昨シーズンはセリエA準優勝の好成績を収めたものの、今シーズンは前年を大きく下回る7位でフィニッシュしたラツィオ。来シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)出場権を逃したうえ、主力のルイス・アルベルトやフェリピ・アンデルソンに加えて、来シーズンの構想の中心となるはずだった鎌田大地も交渉の決裂により退団し、さらに今年3月に電撃辞任したマウリツィオ・サッリ監督の後任イゴル・トゥドル監督までもがチームを去った。
ラツィオは元ヴェローナのマルコ・バローニ監督を招聘し、今夏の補強に取り組んでいるが、チームの縮小を予感させるクラブの動きに対し、ファンが反発するなどして、今後が懸念されている。そんな中、ラツィオのレジェンドであるブルーノ・ジョルダーノ氏が、23日付のイタリア紙『Corriere della Sera』のインタビューで自身の見解を示した。
かつてのエースストライカーは、「実際にクラブが縮小したかどうかは、最後にしか分からない。ただ、チームが近年と同レベル、すなわちUCL出場を目標に戦えるレベルを保てることを願っているよ」と語り、ひとまず冷静に補強の行方を見守るべきであると主張した。
すると質問者から「(レベルを保つために)クラブがルイス・アルベルトやフェリピ・アンデルソン、そしてカマダの退団に対して、対策を打たなければならないのではないか」と指摘を受けたジョルダーノ氏。ラツィオOBは、鎌田らの穴を埋めるために必要とされる補強を提案した。
「クオリティとパーソナリティのある若手が必要だ。これまでに名前が挙がっている中で完璧な選手が1人いる。(メイソン)グリーンウッドだ。私は彼が大好きだよ。彼なら、ファンが常にクラブに対して実現を願っているような本物の補強と言えるだろう」
「複数のポジションでプレーでき、相手守備陣を混乱させることができる。イタリアで違いを作り出せるはずだ。クラブがこのような補強を検討しているのなら、現在のチームにクオリティが欠けていることを理解していることを意味する」
一方、長い下積み時代を経て、ラツィオ指揮官に就任したバローニには、「彼なら経験があり、熱狂をもたらしてくれるだろう。近年、良い仕事をしてきた監督だ。程よくバランスがあって落ち着いている」と太鼓判を押した。
またジョルダーノ氏は、クラウディオ・ロティート会長率いる首脳陣に厳しい姿勢を示すラツィオのファンにも理解を示している。
「ローマでは、ファンがより上を目指そうとするのは当然だ。クラブは、ラツィオの背後に、決してあきらめないファンがいることを理解するべきだ。ファンは常に、最善の結果を手にするためにプレッシャーをかけるはずだ。幹部がファンに耳を傾けることができるかどうか、見守ってみよう」
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