スペインのスポーツ紙『ムンド・デポルティボ』の電子版が、レアル・ソシエダMF久保建英がバルセロナに復帰しなかった理由を振り返っている。
ソシエダとバルセロナは5日のラ・リーガ第12節で対戦。『ムンド・デポルティボ』はその試合を前に、今季欧州、ひいては世界のフットボールシーンでブレイクを果たした久保が、「なぜバルサに残らず、(レアル・)マドリードに移籍してしまったのか」を説明する記事を掲載している。
2011年にバルセロナの下部組織ラ・マシアに加わった久保だが、バルセロナは2014年1月に18歳未満の選手獲得・登録に関する規定に違反したとしてFIFAから選手獲得禁止処分を科される。その影響を受けた久保は、約2年にわたってバルセロナの試合に出場できない日々を過ごし、2015年に日本に帰国を決意。日本ではFC東京、横浜F・マリノスでプレーする。
久保は日本に戻った後も1年に最低一回はバルセロナの下部組織を訪れ、元チームメートたちと顔を合わせている。そのために成人と認められる18歳となった際には、バルセロナに復帰することが既定路線となっていたが、2019年夏に久保がサインを交わしたのはレアル・マドリードだった。『ムンド・デポルティボ』は、なぜ久保がバルセロナの宿敵に加わったのか、その理由を次のように説明している。
「2019年初頭、誰もが彼のバルサ復帰は間違いないと考えていた。しかしそれから数カ月が経ち、6月となってその可能性は実質的に失われている。バルサとタケ・クボは復帰の条件を詰めるべくプレ合意に至ったものの、交渉でトップチームへの参加などが条件に挙がり、複数回の話し合いの後にバルセロナが思いとどまったのだ」
「そこに現れたのがレアル・マドリードであり、彼らは金銭的に非常に優れたオファーを提示している。そうして2019年夏、レアル・マドリードは金に糸目をつけず若き才能を獲得するという方針のもとで、タケ・クボの獲得を発表している」
レアル・マドリードに加入した久保は、Bチームのカスティージャに所属しながらトップチームのプレシーズンツアーなどに帯同。当時トップチームを率いてたジネディーヌ・ジダン氏はそのまま自チームにとどまることを希望したものの、久保本人がより多くの出場機会を求めてマジョルカへのレンタル移籍を決断している。
久保はその後、FWヴィニシウス・ジュニオールやFWロドリゴ・ゴエスらがレアル・マドリードのEU圏外枠を占めていた事情もあって、ビジャレアル、ヘタフェ、再びマジョルカとレンタル移籍を繰り返することになり、昨季に完全移籍でレアル・マドリードを離れてレアル・ソシエダに加入。イマノル・アルグアシル監督が率いるチームでは、それまで見せられなかったポテンシャルをついに発揮して、今季に本格ブレイクを果たした。
ソシエダはボールを細かくつなぐパスサッカーを下部組織から徹底させているが、バルセロナ下部組織と似通ったプレー哲学に久保はやりやすさを感じているのかもしれない。
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