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【ELGOLAZO × DAZN NEWS 連動企画(前編)】識者二人が見た6月シリーズの戦果 Vol.4 Tunisia。〜全失点に絡んだ吉田。CBとして求められる説得力〜 | キリンカップサッカー2022

【ELGOLAZO × DAZN NEWS 連動企画(前編)】識者二人が見た6月シリーズの戦果 Vol.4 Tunisia。〜全失点に絡んだ吉田。CBとして求められる説得力〜 | キリンカップサッカー2022DAZN
【サッカー日本代表・コラム】エルゴラッソとDAZN NEWSの連動企画『6月シリーズの戦果』。長く代表チームを取材する二人の識者に、4試合それぞれで見えた収穫や課題について語ってもらう。最終回となる今回はチュニジア戦。前編では主将に焦点を当て、現状の問題点を検証する。
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フラッシュバックしたイタリア戦

吉田麻也を、07年のプロ1年目からここまで、記者として長く見てきた立場である。時代とともに経験してきた浮き沈みも、それはすべて選手としての“味”となり、いまの人間味あふれるキャプテン像へとつながっている。

彼は若いころ、ミスの多い選手だった。CBのミスは即、失点につながる危険がある。そのプレッシャーと隣合わせなのが「CBの性」だと、吉田は自分に唱え続けてきた。それと同時に、「CBは経験のポジション」と周りから言われては、それを支えにしてきた。痛恨のミスも、血肉となり未来の自分をたくましくする。そして吉田は、日本代表やプレミアリーグの舞台でそれを現実にしていった。

チュニジア戦。すべての失点に絡んでしまった。いまや日本のキャプテンという立場である。言い逃れのできない失態だった。

スタジアムの記者席から天を仰ぐ吉田を見て、思い出した光景があった。13年6月、ブラジル。コンフェデレーションズカップ・第2戦のイタリア戦、吉田がチュニジア戦の2失点目と同じような形で相手に入れ替わられ、失点につながったシーンである。強豪相手に大善戦していた中で起きた、CBのミス。試合後、「言い訳もなにもない。厳しい評価で記事を書いてください」と口にした若きDFの姿が、9年の時を経てフラッシュバックした。

信頼はプレーで取り返すのみ

吉田がその後、成長を遂げた理由の一つに、「判断力」がある。相手との駆け引きはもちろん、位置取りや状況判断といった頭脳を駆使したプレーを、課題のスピードと肉体強化とともに磨いた。17年、イングランドのリーグカップ決勝では、当時マンチェスターUに所属していたズラタン・イブラヒモビッチと互角の戦いを演じた。18年のロシアW杯・ベスト16のベルギー戦でも、ロメル・ルカクに対して的確な位置取りで機先を制した。これらはすべて、吉田の「判断力」の賜物だった。

今回の失点場面。PKを与えたスライディングの選択も、味方との連係不足により敵に入れ替わられたシーンも、完全に判断ミスと呼べるプレーだった。サンプドリアでの出場機会減による試合勘の狂いからなのか、代表4連戦からくる疲労感からなのか。それとも、主将として背負う重圧が集中力を削ってしまったのか。理由は、一つだけではないだろう。

「ここ(代表)にいる価値は自分のプレーでしか示せない。いいコメントを残そうが、いいアクションをしようが、ピッチ内のパフォーマンスが大事なのは肝に銘じている。それが今日はできなかった。サッカーではワンプレーで信頼を失ってしまうと理解している」

ミスという事実を受け止める耐久力は、もう9年前とは違う。ただ、いまは冨安健洋や板倉滉、谷口彰悟らフィジカルも頭脳も優れたCB勢が突き上げてきている。本人が経歴や名前だけでピッチに立てるとは思っていないことは、言動からも分かるだろう。

いま、吉田麻也に求められるもの。カタールの舞台でキャプテンマークを巻いて立つためには、主将である前に一人のCBとして、説得力のあるプレーを見せなくてはならない。

文・ エル・ゴラッソ日本代表担当 西川結城

サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の日本代表担当記者兼、事業開発部統括マネージャー。過去に名古屋、川崎F、FC東京担当を歴任。名古屋担当時代に本田圭佑や吉田麻也を若い時代から取材する機会に恵まれる。その他雑誌『Number』や新聞各紙にも寄稿する。

日本代表 招集メンバー

ポジション名前生年月日所属クラブ
GK川島 永嗣1983.03.20RCストラスブール
GK権田 修一1989.03.03清水エスパルス
GKシュミット・ダニエル1992.02.03シントトロイデンVV
GK大迫 敬介1999.07.28サンフレッチェ広島
DF長友 佑都1986.09.12FC東京
DF吉田 麻也1988.08.24サンプドリア
DF谷口 彰悟1991.07.15川崎フロンターレ
DF山根 視来1993.12.22川崎フロンターレ
DF板倉 滉1997.01.27シャルケ04
DF中山 雄太1997.02.16PECズヴォレ
DF冨安 健洋1998.11.05アーセナル
DF伊藤 洋輝1999.05.12VfBシュツットガルト
DF菅原 由勢2000.06.28AZアルクマール
MF/FW原口 元気1991.05.091.FCウニオン・ベルリン
MF/FW柴崎 岳1992.05.28CDレガネス
MF/FW遠藤 航1993.02.09VfBシュツットガルト
MF/FW伊東 純也1993.03.09KRCヘンク
MF/FW浅野 拓磨1994.11.10VfLボーフム
MF/FW南野 拓実1995.01.16リヴァプールFC
MF/FW古橋 亨梧1995.01.20セルティック
MF/FW守田 英正1995.05.10CDサンタ・クララ
MF/FW鎌田 大地1996.08.05アイントラハト・フランクフルト
MF/FW三笘 薫1997.05.20ユニオン・サンジロワーズ
MF/FW前田 大然1997.10.20セルティック
MF/FW堂安 律1998.06.16PSVアイントホーフェン
MF/FW上田 綺世1998.08.28鹿島アントラーズ
MF/FW田中 碧1998.09.10フォルトゥナ・デュッセルドルフ 
MF/FW久保 建英2001.06.04RCDマジョルカ

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