【プレビュー】天皇杯決勝のカードの再現、ポイントは宇都宮・鵤誠司、川崎・藤井祐眞によるディフェンス ｜ Bリーグチャンピオンシップ準決勝

Bリーグの2020-21シーズンはいよいよ大詰めを迎え、優勝を決めるトーナメントの『チャンピオンシップ』は今日からセミファイナルが行われる。

レギュラーシーズンで最高勝率を残した宇都宮ブレックスと、天皇杯を制した川崎ブレイブサンダースの初戦は、3月に行われた天皇杯決勝のカードの再現となる。

今のBリーグは帰化選手のいるチームが有利なレギュレーションが採用されているが、宇都宮はライアン・ロシター、川崎はニック・ファジーカスと、Bリーグが始まる以前から在籍し続けるエースが日本国籍を取得している。そうなると、単に帰化選手による得点やリバウンドといった個人の働きではなく、そのアドバンテージをチームとしてどう生かすかがカギとなる。

彼ら2人と外国籍選手がしのぎを削るインサイドでは、互いの持ち味が相殺されることになって大きな差は付かないだろう。両チームのポイントガード、司令塔というよりも前から激しくディフェンスでプレッシャーを掛ける宇都宮の鵤誠司、川崎の藤井祐眞のどちらが試合の流れを自分たちに引き寄せるかが、試合展開を大きく左右しそうだ。

鵤は外国籍選手にも当たり負けしない屈強なファイターで、クォーターファイナルではサンロッカーズ渋谷がオフェンスを構築し始めるところからフィジカルで押し潰すことで、相手にリズムをつかませなかった。俊敏な動きと積極的に仕掛ける姿勢が持ち味の藤井と鵤は好対照で、鵤の分厚い圧力と藤井の電撃的なスピードのどちらが上回るのかは、ティップオフの瞬間から一つの見どころとなる。

100％の力を出し合う展開が40分間続くと予想される中で、ベンチから出て流れを変えるシックスマンの働きにも注目したい。特に堅守を武器とするチーム同士の対戦でロースコアになることが予想される中、得点面で仕事のできる選手として挙げられるのは、宇都宮では比江島慎、川崎では大塚裕土だ。

比江島はBリーグの中でも非凡な得点センスを持つ選手。身長2mを超える外国籍選手が待ち構えるゴール下にも独特のリズムで相手の間合いを外す『比江島ステップ』で仕掛けて、多彩なフィニッシュから得点を奪うことができる。ビッグマン同士が消耗戦を繰り広げるインサイドに比江島が飛び込んで得点を挙げれば、それだけで試合の流れは一気に宇都宮に傾くはずだ。

大塚はここ一番の勝負強さが光るシューター。サンロッカーズ渋谷とのクォーターファイナルでは、途中出場の彼にフリーで3ポイントシュートを打たせるチーム戦術が完璧に遂行され、そして大塚もこのチャンスを確実に得点に繋ぐことでチームを勢いに乗せた。比江島と大塚はタイプは異なれど、ベンチから出て重要な得点を奪う大仕事に期待したい。

実力伯仲の両チームの対戦では、指揮官の采配も重要になる。川崎の佐藤賢次は41歳、宇都宮の安齋竜三は40歳と、Bリーグの時代になってヘッドコーチになった新たな世代の指揮官。いずれも現役時代にプレーしたチームで、アシスタントコーチを経て指揮を執るようになり、チームの文化も選手の特徴も知り尽くしている。

戦術よりも、チームを一つにまとめられるか、メンタルゲームであるバスケにおいて選手たちを集中させ、同時に気合いが空回りしないように上手くコントロールして試合に臨ませられるかが問われる。両ヘッドコーチが1年間かけて築き上げた結束力とケミストリーのぶつかり合い、ファイナルが行われる横浜アリーナ行きを懸けた勝負を、存分に楽しみたい。

チャンピオンシップ日程・放送予定

準決勝第1戦

準決勝第2戦

チャンピオンシップ結果

準々決勝第1戦

準々決勝第2戦

準々決勝第3戦

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信！今すぐ下の記事をチェックしよう。

● 【番組表】直近の注目コンテンツは？
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは？