直近の公式戦で3連勝と勢いに乗る9位ラツィオは9日、降格圏の18位ヴェローナと敵地で対戦。23分、マッティア・ザッカーニの技ありのヒール弾で先制に成功したが、後半、同点に追いつかれると、相手の退場による数的有利を活かすことができずに1-1とドローに終わった。
ミッドウィークに行われたコッパ・イタリアのジェノア戦に先発した鎌田大地は、左インサイドハーフのルイス・アルベルトの復帰に伴い、前節のカリアリ戦に続いてリーグ戦2試合連続でベンチスタート。指揮官のマウリツィオ・サッリは、同点に追いつかれた終盤、71分にタティ・カステジャーノスやペドロらを投入。さらに84分、マテオ・ゲンドゥージに代えて処分明けのマティアス・ベシーノ、負傷したアダム・マルシッチに代わって29分から出場していたエルセイド・ヒュサイに代えてルカ・ペッレグリーニの起用を決断し、鎌田に出場チャンスは訪れなかった。
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そんなラツィオの一戦について、サッリは『DAZN(ダゾーン)』のインタビューで分析。勝ち点を取りこぼしたことを悔やみつつ、チーム全体のパフォーマンスをポジティブに受け止めた。
「結果は残念だが、良い試合だった。最初から最後まで試合の主導権を握り、良いレベルのパフォーマンスを披露できた。リードした後も落ち着いた試合運びができていた。昨シーズンまでのような得点力、簡単にゴールへつなげる能力が足りないだけだ。以前なら、不運なエピソードがあっても、3-1で勝っていた試合だ」
ラツィオはまるでチョコレートの箱
だがラツィオ指揮官の見解とは裏腹に、イタリア紙『Corriere dello Sport』は10日、厳しい見解を示している。
ラツィオが今シーズン、リードしている展開から取りこぼした勝ち点は「10」に上ると指摘。「ラツィオはまるで映画『フォレストガンプ』のあの有名なチョコレートの箱のようだ。ファンはどんな中身が入っているのか全くわからない。ヴェローナでのドローは、コレクションの長いリストに加わった」などと皮肉を綴った。
さらに「71.2%のボール支配で主導権を握ったという考えは、欠点を隠すためのついたてでしかない。横パスばかりで、試合に刻印を押すことができなかった」とも付け加えたほか、「脅威となるプレーを作り出すことに苦戦している。ラツィオが安定を取り戻すようサポートし、修正するのが指揮官の宿題だ」と結論付けた。
先発した鎌田のライバルたちの評価は?
また寸評においては、先発復帰した不動の10番ルイス・アルベルトや、直近の試合で絶賛され、リーグ戦9試合連続先発出場した右IHのマテオ・ゲンドゥージら鎌田のライバルのパフォーマンスに「5.5」と不合格の評価を下した。
前者については「チーロ(インモービレ)へのパスや終盤の強烈シュートはあったが、開幕直後の怪物のような貢献がもはや見られない」と指摘。後者についても「(イタリア杯ジェノア戦決勝弾の)偉業の後は低下した。導火線に火が付くことは一度もなかった。ほとんど爪痕を残せなかった」との見解を示した。
『Gazzetta dello Sport』もまた、スペイン人MFについて「ほとんど献身さがなく、数多くのボールを無駄にしてごう慢な試合だった」と辛口。フランス人MFについても「いつものような運動量がなかった。必ずしも冷静ではなかった」と振り返ると、チーム全体に対し「ラツィオ、なんてもったいないことを」と嘆いた。
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