今季、ヴィッセル神戸が連覇して幕を閉じた明治安田J1リーグ。ただ昇格初年度ながら開幕から躍進を見せ、最終節まで優勝を争う大躍進を見せたFC町田ゼルビアが台風の目になった事は、いい意味でサプライズだった。そんなチームで主将を務めるDF昌子源がゲストに登場し、今季を振り返った。
町田を率いる黒田剛監督が開幕前から「5位以内という目標を掲げていた」と言う昌子は、その頃から「低めの目標を設定してしまえば、その目標を途中で達成してしまったら、そこでやめてしまう。だから高めの目標を設定して挑もう」と黒田監督が話していたことを明かす。
その言葉通りに開幕からスタートダッシュに成功して、快進撃を続けていった町田だが、その勢いに反して世間から「どうせ無理だろうとか、途中で落ちるだろうと言われて、それで落ちてしまったら本当に俺たちはそこまでだ。そこに最後まで食らいついて俺たちでは無理だろうということを成し遂げた時が一番僕らも喜べるんじゃないか」と主将としてチームメイトに伝えてきた。
その結果として最終節まで優勝を争う粘りを見せ、最終的には3位という形でタイトルには手が届かなかったが、内田氏は「今季は町田がJリーグを面白くした」と健闘を讃えた。
昨季は連敗を一度もせずに、今季もその記録を続けられていた中で9月下旬から10月上旬にかけて黒田体制下で初の連敗を喫した。昌子は、「その頃は広島さんと僕らが競り合っていて、広島さんが何連勝もして、一時は11ポイントの差があったのに、下にピタッとつけられた時のチームとしての焦りというか、それで僕らもチームとしての経験がなかったので、あたふたした」と振り返った。
ただ指揮官は動揺を見せなかった。黒田体制下で一度も連敗がなかった中で、第32節広島戦、第33節川崎F戦で初の連敗を喫したが、昌子は「あの人は一切ブレなかったです。1敗しただけでもすごくアレルギー反応があって、何がダメだったかを自分たちに矢印を向けて言ってくれる方が初めて連敗した時にあの人の中では相当葛藤があったと思うんですけど、僕らには「切り替えよう、俺たちにはそれしかない」と。その事を認めるじゃないですけど、僕らに見せた姿はそんなに甘くないから、俺たちは切り替えるしかないよねと。その後もなかなか勝てなかったですけど、最後に踏ん張れたのもそれが今年の町田の強さだった」と振り返った。
大躍進のJ1初年度で3位という堂々たる結果を残した町田が来季、さらなる躍進を見せてくれる事を期待したい。
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