ラ・リーガ1部の元審判セルジ・アルベルト・ヒメネス氏が、バルセロナの審判贈賄集疑惑“ネグレイラ事件”の中心人物であるエンリケス・ネグレイド氏から、過去に圧力をかけられたことがあると話した。
バルセロナは2003年から2018年にかけて、当時のスペイン審判技術委員会(CTA、スペインフットボール連盟管轄の審判組織)副会長ネグレイラ氏とその息子が保有していたDASNIL95社に総額650万ユーロを支払っていたことで、贈収賄疑惑にかけられている。
そして元審判であるヒメネス氏が、渦中の人物であるネグレイラ氏の人となりについて、スペイン『ラディオ・マルカ』とのインタビューで語った。現在74歳のヒメネス氏は、同じく元審判だった現在77歳のネグレイラ氏と1970年代終わりから1990年代初頭まで、同時期に審判を務めていた(ネグレイラ氏は1994年にCTA副会長に就任)。
二人が審判を務めていた時期は、バルセロナからネグレイラ氏への支払いが始まる前のこととなる。ただヒメネス氏によれば、その当時にネグレイド氏からレフェリングについての圧力をかけられたことがあるという。
「私はネグレイラから圧力をかけられたことがある。ほかの審判と一緒に集まり、彼は私に言ったんだ。『おい、自分がテレビで話すことに気をつけろよ。お前は俺のことを分かっているよな? 注意して行動しろよ』とね」
「試合を操作する馬鹿げたやり方があったんだ。自分を支援してくれる誰かがいて、こちらがたんまり金をいただくことで事を済ませる、というね。結果がネガティブなものであれば金は返す。しかし勝てれば、金は永遠に自分のものになるんだ。負ければ金を返して、また新しいチャンスがやって来るわけだ」
「ヒメネス氏はまた、1984年のUEFAカップ準決勝セカンドレグ、アンデルレヒト対ノッティンガム・フォレストにも言及。ファーストレグに2-0で勝利していたノッティンガム・フォレストはセカンドレグを0-3で落としたが、同試合では審判による八百長が行われていたことが明らかとなっている。
「あの試合では審判のエミリオ・グルセタが買われていたが、ネグレイラは線審を務めていたんだ」
ヒメネス氏によれば、ネグレイラ氏は「優越的地位の濫用」を行う人物であったという。
「ネグレイラはいつだって、優越的地位の濫用をする人間だった。自分が審判委員会のリーダーであると触れ回っていたよ。バルセロナにもそうやって売り込んだのさ。ネグレイラは自分のことをリーダーのお手本だと言っていた。私が彼を信じたことは一度もなかった。いつだって彼と距離を置こうとしていたんだ」
「今回の件については、その深刻さに驚いた。彼であればどんなことでも起こり得ると思っていたが、しかし驚いたね」
ヒメネス氏はまた、ネグレイラ氏が現在患っているという病気が、刑事責任を逃れるためではないかとも指摘。「ネグレイラが、いきなりアルツハイマーになったことには驚きだよ」と語っている。
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