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【コラム】“世界最高の選手”論争に割って入ったヴィニシウス。何度でも何度でも何度でも…勝つまで挑戦を止めない超絶ドリブラー | ラ・リーガ

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【コラム】“世界最高の選手”論争に割って入ったヴィニシウス。何度でも何度でも何度でも…勝つまで挑戦を止めない超絶ドリブラー | ラ・リーガDAZN
【欧州・海外サッカー コラム】レアル・マドリー(ラ・リーガ)のヴィニシウスが、世界の頂へ駆け上がろうとしている。

今のところ、ヴィニシウスには限界が見えない。技術的にこれ以上うまくプレーすることも、メンタル的にこれ以上成功への意欲を強めることもあり得ないように思えるのに、どうやらまだ先がある。フットボール界における彼の立ち位置は、今、急激に変化しており、エンバペとハーランドの“世界最高の選手”論争に割って入るまでになった……。そのことに納得がいかない人もいそうだが、ならば少なくともベンゼマ、モドリッチ、クロース、クルトワらを擁する欧州王者レアル・マドリーにおいて最も影響力を持つ存在となっている。

ヴィニシウスの成長は止まらず、その度合いは多くの人々にとって予想以上のものになった(もちろん全員が全員そうではなく、そうなることを予期していた人たちもいただろうが)。アンフィールドでのリヴァプール戦で、彼は今一番話題になるべき選手であることを、まざまざと示したのでる。

ヴィニシウスの特徴は攻撃的フットボールのすべてだ。技術、スピード、爆発力、継続力のすべてが突出しており、決定力もそれらに並ぼうとしている。以上のクオリティーに強靭なメンタルも付与されるのだから、それはそれは凄まじい。以前のヴィニシウスはフィニッシュフェーズでの判断力とプレー精度が甘く、効果的な選手ではないとみなされていた……その当時にしても、自チームにとって有利な状況を生み出せる稀有な存在であるのは変わらなかったのだが。

■何度でも執拗に突破を狙う

vinicius-real-madrid-liga-20230225ゴール前に頻繁に顔を出す選手が決定力を欠けば、容赦のない批判の対象となり、そこで落ちぶれてしまってもおかしくはない。だがヴィニシウスは違った。彼は生来の才能とも呼べるフットボール的長所のほか、困難を乗り越える精神力を備えていた。今現在、マドリディスモ(レアル・マドリー主義)は彼のことを寵愛し、反対に相手選手たちはこの地球上で最も危険な選手の一人と対戦していることを理解している。その名声によって、いくつかのチームは意図的に彼のことを徹底マークによって“潰そう”とするのだが、しかし大抵の場合、最後にはヴィニシウスが威を振るうことになる。その理由は、至極単純だ。Getty Images

ヴィニシウスは相手に挑むことを決して止めない。何度でも何度でも何度でも何度でも、時間が許す限り相手に対してドリブルで勝負を仕掛けていく。その選手としてのクオリティーに加えて、そのクオリティーを繰り返し相手に押し付けられることこそが彼の最大の強みである。そうやって彼はマドリーの優位な状況を生み出せる。たとえプレーの成功率が低い日でも、少なくとも2~3回はチャンスを創出してしまえる。2~3回であっても、ほかの選手であれば及第点以上の活躍だ。

ヴィニシウスは相対するサイドバックを引きつけ、突破してチャンスを生み出す。相手チームがマークする選手を増やしても関係なし。相手選手たちがマークし続けることに疲れて、抜き去る瞬間がいつかは訪れる。空いたスペースを突くこともできるが、驚異なのはやはり狭いスペースでのプレーだ。その技術のレパートリー、相手選手の動き・重心を機敏に感じ取る洞察力、反射神経、瞬時にトップギアまで入る加速力……その緩急の付け方はフットボール界の中で唯一無二であり、相手を左右どちらからでもかわすことができる。

■ベンゼマのようなシュートを放つまで成長

vinicius-liverpool-real-madrid-liga-20230225加えて、現在のヴィニシウスはボールがないところでの動き、チームメートとの連係で大きな改善を見せている。今の彼はサイドに開いたまま、焦らずボールを待つことができる。そこでモドリッチやクロースがパス回しにリズムを与えて、絶妙なタイミングで彼にボールを届ければ相手チームにとって致命的な状況が生まれるわけだ。また自チームがボールを奪うとき、前に出ている相手のDFラインを突くのもうまい。サイドバックの背後でボールを受ければ、シュートを打ったりラストパスを送ったりするまで止めようがない。彼はポジショナル、トランジショナルな攻撃のどちらでも最たる違いを生み出す。Getty Images

ヴィニシウスとベンゼマの相互理解も深まった。ベンゼマはその動き出しによって、ヴィニシウスが最終ラインを突破するためのスペースを供することができる。ベンゼマは一時期、個人技に走り過ぎるブラジル人FWを無視しようとしていたが、今となっては彼なしでは生きられなくなった。チームのためにプレーするフランス人ストライカーは、ヴィニシウスの成長とチームにとっての価値を理解している。ベンゼマが新たな相棒となったヴィニシウスについて、間違いなく評価しているところは決定力の向上だろう。まったくミスしないわけではないが、確実に改善はされている。シュートの前に一呼吸入れられるようになったし、キックのレパートリーも増えた。アンフィールドでのリヴァプール戦、インサイドキックで巻いて対角線上に決めた1点目は、昔ならば考えられない極上のフィニッシュだった。それこそ、ベンゼマのシュートを思い起こさせるほどに。

守備面において、ヴィニシウスはハイプレスで存在感を示し、そのあふれんばかりのスピードでGKやセンターバックに一気に詰め寄る。その一方で、後退守備にはまだ難があるようだ。アンチェロッティが指示しているときも、単純に怠惰なときもあるが、彼はサイドバックのマークを止めてしまうことがある。もちろん、そうして前に残ることで鋭いカウンターの起点になれることも否定はしない。が、状況によっては守備に回る必要があることを自ら判断できた方がいいだろう。

いずれにしろ、もはやヴィニシウスは世界最高の選手の一人」と「世界最高の選手」の間に位置する存在となった。今なお彼は限界知らずであり、一体どれほどの選手として完成を見るのかは、まだ分からない。一つだけ言えるのは、彼は「世界最高の選手」になるまで、挑戦することを決して止めはしないだろう。何度でも何度でも何度でも何度でも、時間が許す限りは相手に対して勝負を仕掛けていくのである。

文=ハビ・シジェス/スペイン紙『as』副編集長
翻訳・構成=江間慎一郎

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