鎌田大地は昨夏、フランクフルトを退団してフリーでラツィオに加入。シーズン中盤までは、マウリツィオ・サッリ前監督の下でベンチを温める日が続いたが、今年3月から監督に就任したイゴル・トゥドル指揮下の主力として躍動し、シーズンを7位で終えてUEFAヨーロッパリーグ(UEL)出場を決めたラツィオの終盤の追い上げに貢献した。
トゥドルの信頼が厚く、来シーズンへ向けて構想の中心でもあった鎌田。ラツィオはセリエAの最終節終了後、6月末に満了を迎える1年契約の更新を目指し、先月28日には選手側が保持する3年間の契約延長オプションの行使へ口頭合意が報じられていた。
ところが、現地時間先月30日とされていた延長OPの行使期限の間際に状況が一転。イタリア紙『Corriere dello Sport』などは、契約解除条項の設定を巡って折り合いがつかず、契約延長交渉が暗礁に乗り上げたとの見方を示していた。
昨夏の補強の背景
そんな中、ラツィオのアンジェロ・マリアーノ・ファビアーニSD(スポーツディレクター)が31日、クラブ公式メディア『Lazio Style Radio』のロングインタビューに応じ、鎌田との交渉が決裂に終わったことを明かしつつ、その背景を説明した。まずラツィオSDは、選手がクラブのために奉仕するべきとの自身の考えを主張したほか、昨夏の鎌田の獲得は、背番号10番ルイス・アルベルトの退団の可能性を懸念してのものだったことを振り返った。
「風向きが変わった時、堅固な地盤があれば良いが、さもなければ、流れてしまう。何度も繰り返し言うが、選手たちがラツィオのために奉仕しなければならないのであり、ラツィオが選手たちのために奉仕するのではない」
「特にカマダについて言えば、昨年、ルイス・アルベルトが退団を希望し、合宿を欠席するなどの問題があったため、われわれは彼を獲得しようとした。似たような特徴を持った選手で、(当時の指揮官)サッリからもゴーサインが出た」
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ラツィオ幹部が激怒したワケ
ラツィオSDは、昨夏の交渉において、当時の指揮官の要望を満たすために鎌田側に譲歩し、財政的な面でも決して出し惜しみはしていなかったことを強調しつつ、1年前に結んだ契約の詳細を明かした。ファビアーニSDは、延長OPの期限が迫る中、鎌田の代理人らから1年前の約束を逸脱した条件を提案されたことを“ゆすり”と受け取り、交渉決裂に至ったことを説明。怒りを露わにしながら経緯を振り返った。
「選手本人と代理人らは、1年契約に選手側のみが行使可能な3年間の延長OPの条件を希望していた。ダイチを獲得して監督を満足させるために、われわれはこの取引を行って、彼をラツィオへ連れてきた。それも(仲介)手数料が200万ユーロ(約3.4億円)、年俸が300万ユーロ(約5.1億円)と決して安くなかった。われわれが経済的な面で出し惜しみをしたわけではないことは、みなさんもお分かりだろう」
「そして昨日、すなわち5月30日に、カマダ側が権利を持つ3年間の延長OPの条項が期限を迎えた。そこでわれわれは、予測しない事態に直面した。もし彼が延長を望まないのならば、心配せずに退団してくれて構わなかった。そういう約束だったからね」
「ところが代理人らがやって来て、1年前と同じ取引を行うよう求めたんだ。つまり、また1年間の契約で、再び彼に有利な一方的な延長OPの条項を付帯させるということだ。われわれは非常に無礼な行為に直面したよ」
「私はゆすりのような行為を許すタイプではない。そこで私は穏やかに『こんな“ゆすり”のような話は、議論することすら関心がない』と伝えた。なぜなら、言った通りにしないのなら、退団するという話だからね。心配せずに退団すれば良い話だ」
「それからクラブというものは、選手を資産化しなければならない。ところが私が直面した状況というのは、シーズンを終えて、彼は延長せずに100ユーロで退団する。もし(契約を延長して)レアル・マドリードやバルセロナといったクラブが交渉を望んだとしたら、私は収益を上げることができる。それが私にはできない」
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選手はラツィオ愛を示すべき
最後にラツィオSDは、“脅し”のような行為やクラブを利用するかのような行為を批判するとともに、加入を望む選手やその代理人に対して、ラツィオ愛を求めた。
「とにかく、この状況は受け入れられないものであり、受容できない。ダイチや代理人ら紳士諸君、ラツィオにやって来る者は、ラツィオを愛さなければならない、ユニフォームを愛さなければならない、ラツィオのプロジェクトと調和しなければならないということを、理解するべきだ。個人の利益のためだけではなくね」
「カルチョにおいては、全員が役立つ一方、不可欠な者は誰もいない。死ぬまで繰り返すつもりだが、私が直面したような、ラツィオやファン、メディアが自分たちに必要だという悪習はあるべきではない。その真逆で、ファンやクラブ、メディアへリスペクトを示し、ラツィオのために奉仕するべきなんだ。こうしてバカなふりをする者たちとは、意気投合できない。私に対する脅しは好きではない」
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