セリエA 11位からの巻き返しを図り、第17節でマウリツィオ・サッリの古巣エンポリとの対戦へ挑んだラツィオは、マテオ・ゲンドゥージとマッティア・ザッカーニのゴールにより2-0とリーグ戦3試合ぶりの勝利を収めた。
だが、元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏の同胞でチェゼーナ生まれのザッカーニの試合中の行動が批判の的となっている。イタリアメディア『fanpage』は、「カマダが走り出すも、ザッカーニは彼を無視し、ボールを別の方向へ蹴り出した」との見出しをつけ、エンポリ戦の37分のプレーが問題となっていることを指摘した。
25分から途中出場していた鎌田は、カウンターを仕掛けると、左ウィングのマッティア・ザッカーニにボールを預けて前線でリターンを要求したが、イタリア代表MFは、ファーサイドにいたタティ・カステジャーノスへのパスを選択。精度を欠いたボールはゴールラインを割った。
イタリアメディアは、このシーンが発端となってファンの間で批判が相次いだことを報道。「マッティア・ザッカーニが、完全にマークを外したカマダを無視してパスを出さず、その後、(不満を口にした)同僚たちを黙らせようとする様子が収められた動画がSNS上で拡散されて、その主役となった」と伝えた。
このプレーを巡っては、『DAZN(ダゾーン)イタリア』の解説陣も疑問を呈している。実況を担当したリッカルド・マンチーニ氏は「ザッカーニの無茶な解決策」と苦言を述べたほか、解説を担当したマッシモ・ゴッビ氏も「見た目は美しいパスかもしれないが、(エンポリDFセバスティアーノ)ルペルトの頭上を越えるパスは複雑で困難なものだった」と理にかなわない強引なプレーに首を傾げていた。
(C)Getty images
伊解説陣が注目したもう1つのシーン
なお、『ダゾーン・イタリア』の解説陣は、53分のラツィオのカウンターの場面についても注目。ゴッビ氏は、鎌田へのパスを選択しなかったラツィオの選手の判断を批評した。ゲンドゥージが自陣でボールを拾うと、ピッチ中央ではフリーとなった鎌田がパスを要求したが、フランス人MFは日本代表MFへ目を向けず、前線のカステジャーノスを選択した末、ボールはエンポリGKの元へ収まった。
「おそらくカステジャーノスの動きで、カマダのプレーが開けたはずだった。見ての通り、エンポリのCB2人は常にFWをカバーすることを考えていて、カステジャーノスに引き寄せられていたからね。カマダへ出していれば、おそらくラツィオは、より上手く組み立てられたはずだった」
鎌田を無視?ラツィオMFの背景
37分のミスを指摘されるといらだちを見せ、“鎌田を無視した”としてSNSで炎上したザッカーニだが、試合前に最愛の祖父を亡くしたことをSNS上で報告するなど、背景には特殊な事情もあった。
イタリア代表MFは、試合後の『ダゾーン』のインタビューで「今日、ピッチに立つのは難しかったはずだ。失った祖父へ捧げるゴールか?」と問われると、声を詰まらせながら「僕にとって特別な一日だった。このゴールは彼に捧げたい」と語り、複雑な心境の中で試合に臨んでいた様子をのぞかせた。
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