ウディネーゼの本拠地ブルーエナジースタジアムで行われていたウディネーゼ対ローマ戦の72分、ローマDFエヴァン・エンディカが2度、胸のあたりを触る仕草を見せた後、ピッチに崩れ落ちた。試合は1-1で進行していたが、ルカ・パイレット主審はすぐさま試合を中断。迅速にピッチへ担架を入れた。
イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』の報道によれば、昨夏、ローマに加入した24歳DFは、一度も意識を失うことなく、AEDを使用する必要もなかったとみられ、「OK」のジェスチャーをしてピッチを去った。
直後に指揮官のダニエレ・デ・ロッシがロッカールームへと向かって、エンディカの状態を確認したうえで、ウディネーゼ指揮官のガブリエレ・チョッフィや主審らと相談。選手らの意思を尊重し、パイレット主審が試合の中止を決めた。ブルーエナジースタジアムの観客からは激励の拍手が送られた。
その後、ウディネ市内の病院へと搬送され、精密検査を受けたエンディカ。命に別状はないものの、大事を取って病院で一夜を過ごすこととなった。ローマは、公式サイト上に声明を発表。「チームが入院中のエンディカを訪問した。エヴァンの容体は良くなり、気分も良いようだ。病院に残り、経過観察を受ける。フォルツァ(がんばれ)エヴァン!」と綴っている。
『DAZN(ダゾーン)イタリア』解説陣で元ローマの下部組織の指揮官アンドレア・ストラマッチョーニ氏が、ウディネのスタジアムで発生した出来事を振り返りつつ、その場に居合わせた全員に賛辞を贈った。
「ドラマチックな瞬間だった。非常にネガティブな状況だったが、このエピソードにまつわる全ての行動が非常に素晴らしかった。主審は、試合の中断や中止の決定に協力的であったし、ローマのデ・ロッシはリーダーシップを見せた。彼らだけではない。チョッフィらウディネーゼのスタッフや拍手を送ったスタジアムの観客も素晴らしかった」
なお、試合は後日、中断した72分から続行される見込みとなっている。
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