ローマは今シーズン、契約を3年間延長したばかりのダニエレ・デ・ロッシをわずか4試合で解任。ファンの反発を招く騒動の末、解任を主導したとされるリナ・スルークCEOも辞任し、後任監督となったイヴァン・ユリッチもまた、チームの立て直しに苦戦し、10日の第12節ボローニャ戦終了後に職を解かれた。
そんな中、今シーズン3人目となるローマ監督を巡っては、デ・ロッシのほか、元ローマ指揮官クラウディオ・ラニエリや、ロベルト・マンチーニやマッシミリアーノ・アッレグリらが候補に挙げられていたが、ラニエリによる第3次体制が発足した。
昨シーズン限りでカリアリの指揮官の座から退き、一度は監督業引退を決めていたローマ生まれの73歳の新指揮官が、記者会見の場で、新たな挑戦へ意欲を示した。
「私は一度、指導するのをやめた。だが信じられないことに、レスターでプレミアリーグ優勝した時よりも、ここ数カ月の方が多くのオファーが舞い込んだ。私は、ある人に『監督復帰するケースは、ローマかカリアリから連絡があった場合の2つだけだ』と話していた。宿命は、私が“我が家”へ帰ることを望んだんだ。私は選手としてローマでキャリアをスタートし、監督・ディレクターとしてローマでキャリアを終える」
しかしローマにおいては、米国資本のクラブ経営陣との関係構築の問題など、課題が山積みとなっている。
「私は面と向かって物事を指摘するタイプだ。経営陣には、考えていることを全て伝えた。その反応は驚くべきものだったよ。どれほどこのチームへの思いがあるのかが分かった。フリードキンは、多額の資金を投じた一方、望んだ結果が得られなかったことを自覚している。私は、自分に与えられた任務を全うできるよう願っている」
「チャンスを与えてくれたクラブには感謝したい。これから下す決断は、全てチームやローマの利益のために、みんなが賛同して下すことになる。これまでは、何かがうまく行かなかったが、今後は結果がついてくることを1人のファンとして願っている。また、クラブ内部の人間として、物事が正しい方向へ向かうための手助けをできるよう願っている」
ディバラとフンメルスの処遇は?
ローマでは、新戦力の元ドイツ代表マッツ・フンメルスがベンチを温めてきたほか、パウロ・ディバラもまた、出場数に関連した契約上の問題によってボローニャ戦を欠場したとの見方が報じられて物議を醸した。ラニエリは、2人の起用に関して自身の考えを示した。
「私はマッツの出場した試合を確認した。なぜ彼がプレーしてはならないというのか? 彼は一定の年齢ではあるが、様子を見てみよう。私は試合に勝たせてくれる選手を選びたい。ディバラについては、会長と話をし、状況について尋ねた。そして私は、ピッチへ送り込みたいと思う選手を選ぶということを、明確に伝えたつもりだ。パウロは状態が良ければ、違いを作り出せる選手であり、彼と話をしたい。だが当然、常にプレーできるわけではないがね」
ラニエリは、チームの立て直しを優先事項とする一方で、将来的に、ローマOBでレジェンドのフランチェスコ・トッティ氏のクラブ復帰も、前向きに検討する方針を示している。
「私は何も最初から除外するつもりはない。いまの目標は、チームを上位へ導くことだが、今後、トッティと話をし、もし手伝ってくれる可能性があるのなら、検討していくべきオプションであると考える。だが現在の優先事項は別だ」
なお、ラニエリの初陣は、日本時間25日に予定されているセリエA第13節の首位ナポリとの敵地での一戦となる。
放送・配信予定
- ナポリ vs ローマ
- 配信:DAZN
- キックオフ:2024年11月25日(月)日本時間2:00
- 会場:スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ
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