FIFAワールドカップカタール2022が11月21日(日本時間)に開幕する。グループステージの組み合わせは4月1日の抽選により決定した。
決勝トーナメント進出を目指し、各国がしのぎを削ることになるが、毎回強豪チームが同居する「死の組」が発生している。カタールW杯で「死の組」と呼ばれるのはどのグループだろうか。
日本代表は厳しいグループに入った
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日本代表のグループEは、「死の組」と呼ぶのにふさわしいグループの1つだろう。W杯優勝経験を持つスペイン代表、ドイツ代表のほか、コスタリカ代表と同組に入った。
グループEは「2強2弱」の見方もあるが、一筋縄ではいきそうにない。スペインはディフェンディングチャンピオンとして臨んだ2014年ブラジル大会でグループステージ敗退。そのブラジル大会で優勝したドイツは、2018年のロシア大会でグループ最下位に沈んだ。
対してコスタリカはブラジル大会のサプライズチームに。優勝経験のあるウルグアイ代表、イングランド代表、イタリア代表と同組ながら、前評判を覆しグループ首位通過。ベスト8まで勝ち進んだ。
厳しいグループに入った日本は、W杯で過去3回ベスト16進出。強豪ひしめくグループEだが、勝ち抜く可能性は十分にあるはずだ。
グループE
- スペイン(7位)
- ドイツ(11位)
- 日本(24位)
- コスタリカ(31位)
※()内は10月6日更新のFIFAランキング
グループCも「死の組」に
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グループEのほか、グループCも厳しいグループ。このグループにはアルゼンチン代表、ポーランド代表、メキシコ代表、サウジアラビア代表が入った。W杯優勝経験があるのはアルゼンチンのみだが、グループステージ突破という点では予想が難しい注目のグループだ。
■メッシ擁する優勝候補・アルゼンチン
グループCの本命はアルゼンチンだろう。W杯では1978年アルゼンチン大会と1986年メキシコ大会で優勝。世界最高の選手と称されるリオネル・メッシを擁し、ブラジル代表と並ぶ南米の強豪だ。そのメッシは35歳となり、自身5回目のW杯に臨む。唯一手にしていない主要タイトルがW杯。今大会にはメッシの悲願達成もかかっている。
アルゼンチンは4大会連続で決勝トーナメントに進出しており、ブラジル大会では準優勝。安定した成績を残しているものの、前回のロシア大会では薄氷のグループステージ突破だった。初戦のアイスランド代表戦を引き分けると、2戦目のクロアチア代表戦で0‐3の完敗。3戦目のナイジェリア代表戦を終盤の決勝点で2-1と勝利し、辛くも2位で通過した。
■ポーランドは絶対的エース、レヴァンドフスキが牽引
前回のロシア大会で日本と同組に入ったことが記憶に新しいポーランドは、このグループで唯一のヨーロッパ勢だ。現役屈指のストライカーであるエースのロベルト・レヴァンドフスキは、好調をキープしカタールに乗り込む。今季からバルセロナ(スペイン)に移籍すると、リーグ戦全14試合に出場し13ゴールを記録。得点ランキングトップに立っており、初挑戦のラ・リーガでも活躍している。
中盤の軸は、現在イタリア・セリエAで首位に立つナポリの司令塔、ピオトル・ジエリンスキ。他にもセリエAで活躍する選手が多く招集されていて選手層は厚い。ヨーロッパ予選グループIではイングランド代表に次ぐ2位。プレーオフに回るとスウェーデン代表を下し出場権を掴んでおり、勝負強さも持っている。
■ベスト16常連のメキシコ
メキシコはW杯での安定感が光る。1994年のアメリカ大会から7大会連続でベスト16に進出。この間ベスト8入りはできていないものの、グループステージを勝ち上がる術を知っている。
グループステージ突破に向け重要な初戦で、メキシコはアルゼンチンと対戦する。グループCの行方を左右する一戦になりそうだ。
■日本を抑えアジア最終予選首位通過のサウジアラビア
グループCで最もFIFAランキングが低く、力が劣るとみられているサウジアラビア。W杯での最高成績はアメリカ大会のベスト16で、今回は28年ぶりの決勝トーナメント進出を目指す。
アジア最終予選ではホームで日本に勝利。首位通過を果たし、本大会出場を決めている。今大会の招集メンバーは、全選手国内組で構成。アル・ヒラルから最多12選手が名を連ねた。メンバー同士が互いをよく知るだけに、コンビネーション面では分があると考えられる。準備期間の短いW杯だけに、番狂わせを起こす要素を持っているチームと言えそうだ。