはFW松田力(愛媛)が選ばれた。今季は、リーグ34試合に出場し、チーム最多の13ゴールをマーク。チームのJ3優勝に大きく貢献しただけでなく、自身にとってもキャリアハイのゴール数を更新するシーズンにもなった。本人は、「大変光栄な賞を受賞できて嬉しく思いますし、チームメイト、スタッフに感謝したいと思いますが、一番は奥さんと子供に感謝したいと思います」と感謝の思いを綴り、MVPを受賞できた要因には「優勝したからだと思っています」と率直な思いを口にした。
ベストイレブンは、J3王者の愛媛から最多6名が選出。MVPの松田を筆頭に、GKには辻周吾、DFには小川大空と森下怜哉、MFにはリーグトップタイの10アシストを記録した茂木駿佑と大卒ルーキーの谷本駿介が選ばれている。リーグ4位のFC今治からはDF照山颯人とFWマルクス・ヴィニシウス、リーグ9位の松本山雅FCから得点王の小松とアシスト王の菊井悠介の2名ずつ選ばれている。リーグ5位の奈良クラブからは16ゴールをマークし、惜しくも得点ランキング2位に終わったFW浅川隼人が選ばれた。熾烈な昇格争いを繰り広げた鹿児島と富山からは選出がなかった。
最優秀監督賞は、奈良クラブのスペイン人のフリアン・マリン・バサロ監督が受賞した。フリアン監督は、就任2年目でJFLを制し、今季からJリーグに初参入。当時、33歳(現在34歳)の若さでJクラブを率いて、史上最年少監督の記録を更新した。フリアン監督は、「選んでいただいた方たちに我々の内容を評価してもらった形だと思いますし、奈良クラブにとっても大変価値のあることだと思うので、誇りに思っています」と喜びを語った。
フェアプレー賞はヴァンラーレ八戸、福島ユナイテッドFC、SC相模原の3クラブが受賞。新設されたフェアプレー個人賞は山本海人(福島)と永井建成(FC大阪)というGK二人に、唯一フィールドプレイヤーからはDF安在達弥(アスルクラロ沼津)が選ばれている。
各賞の受賞者は以下の通り。
■最優秀選手賞(MVP):
FW松田力(愛媛FC)
■J3ベストイレブン:
GK
辻周吾(愛媛FC)
DF
小川大空(愛媛FC)
照山颯人(FC今治)
森下怜哉(愛媛FC)
MF
茂木駿佑(愛媛FC)
菊井悠介(松本山雅FC)
谷本駿介(愛媛FC)
FW
マルクス・ヴィニシウス(FC今治)
浅川隼人(奈良クラブ)
松田力(愛媛FC)
小松蓮(松本山雅FC)
■得点王:
FW小松蓮(松本山雅FC)19得点
■最優秀ゴール賞:
MF白井陽斗(FC琉球)
明治安田生命J2リーグ第12節 6月3日
FC琉球vsアスルクラロ沼津(35分)
■優勝監督賞:
石丸清隆監督(愛媛FC)
■最優秀監督賞:
フリアン・マリン・バサロ監督(奈良クラブ)
■フェアプレー賞:
ヴァンラーレ八戸
福島ユナイテッドFC
SC相模原
■フェアプレー個人賞:
GK山本海人(福島ユナイテッドFC)
DF安在達弥(アスルクラロ沼津)
GK永井建成(FC大阪)
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