鎌田大地は昨夏、フランクフルトを退団してフリーでラツィオに加入。開幕直後はマウリツィオ・サッリ前監督の下でレギュラーの座をつかんだが、徐々に序列を落として出場機会の確保に苦しんだ。だが今年3月、指揮官がイゴル・トゥドルに交代すると立場が一変。鎌田は、サッリとはタイプの異なるクロアチア人指揮官の信頼を得てリーグ戦全試合に出場し、新生ラツィオの主役となった。
トゥドル指揮下でボランチやトップ下で起用され、攻守両面に貢献する鎌田について、『ダゾーン・イタリア』では「カマダのシーズンはどのように変わったのか?」とのお題で注目。ラツィオOBで人気解説者のダリオ・マルコリン氏が分析を行った。マルコリン氏は、鎌田がかねてからの攻撃的な特徴を維持しつつ、トゥドルの下で最終ラインでのビルドアップやボール奪取など新たな役割もこなしていると指摘している。
「カマダの新たな日常は、以前とは異なる。1タッチもしくは2タッチでボールをさばかなければならず、ボール保持をする際、全ての選手の基準となっている。そして最終ラインまで下がって、ゲームメイクをしている」
「カマダはイゴル・トゥドルの求めに応じて、センターバックの間でゲームメイクをしている。最終ラインに残って低い位置からのビルドアップを行っているんだ。ほぼセンターバックのようになっているが、彼にはこうしたパス回しをしなければならない役割がある」
「またボールを回収し、守備から攻撃への切り替えを担っている。(ヴェローナ戦の66分、)ペドロに対して素晴らしいラストパスを送ったが、ペドロがチャンスを台無しにしてしまった。このボール奪取は重要なものであっただけに、カマダ自身も落胆していたね」
「さらにヴェローナ戦の(72分の)得点シーンでは、(マッティア)ザッカーニが相手のコースを消しいったところ、カマダも加勢してボールを奪取し、彼が攻撃の展開の起点となった」
「一方、彼のおなじみのクオリティは縦への攻撃だ。彼が裏のスペースを狙って動き出して選択肢を提案し、パスをもらって相手のペナルティエリア内へと侵入する。これは彼にとっておなじみの戦術であり、いつもうまくやってのけていると言えるだろう」
チャルハノールのような進化に?
ピッチリポーターのフェデリカ・ジッレ氏は、鎌田について「トゥドルの下、ピッチ全面において、なんでもできる選手になった」と称賛。「ボールタッチやチャンスメイクなどはサッリ時代から倍増していて、危険で有用な選手へとなりつつある。だからこそ(クラウディオ)ロティート会長も、彼がラツィオで長くプレーすることを望んでいる」との見解を示した。
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するとマルコリン氏は、シモーネ・インザーギ指揮下のインテルで進化を遂げ、セリエA最強MFの1人として謳われるハカン・チャルハノールを例に挙げ、鎌田が同様の進化を遂げている最中であることを主張した。
「私も戦術解説を行いながら、まさにこれを考えていた。カマダは現在、“なんでもできる選手”だ。“なんでもできるMF”と言えば、比較をするつもりはないが、アイディアとしてチャルハノールが思い浮かぶ」
「チャルハノールは、自身のクオリティを守備面においても示せるようになった時、“現在のチャルハノール”の姿になった。カマダはそのステップを踏んでいるところだ。守備面もこなしてチームに貢献する一方、誰も彼の縦への攻撃の特徴を奪うことがないからね」
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