ナポリの下部組織出身で現役時代はパルマやサッスオーロでもプレーしたパオロ・カンナヴァーロ氏。引退後は指導者に転身し、兄ファビオ・カンナヴァーロ氏の下、ベネヴェントや広州恒大でアシスタントコーチを務めた。そんなカンナヴァーロ氏が『ダゾーン・イタリア』の特番「Un'altra storia」に出演し、イタリアの名物司会者ピエルルイジ・パルド氏のインタビューを受けた。
まずパルド氏から「ナポリと聞いて最初に思い浮かぶことは?」と問われると、元ナポリ主将が語り出した。
「情熱だよ。この街において、ナポリっ子たちはやることすべてに情熱を傾けるんだ。音楽、映画、演劇、カルチョ、料理に至るまでね。ナポリを表す最適な言葉は情熱だと思う。過去の偉人達も常にこの際立った情熱を仕事に傾けてきた。僕はナポリ出身だけど、ある日、イスキア島から船でナポリに戻ってきた時、なぜみんながナポリに恋するのか分かった。あれは唯一無二の印象的な眺めなんだ。見るたびに魅力的な風景だ」
「ナポリっ子にとって、ナポリのユニフォームを身にまとうことは、責任感を伴うと同時に喜びでもある。私自身は、毎回ユニフォームに袖を通すたびに、まるで初めての時のような感動を覚えていた。それに私はスタジアムのすぐそばで育ったんだ。スタジアムから300メートルの場所にある小さなサッカーコートでゴールを挙げている少年を想像して欲しい。当時の私は『あのスタジアムでゴールを決めたい。プレーしたい』と思っていたんだ」
「それからナポリの選手としてプレーし、キャプテンマークを巻くのが現実になった。当然、強い責任感を背負うことになるが、大きな満足感があった。子どもの頃からの夢であり、夢を実現できた自分は幸運であると感じていたよ」
手に届かなかったスクデット
2006年にパルマからナポリに戻ると、サッスオーロに移籍する2014年まで故郷のクラブで過ごしたカンナヴァーロ氏。2012-13シーズンにヴァルテル・マッザーリの下、スクデットにあと一歩届かなかったことを悔やんでいる。
「ナポリでの心残りは、スクデットを獲得できなかったことだ。マッザーリ指揮下の最後の年は、本当にスクデットを信じていた。だが1月に3、4試合勝てなくて足踏みしている間にユヴェントスに差を広げられ、そこから追いつくことができなかった。あの年は本当に信じていたんだ。あの頃のチームのメンバーとあの雰囲気なら実現してもおかしくなかったはずだし、実現していれば魔法のような時間になったはずだ」
兄のファビオ氏を巡っては、ズラタン・イブラヒモヴィッチ氏をスクーターのベスパに乗せて街案内をし、元ミランのスターがナポリ移籍を望むほど南イタリアの街を気に入っていたとの都市伝説が囁かれたことがある。
「その話は本当だよ。ファビオはベスパ愛好家なんだ。イブラはナポリ移籍にかなり近かったと思っている。実現していれば、すごいことになっていただろう。イブラの移籍話が囁かれていた時、ナポリは優勝を目指していたしね。彼はピッチ内だけでなく、ピッチ外においても貢献してくれるタイプのリーダーだ。本当に実現していれば面白かったはずだ」
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“多神教”時代のナポリ
かつてナポリでは“神の子”ディエゴ・マラドーナ氏が活躍してクラブ初のスクデットをもたらしたが、カンナヴァーロ氏が所属した時期には、エセキエル・ラベッシやエディンソン・カバーニ、マレク・ハムシクの3人がチームをけん引した“多神教”の時代だった。元ナポリ主将が3人の素顔を明かした。
「エル・ポチョ(ラベッシ)は、私が一緒にプレーした中で最も情熱的な選手だった。ピッチに入った時の力の入れようはものすごいものだった。誰もができることじゃない。ハムシクは天才だ。やりたいことが技術的にできてしまう選手だった。私がマレクを初めて見た時、右利きなのか左利きなのか分からなかった。ハムシクの美容師? 私は会ったことがない。誰も紹介してもらう勇気がなかった(笑)」
「カバーニはすごかった。どちらかというと試合より練習の方が強かったね。彼にとって試合は散歩みたいなものだったが、練習が重要だったんだ。練習で彼と対戦するのはかなりハードだったよ。パルマ対ナポリ戦の彼のプレーが忘れられない。私が(ニコラ)サンソーネにタックルし、起き上がってボールを拾いに行くと、カバーニが来ていたんだ。DFのサポートに来るFW、それが彼だった」
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放送・配信予定
- インテル vs ナポリ
- 配信:DAZN
- キックオフ:2024年3月18日(月)日本時間4:45
- 実況:北川義隆
- 会場:スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
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