ラツィオでは、ブラジル人MFフェリピ・アンデルソンが母国復帰を希望して今シーズン限りで契約満了により退団。続いて来シーズンへ向けてイゴル・トゥドルの構想の中心になるとみられていたMF鎌田大地も、契約延長交渉の決裂により、昨夏に結んだ1年契約の満了をもって退団する見通しとなった。
そんな中、イタリア紙『Corriere della Sera』は「ラツィオは移籍金ゼロの放出が多すぎる…カマダからフェリピ・アンデルソンに至るまで収入なしでチームを去り、メルカートがその影響を受ける」との見出しをつけ、特集記事で注目している。
鎌田の退団が決定的となり、指揮官のトゥドルもクラブとの補強方針の意見の食い違いなどからチームを去ったラツィオ。クラウディオ・ロティート会長は、『Il Messaggero』のインタビューで後任にヴェローナ指揮官のマルコ・バローニが就任することを明言したが、ファンの不満は募っている。
特集記事は、ラツィオが現在、バローニの教え子であるヴェローナのティジャニ・ノスリンや、アル・ドゥハイル入りが囁かれている不動の10番ルイス・アルベルトの代役としてハタイスポルのフィサヨ・デレ・バシルの獲得に関心を寄せていることを報じつつ、「ファンが喜んで飛び跳ねるようなプロフィールではない」との見解を示している。
ラツィオがビッグネームを獲得できない背景には、補強のための予算不足があるとみられている。今月末で鎌田とアンデルソンがフリーとなって退団するが、「2021年に戻ってきてからずっとレギュラーだったブラジル人選手」と、「トゥドルの到来により、居場所をつかみ取った日本人選手」には、「フォルメッロでかなり力を入れていて、チームの中で高給取りの部類であるのも偶然ではない」ほどの戦力として数えられていた。
だが、2人とも期限満了による退団のため、ラツィオはレギュラークラスの選手を失う一方で補強のため資金を確保できず、「ラツィオのファンは、予算がわずかであることを意識し、近年、フリーで数多くの選手を失ったクラブをとがめている」とイタリア紙は指摘する。
しかも鎌田とアンデルソンの2人は「クラブが1セントもふところに入れることができずに、チームを去った唯一の選手たちではない」と強調。2018年以降、「レギュラーまたはほぼレギュラーだった実に7人もの選手が期限切れを迎えた」として、度重なる収入の機会損失の問題点がクラブにあると分析した。
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