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【コラム】『世界での1勝』を挙げたバスケ日本代表、順位決定戦で来年のオリンピック出場権を確保するためのポイントとは?|FIBAバスケットボールワールドカップ2023

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【コラム】『世界での1勝』を挙げたバスケ日本代表、順位決定戦で来年のオリンピック出場権を確保するためのポイントとは?|FIBAバスケットボールワールドカップ2023(C)FIBA
【バスケットボール・コラム】バスケットボール男子代表は、8月29日にFIBAバスケワールドカップ2023でオーストラリア代表と対戦した。
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順位決定戦は勝たなければいけない2試合

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バスケットボール日本代表は1次リーグ3戦目のオーストラリア戦を89-109で落とした。この結果、1勝2敗でグループEの3位となり、2次リーグ進出は果たせず、17-32位を決める順位決定戦へと回る。同じ日本で開催されているグループFの3位、4位チームとの対戦により最終順位が決まる。

ワールドカップで上位進出という夢は断たれたが、この大会でアジア勢の1位になれば来年のパリオリンピックの出場権が手に入る。8月29日終了時点で日本を除くアジア勢は全敗で、日本が1次リーグで得た1勝は大きな意味を持つ。

1次リーグでは強豪ばかりとの対戦となったが、順位決定戦での対戦相手は日本と同等クラス。トム・ホーバスの下で長い時間をかけて準備したバスケと、ホームアドバンテージがあれば残り2試合いずれも勝ってのパリオリンピック出場権獲得は十分に視野に入る。

『死のグループ』だった1次リーグから一転して、順位決定戦は勝たなければいけない2試合となる。今大会ここまでの戦いぶりから、勝つべき試合をきっちり勝つためのポイントを挙げていきたい。

課題はオフェンスよりもディフェンス

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まずはディフェンス。オーストラリア戦、相手の3ポイントシュートは33本中10本成功(30.3%)と当たっていなかった。それにもかかわらず109失点と大量失点を喫したのは大きな問題だ。89-109のスコアは、オフェンスよりもディフェンスが改善点であることを端的に示している。

サイズとフィジカルで優位に立てないのは、順位決定戦の2試合でも同じだろう。日本は身長のミスマッチを突かれると弱く、それをさせないためにマークマン以外の選手もボールを持つ選手にプレッシャーを掛けて奪いに行くダブルチームを多用する。ただ、それは相手を一人フリーにして、マンツーマンディフェンスのズレを生み出すことになる。当然、相手は日本のダブルチームを予見し、フリーになった選手にパスをさばいてノーマークのシュートチャンスを作ろうとする。

オーストラリアはこの攻めのレベルが高く、日本のダブルチームを巧みにかわし、それだけでなく人とボールが連動してイージーシュートのチャンスを数多く作りだした。特にガラ空きになったゴール下を突くレイアップやダンクで多くの得点を挙げている。ダブルチームに行くタイミング、プレーの強度、もともとのマークマンがプレッシャーを強くして相手にパスをさばく視野と余裕を与えないことなど、突き詰めるべき点は多い。

イージーなゴール下のシュートはほぼ100%決まる。このチャンスを10個なくせば失点は20減る。ここが現状でのオーストラリアと日本の20点差を生み出している。

「自分たちに力はある。それを見せる」

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オフェンスはディフェンスに比べれば問題はないが、それでも日本のシュート数69本の内、2点シュート36本に対して3ポイントシュート33本と、3ポイントシュートの本数が下回ったのは問題だ。日本の生命線は3ポイントシュート。この大会に入ってディフェンスを強調すべく、富永啓生を控えに回し、原修太や比江島慎を先発で起用しているが、選手は入れ替えても攻めのスタイルを変えるべきではない。

渡邊雄太とジョシュ・ホーキンソンが好調で、オーストラリア戦では2人で57得点を奪った。その内訳は2点シュートが32得点、フリースローが13得点、3ポイントシュートが12得点。2点シュートの成功率は63.9%と高く、ここで点が取れていること自体は良いのだが、チームとしてシューターに良いチャンスをお膳立てできていない。

ピック&ロールを起点として個人個人がドライブからシュートを狙う攻めは単調で、相手がそこに警戒すれば外が空くはずなのだが、それを活用しようという意図が見られない。裏を返せば、その単調かつ強引なスタイルで89まで得点を伸ばした渡邊とホーキンソンを始めとする選手たちの個人能力はすごいのだが、このスタイルでこれ以上の上積みは求められない。熱く戦うのもいいが、クレバーにパスを回し、セットプレーを活用してより良いチャンスを作るべきだ。

ダブルチームの精度を上げてインサイドでのイージーシュートをやられないこと。オフェンスは3ポイントシュートを軸にして、良いチャンスを数多く作るチームプレーを計画し、遂行すること。東京オリンピックで銀メダルを獲得した女子日本代表は、この2つを高いレベルで実現していた。男子日本代表はまだこの部分に甘さがあるものの、それは伸びしろとも言える。

2次リーグには進めなかったが、1勝を挙げたことで有利な状態で順位決定戦に進める。自信を持ち、前向きな気持ちで挑戦を続け、残る2試合を勝ってもらいたい。もちろん、選手たちはそのつもりでいる。オーストラリア戦を終えた直後、馬場雄大はこう語った。「僕たちは誰一人として下を向いていませんし、2次リーグに行けなかった悔しさはあるんですけど、むしろ胸を張って次の試合を戦いたいです。自分たちに力はあると思っています。それを見せるつもりです」

【オーストラリア×日本|ハイライト】FIBAバスケットボールワールドカップ2023

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