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【コラム】新たなスタイルの習熟度向上へ。次なる課題は『スピード一辺倒』ではない柔軟性 | バスケットボール日本代表

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【コラム】新たなスタイルの習熟度向上へ。次なる課題は『スピード一辺倒』ではない柔軟性 | バスケットボール日本代表(C)FIBA
【バスケットボール日本代表 コラム】日本代表は12日、FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選 Window5でバーレーン代表と対戦して勝利した。
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11月14日にはアウェイでカザフスタンと対戦

バスケットボール男子日本代表は、ワールドカップ予選Window5のバーレーン戦で87-74と勝利した。

来年夏のワールドカップは3カ国の共同開催で、その一つが沖縄アリーナ。日本は開催国枠ですでに出場は決定済みという状況で、予選を通じてチームの成熟度を上げるという大きな目標がある。昨年のオリンピック終了後にヘッドコーチ交代があり、前任のフリオ・ラマスは高さとフィジカルで世界と渡り合えるチームを目指したが、現在チームを率いるトム・ホーバスはスピードと連係、3ポイントシュートを重視している。今までとは全く異なるスタイルの習熟のために強化合宿を繰り返し、ワールドカップ予選は実戦経験の機会として活用している。

今年の夏は渡邊雄太や馬場雄大、富永啓生といった『海外組』を招集してチーム作りを大きく進めることができた。今回のWindow5と来年2月のWindow6はシーズン中の代表活動となり、海外組は招集できない。Bリーグでプレーする選手たちも負荷を考慮して、今回は比江島慎と西田優大が参加していない。

それでも、参加している選手にとっては自らの実力をアピールする良い機会だ。来年のワールドカップの選手登録枠は12で、海外組が優先してここに入ると考えれば、どの選手の立場も安泰ではなく、モチベーションは高い。そしてこの1年で多くの実戦経験を積んだことでホーバスのバスケへの理解度が高まり、思い切って走ること、3ポイントシュートを打つことへの抵抗が消えたことが、このバーレーン戦での立ち上がりに大きく生きた。

先発ポイントガードの富樫勇樹が圧倒的なハイペースを作り出し、他の選手もそれにしっかり合わせ、個人ではなくチームとしてスピードで相手を圧倒する。富樫は本来得意とするシュートを選択せず、スピードのあるドライブでバーレーンを翻弄し、そこからのパスで味方のシュートを演出。どの選手もリズム良くシュートを放って高確率で決めた。

中でも目立ったのは張本天傑で、日本のスピードに振り回されて相手ディフェンスが崩れたところで良いポジションを取ってパスを引き出し、第1クォーターだけで5本中4本の3ポイントシュート成功と大活躍。ディフェンスでもエヴァンス・ルークと連携して相手のイージーシュートを許さず、リバウンドを確実に抑えては次の速攻へと繋いでいった。

富樫に続いて2番手のポイントガードである河村勇輝も速いペースを維持し、第1クォーターを24-10と圧倒。第2クォーターになっても良い流れを継続。吉井裕鷹がコースト・トゥ・コーストを決め、ドライブで相手を切り崩したコー・フリッピンのキックアウトから井上宗一郎がコーナースリーを沈めるなど、ベンチメンバーも個々がハッスルして、50-33と楽勝ムードで前半を終えた。

良い意味での『異物』、ホーバスのスタイルとは別の個性が必要

ところが第3クォーターは13-24と日本が失速。速いペースに巻き込まれたバーレーンが第4クォーターにはスタミナ切れを起こして失速したために日本の優位は揺らがなかったが、後半のパフォーマンスは満足のいくものではなかった。世界ランクでは日本の38位に対してバーレーンは86位。サイズがあるわけでもなく、ベンチメンバーになると明らかに力が落ちる相手で、40分間を通して優位を保ちたい試合ではあった。

バーレーンは特に日本の『走るバスケ』に対策するでもなく、立ち上がりから日本のハイペースに圧倒された。ただ、後半になってゾーンを織り交ぜて守備に変化を加えてきた。バーレーンのゾーンディフェンスがとりわけ優れていたわけではないにもかかわらず、日本の得点ペースはあっさりと落ちてしまった。

ホーバスのスピーディーかつ3ポイントシュート重視のバスケは、東京オリンピックで女子日本代表に銀メダルをもたらした。ホーバスはヘッドコーチとして女子日本代表を5年間指導したが、その前のリオ五輪もアシスタントコーチを務めており、そのバスケは女子の選手たちに深く浸透していた。それに比べると、まだ男子の成熟度は足りない。スピードを意識して3ポイントシュートの積極性は身に着けたが、他のプレーの引き出しが足りずに一本調子となってしまう。

『自分たちのバスケ』がようやく形になってきたが、現状ではそれが精一杯。相手の対策を見て、それに対して有効な別のスタイルを出すには至っていない。

八村塁や渡邊雄太がいれば違うのだろうが、彼らの不在を言い訳にしていては日本代表の強化はストップしてしまう。今回のメンバーで言えばテーブス海やフリッピン、ベンドラメ礼生には、良い意味での『異物』として、ホーバスのスタイルで手詰まりになった時に別の個性を見せるアピールが欲しかった。そして今の代表を象徴する富樫と河村の2人にも、試合の流れによってはリズムを変え、相手を惑わせる柔軟性を求めたい。

選手たちがBリーグでの各所属チームでやっているスタイルはホーバスのバスケとは全くの別物で、それぞれ別のプレーの引き出しがあるはずだが、今は代表のスタイルをなぞるだけで、個性が出せていない。これまではホーバスのバスケをとにかく徹底し、習熟度を高めることが大事だったが、今後は変化も必要となる。そういったプレーを、誰がどんな形で見せてくれるのか。14日のカザフスタン戦でのアピールに期待したい。

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