レアル・マドリードでついに活躍を見せ始めたFWキリアン・エンバペは、加入時期の低調ぶりが「精神的な問題」であったと振り返っている。
昨夏、鳴り物入りでレアル・マドリードに加入しながら、シーズン前半戦は期待されていたようなパフォーマンスを見せられず、批判も浴びたエンバペ。しかし、ここ10試合で8得点、ここ3試合では4得点と調子を上げており、現在はレアル・マドリードのチーム内得点王（18得点）となっている。何よりも、見ればはっきりと分かる凄まじくキレのあるプレーは、レアル・マドリードファンが7年にわたって待ち続けた世界最高レベルの選手の姿そのものだ。
21日にレアル・マドリードの会見に出席したエンバペは、同クラブでついに覚醒を果たした理由について説明。これまでの低調ぶりは、精神的な問題であったと振り返っている。
「調子が悪かったのは精神的な問題だった。あの頃の自分はマドリーの適応期間にいて、あまりに考え過ぎていたんだ。『これはどうすればいい？ スペースを突けばいいのか？ ヴィニのエリアに行く？ それともロドリゴの方へ？』。そんな風に考えていれば、良いプレーなんて見せられるわけがない」
「フィジカル的には問題なかったし、チームにも満足していたけど、もっと力を出せなければならなかった。それは分かっていたんだよ。そして（どん底だったと告白した）ビルバオ戦で、“バン！”ってなった。そこで自分にこう言い聞かせたんだ。『今が状況を変えるタイミングだ。悪いプレーを見せるためにレアル・マドリードに来たわけじゃないだろ』ってね」
「そこから、状況は変わった。だけど、今後も進み続けなくてはならない。1カ月良いプレーを見せるのは簡単だ。僕は常に好パフォーマンスを保ち続けないと。もう、チームを助けていく準備はできてるよ」
エンバペはまた、その精神的な問題が「内気さ」から生じたのではと指摘されると、こう返答している。
「内気さね……。僕はそうは言わないかな。自分が内気な選手になったことなんてない。だけど、すべてを勝ち取ったクラブであるレアル・マドリードに加入するならば、謙虚さも持っていなくてはならない。そう、内気さではなく謙虚さ、ということだね」
「チャンピオンズリーグで優勝したチームに加わったならば、加入初日に『君、ボールを回してくれよ。このチームは僕のチームだろ』なんて言えるわけがない。物事はそんな風に機能していけるわけではないし、最大限敬意を持たなくてはいけないんだ」
「今季、目標としている得点数？ 限界は決めない。40ゴール決められるなら40ゴールを決めるし、それ以上決められるならそうするよ。目標はチャンスをゴールに変えることにほかならない。3回チャンスがあるなら3ゴールを決める。そうやって次のゴールを探していくよ」
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