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バスケットボール

【プレビュー】『走って3Pシュート』を進化させて6連覇を狙うバスケ女子日本代表|FIBA 女子アジアカップ 2023

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【プレビュー】『走って3Pシュート』を進化させて6連覇を狙うバスケ女子日本代表|FIBA 女子アジアカップ 2023(C)JBA
【コラム】26日に開幕するアジアカップ6連覇に挑む日本。W杯では不完全燃焼だったチームが、どのように立ち向かうのか、チームの現在地を振り返る。
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バスケットボール女子日本代表は、6月26日からオーストラリアで開催されるアジアカップに挑む。日本は2013年大会から2015年、2017年、2019年、2021年と大会5連覇中。オセアニア地区のオーストラリアとニュージーランドがアジアカップに参戦して大会のレベルが上がっても優勝し続けている。

東京オリンピックが終わった2021年秋からチームの指揮を執る恩塚亨ヘッドコーチは、前任のトム・ホーバスの『走って3ポイントシュート』のスタイルを継続しながら、チームをさらに一段階引き上げようとしている。

攻守とも決められた戦術を遂行することを求めたホーバス時代から、選手がその場その場で判断してプレーする創造性を認め、戦い方のバリエーションを増やす。これはアジアのトップチームとして世界の強豪と渡り合うようになって、日本のバスケをライバルに研究され、対策される上を行くための挑戦だ。そしてもう一つ、ホーバスがそうだったように積極的かつ大胆に新しい選手を起用し、世代交代を進めている。

どちらも簡単な変化ではない。選手を戦術で縛るのではなく、一定の決まり事はあった上でその選手なりのプレー選択を生かす創造的なバスケは、上手くいけば強力だが、呼吸が合わなければミスも出るし、それが続けばチーム全体のリズムが狂う。2021年夏の東京オリンピックで銀メダルを獲得した日本代表は、恩塚ヘッドコーチの下で2021年秋のアジアカップ優勝を果たしたものの、昨年のワールドカップでは1勝4敗で決勝トーナメント進出を逃す惨敗を喫している。

昨年のワールドカップでは、東京オリンピックの躍進の翌年ということで日本のバスケはライバルに徹底的に研究され、まだハマりきっていない日本の創造性はその対策を上回ることができなかった。東京オリンピックでは膝のケガからの回復が間に合わず欠場した『日本のエース』渡嘉敷来夢が復帰するも、力を出し切れなかった。

そして今回、恩塚ヘッドコーチは渡嘉敷を強化合宿に招集しながら、アジアカップのメンバー12名からは外した。現時点での純粋な実力で渡嘉敷を上回る選手はいない。渡嘉敷に代わるセンターとしては筑波大2年、19歳の朝比奈あずさを抜擢している。

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恩塚はこの選手選考について、渡嘉敷と朝比奈の優劣ではないことを強調した上で「私が表現しようとしているポジショニングやシュート力のコンセプトを短い時間でも発揮できる。その掛け合わせを考えてこの12人にした」と説明している。

来年のパリオリンピック出場権も懸かった大会に

昨年のワールドカップでの反省点は、タイムシェアが上手くいかなかったこと。矢継ぎ早に選手を入れ替えることでコートに立つ5人が運動量だけでなく攻守のインテンシティの強さ、メンタルまで常にフレッシュでいる狙いだったが、それが機能しなかった。それを受けて恩塚ヘッドコーチは今回、40分間を通していかに高いパフォーマンスを発揮できるかを意識している。

朝比奈についても「短い時間でもきっちり仕事をしてくれます」という点を評価。髙田真希がメインで起用される中、短い時間であっても朝比奈がどんなプレーを見せられるかが大事になる。今回は渡嘉敷以上に日本代表の常連だった宮澤夕貴もメンバーに入っておらず、センターに限らず各ポジションで若い選手の台頭が期待される。

その一方で、ホーバス時代から若手を抜擢し、多くの選手に国際大会の経験を積ませたことで選手層は厚い。大黒柱の髙田が健在で、林咲希は代表キャプテンとして見事にリーダーシップを発揮している。宮崎早織は代表3年目で周囲が見える落ち着きが生まれ、3x3日本代表から5人制に移ってきた馬瓜ステファニーと山本麻衣もすっかり中心選手となった。彼女たちの成長が渡嘉敷、宮澤抜きでも不安なく開幕を迎えられる状況を作っている。

恩塚ヘッドコーチは、今大会で目指す日本代表のスタイルについてこう語っている。「バスケットボールはペースが大事で、ペースを上げる責任は5人にある。5人でペースを上げるのを共通理解として、全員でボールを触り、全員でプッシュするバスケットをやりたい。目的はペースを上げること。そのために誰が一番早くペースを上げられるか。5人がそれぞれ自覚して、連動していく」

指揮官は「良い準備ができました」と笑顔で語り、大会の地であるオーストラリアへと向かった。

ただ、大会で結果を出さなければ意味はない。今回のアジアカップは大会6連覇が懸かっているだけでなく、上位4チームに来年のパリオリンピックの世界最終予選の出場権が与えられるため、オリンピック出場も懸かっている。今大会で結果を出すのはもちろん、惨敗に終わった昨年のワールドカップから内容面で大きな向上も見せてもらいたい。プレッシャーはあるだろうが、大きな期待を寄せるだけのポテンシャルが、今のバスケ女子日本代表にはあるはずだ。

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FIBA女子アジアカップ2023|日本代表メンバー

  • 3 馬瓜ステファニー(PF/182センチ)
  • 8 髙田真希(PF/185センチ/デンソー アイリス)
  • 12 朝比奈あずさ(C/185センチ/筑波大学)
  • 15 本橋菜子(PG/164センチ/東京羽田ヴィッキーズ)
  • 23 山本麻衣(PG/163センチ/トヨタ自動車 アンテロープス)
  • 27 林咲希(SG/173センチ/富士通 レッドウェーブ)
  • 31 平下愛佳(SG/177センチ/トヨタ自動車 アンテロープス)
  • 32 宮崎早織(PG/167センチ/ENEOS サンフラワーズ)
  • 59 星杏璃(SG/170センチ/ENEOS サンフラワーズ)
  • 75 東藤なな子(SF/175センチ/トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)
  • 88 赤穂ひまわり(SF/184センチ/デンソー アイリス)
  • 99 オコエ桃仁花(PF/182センチ/ジーロング・スーパーキャッツ/オーストラリア)

FIBA女子アジアカップ2023|日本代表 試合日程

試合日カード
6/26(月)
16:00
日本 vs チャイニーズ・タイペイ
6/26(月)
18:30
オーストラリア vs フィリピン
6/27(火)
12:30
フィリピン vs 日本
6/27(火)
18:30
チャイニーズ・タイペイ vs オーストラリア
6/28(水)
12:30
チャイニーズ・タイペイ vs フィリピン
6/28(水)
18:30
オーストラリア vs 日本

【準決勝進出決定戦】

試合日カード
6/30(金)
未定
【QS1】B組2位 vs A組3位
6/30(金)
未定
【QS2】A組2位 vs B組3位

【準決勝】

試合日カード
7/1(土)
未定
【SF1】A組1位 vs QS1の勝者
7/1(土)
未定
【SF2】B組1位 vs QS2の勝者

【3位決定戦】

試合日カード
7/2(日)
11:30
SF1の敗者 vs SF2の敗者

【決勝】

試合日カード
7/2(日)
14:00
SF1の勝者 vs SF2の勝者

FIBA女子アジアカップ2023|放送・配信予定

FIBA女子アジアカップ2023は、『 DAZN 』が日本戦を全試合ライブ配信する。地上波やBSなどでの中継は予定されていない。

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