試合の概要
異例の長期戦となった2020-21シーズン。そのフィナーレを迎える試合が、エスタディオ・ダ・ルスで行われる。フィナーレに相応しく、フランス王者パリ・サンジェルマン（PSG）対ドイツ王者バイエルン・ミュンヘンという世界屈指の強豪同士の一戦だ。
パリ・サンジェルマン（優勝 勝ち点68 | 22勝2分3敗 | 75得点24失点）
準々決勝でアタランタ相手に劇的な逆転勝利を収め（2-1）、準決勝はライプツィヒに力の差を見せつけ3-0で快勝したPSG。クラブ創設50周年という節目の年で、初の決勝進出を果たした。2011年のカタール・スポーツ・インヴェストメント買収以降掲げてきた欧州制覇の夢は、あと一歩まで迫っている。
準々決勝で負傷したGKケイロル・ナバス、そしてMFイドリサ・ゲイェは間に合うか微妙なところ。特にレアル・マドリード時代に3連覇を達成した守護神を欠くのは痛手だ。それでも準決勝でゴールマウスを守ったセルヒオ・リコは好プレーを見せ、また会見にも登場するなど復帰が期待されるマルコ・ヴェッラッティなど選手層は厚く、どの選手が出場しても穴とはならないだろう。
対戦するバイエルンは、陣形をコンパクトにして敵陣から激しいプレスをかける。その分、DFラインの背後には広大なスペースが広がり、これまでの戦いでもそこを突かれてピンチを招いてきた。PSGが誇る世界トップレベルの3トップにスペースを使わせるためにも、まずは相手のファーストプレスをかわしたいところだ。
注目選手：ネイマール
PSG移籍後は度重なるケガに悩まされてきたブラジル出身のスーパースターだが、今大会では獅子奮迅のパフォーマンスを見せてきた。シュートこそやや精度を欠くものの、そのドリブルやラストパスは圧巻であり、コンディションは最高レベルを維持している。また準決勝後にはピッチに倒れこみながら勝利の喜び、そして決勝の舞台への思いを噛みしめるなど、メンタル面でも最高の状態だろう。クラブの悲願を託された10番は、どのようなプレーを見せてくれるのだろうか。
予想スタメン（4-3-3）
GK：リコ
DF：ケーラー、T・シウバ、キンペンベ、ベルナト
MF：エレーラ、マルキーニョス、ヴェッラッティ
FW：ディ・マリア、ネイマール、ムバッペ
バイエルン・ミュンヘン（優勝 勝点82 ｜ 26勝4分4敗 ｜ 100得点68失点）
ラウンド16でチェルシー（7-1）、準々決勝でバルセロナ（8-2）を粉砕。準決勝リヨン戦では序盤こそ危ないシーンを作られたが、落ち着きを取り戻してからは圧倒して3-0と快勝したバイエルン。優勝候補最有力との評判以上に圧巻の戦いを見せ、6度目のビッグイヤー獲得に王手をかけた。
状態が心配されたジェローム・ボアテングも出場が見込まれており、全員が万全の状態で決勝戦へと臨むことになりそうだ。こちらも選手層は厚く、ハンジ・フリック監督は自身のプランを実行させるために多くの選択肢を持っている。決勝戦では、PSGのアタッカー陣を考慮してスピードのあるニクラス・ジューレをボアテングの代わりに先発させることも予想されている。
とにかく前へ前へ突き進むバイエルンだが、ネイマールやムバッペとの一対一はできるだけ避けたいだろう。そのためにも、試合を通じた激しいプレスで供給路を断ち（彼らにはそれが可能だ）、高速カウンターでゴールを狙いたい。
注目選手：ロベルト・レヴァンドフスキ
現在世界最高のストライカーといっていいだろう。今季公式戦46試合で55ゴール、CLの舞台では13ゴールと圧巻のプレーを継続。クリスティアーノ・ロナウドの持つCL1シーズン得点記録（15）の更新も間近だ。準々決勝や準決勝ではチャンスの割に得点は少ないかもしれないが、ボールを引き出すプレーからラストパス、効果的なフリーランなど、とにかく際立った存在感を放っていた。これ以上ない舞台で、再び輝きを放ちたい。
予想スタメン（4-2-3-1）
GK：ノイアー
DF：キミッヒ、ボアテング、アラバ、デイヴィス
MF：ゴレツカ、チアゴ、ニャブリ、ミュラー、ペリシッチ
FW：レヴァンドフスキ
放送・配信予定
- 配信：DAZN
- キックオフ：2020年8月24日（月）日本時間4:00
- 解説：戸田和幸 実況：下田恒幸
- 会場：エスタディオ・ダ・ルス
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