FWキリアン・エンバペの母親ファイザ・ラマリ女史が、16日に行われたレアル・マドリード入団セレモニーを振り返った。
入団セレモニーで、ついに憧れの白いユニフォームに袖を通したエンバペ。その様子を見ていたラマリ女史は涙を流し、ハンカチで目を拭いていた。
フランス『パリジャン』とのインタビューに応じたラマリ女史は、その涙の理由を問われて、次のように返答している。
「キリアンのことで泣いたことは一度もありませんでした。あの日は朝から泣いていたのですが、理由は分かりません。おそらく疲れていたのでしょう……」
ラマリ女史はまた、エンバペが幼い頃からレアル・マドリードでのプレーを夢見ていたことを強調。その一方で、昨季までパリ・サンジェルマンに在籍したことに後悔の念はないとも話している。
「(エンバペがレアル・マドリード移籍を初めて夢見たのは)5歳の頃です。私はおかしいことを言っていると思っていました(笑)。彼のアイドルは全員あのクラブにいて、いつもプレーを真似ていたんです」
「PSGでプレーしたことへの後悔? パリで生まれ、ボンディで育ったならば、パルク・デ・プランスでプレーすることは本当に素晴らしいことなのです。そしてキリアンが嘘をついたことはありませんし、彼は(PSG)会長に対していつの日かレアル・マドリードに移籍すると話していました」
「マドリードが行き先でなければ、パリからは絶対に離れなかったでしょう。キリアンにとっては、本当に、本当に難しいことだったのです」
ラマリ女史は、サンティアゴ・ベルナベウに8万人が集った入団セレモニーで、レアル・マドリードの巨大さを実感したとのことだ。
「世界最高のクラブですね。火曜にはほかのクラブとの……例えば、PSGとの違いを感じました。パルク・デ・プランスも素晴らしいですが、レアル・マドリードに到着してみると、その存在の重みを感じることになります。とても巨大な歴史を持つクラブですね」
エンバペはPSGからの契約延長オファーを断って、フリーでレアル・マドリードに移籍。PSGとの関係は険悪となっており、ラマリ女史は4、5、6月の給与、報奨金、忠誠ボーナスの合計1億ユーロ(約170億円)をまだ受け取っていないとして、同クラブに支払いを求めている。
「その件はキリアンの代理人に任せています。PSGが早く問題を解決することを信じています。彼らから手紙を受け取りました。これから決定を下すとのことですが、私たちがあそこで過ごした日々が曇らないよう願うばかりです」
「法廷で争う可能性? こちらに手段がなくなれば、もちろんそうなりますね。とりあえず現在は、2年前に結んだ契約を彼らが尊重することを願っています」
「パリで起こったことは離婚と比較することができます。何がが壊れてしまえばネガティブに考えてしまうものですが、ポジティブな面だってあるのです。今、キリアンがマドリードにいることについては、モナコのほかPSGに対しても感謝を伝えることができるでしょう。18歳だった息子をPSGが信頼し、大金を投じてくれたわけですしね。そして、キリアンは十分にその恩に報いたはずです」
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