ハンジ・フリック監督率いるバルセロナは、“オフサイドトラップの鬼”と化している。
6日に行われたラ・リーガ第9節アラベス戦(3-0勝利)では、クラブ記録となる11回のオフサイドを誘発。その前の第8節オサスナ戦(2-4敗戦)でも10回のオフサイドを引き出していたことからも分かる通り、今季のバルセロナはオフサイドトラップを積極的に使用している。
その積極性はバルセロナ、ひいてはラ・リーガの歴史でも類を見ないほどだ。フリック監督のバルセロナはこれまで62回のオフサイドを誘発しているが、1試合平均では6.89回となる。これは2010-11シーズンのビジャレアル(5.5回)、2013-14シーズンのベティス(4.53回)を上回り、同リーグ史上最高のペースだ。またバルセロナに限れば、これまでのクラブ記録はジョゼップ・グアルディラ監督が率いた2009-10シーズンの3.74回となっている。フリック監督のチームはこのままのペースでいけば248回のオフサイドを誘発する計算で、142回を記録したグアルディオラ監督のチームを大きく上回ることになる。
フリック監督のバルセロナがオフサイドトラップを積極的に使用している理由はもちろん、最終ラインを極めて高くして攻撃を仕掛けているため。MFマルク・カサードは「すべての動きをシンクロさせないといけない。かなり練習しているし、今のところはうまくいっているね」と語っている。
だがラ・リーガ初黒星を喫したオサスナ戦のほか、第5節ジローナ戦(4-1勝利)ではFWクリスティアン・ポルトゥにその高いDFラインを突破されて失点。また第6節ビジャレアル戦(5-1勝利)では、ビジャレアルのゴールがオフサイドで3回取り消しとなるなど、ギリギリの判定が続いた。オフサイドトラップが失点の危機と隣り合わせであることも間違いなく、フリック・バルセロナは高いリスクも取っていると言えそうだ。
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