今夏、シント＝トロイデンからパルマへ移籍し、日本人史上初のGKとしてセリエAに挑戦するGK鈴木彩艶。先月20日に行われたアントワープとのプレシーズンマッチ（パルマが2-1で勝利）に途中出場して一定の評価を得ると、27日、ガラタサライとの親善試合で先発デビューも果たし、2-0のクリーンシートを達成した。
一方で、鈴木の移籍の実現に貢献し、入団会見に同席したスポーツマネージングディレクターのロエル・ヴァイエンス氏の退任が31日付で発表された。地元紙『Parma Today』は、ヴァイエンス氏が「選手の代理人やシント＝トロイデンの高額過ぎる要求により、交渉が何度か破談となるリスクがあったが、クラブにとって有利に運ぶように努めてバランスを保った」ことを説明。そのうえで「会長の意向により（獲得を）加速させると、彼を持ち帰った」が、会長らとの関係が悪化する中で「ザイオンの加入さえ、ベルギー人の定められた運命を救えなかった」と伝えている。
また同紙は、同僚のジョルダン・オソリオが31日、日本代表GKらパルマの新戦力について「クラブに合流してから新選手たちに会ったが、経験もあるようだ」と加入を歓迎したことにも触れた。
そんな中、イタリアメディア『Mediaset』が8月2日、パルマに加入したばかりの鈴木に注目。「ほら、新たな“ベンジ（若林くん）”だ」と小見出しに綴り、現地でも人気のアニメ『キャプテン翼』の登場人物に例えた。
イタリアメディアは「こうして新“若林源三”こと、21歳のザイオン・スズキがイタリアにやって来た」と紹介すると、続いて、過去にパルマで活躍した元ブラジル代表GKクラウディオ・タファレル氏の加入時と比較し、「パルマは1990年にもブラジルでGK獲得してみんなを驚かせた」と振り返った。また、セリエA初のブラジル人GKが「その4年後、ワールドカップ覇者となった」ことにも触れている。
パルマで歴史を刻めるか
さらに同メディアは、米国生まれの鈴木が日本だけでなく、ガーナにもルーツを持つことを伝えつつ、入団会見において「パルマのように素晴らしい歴史のあるチームにやって来て幸せです」とイタリア語で語り、「すでにイタリア語を学び始めている」ことも好意的に紹介した。
下部組織から過ごした浦和レッズでは、2022年にAFCチャンピオンズリーグを制し、AFCアジアカップカタール2023では日本代表のゴールを守ったことなども紹介。そのうえで「5年契約を結び、これからパルマで歴史を刻もうとしている」と述べ、パルマでの鈴木の飛躍に期待を寄せた。
なおパルマは、日本時間5日のアタランタとのテストマッチを経て、12日にシーズン初の公式戦となるパレルモとのコッパ・イタリア1回戦に臨み、18日にフィオレンティーナとのセリエA開幕戦に挑む予定となっている。
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