エラーコード %{errorCode}

バスケットボール

【コラム】ワールドカップ開幕まであと10日、最終調整に入ったバスケ日本代表が抱える不安材料|FIBAバスケワールドカップ2023

DAZN NEWS
【コラム】ワールドカップ開幕まであと10日、最終調整に入ったバスケ日本代表が抱える不安材料|FIBAバスケワールドカップ2023(C)FIBA
【バスケットボール・コラム】バスケットボール日本代表は、8月25日に開幕するFIBAバスケットボールワールドカップ2023に出場する。
▶▶▶DAZNの詳細をチェックする◀◀◀

懸念されるホーキンソンの状態

ワールドカップの開幕まであと10日。バスケットボール日本代表は自国開催のこの大会に向けて、Bリーグのシーズンが5月末に終わると、すぐに代表合宿をスタートさせて入念な準備を進めてきた。6月末には八村塁がNBAのシーズンを優先してこの夏を休養と準備にあてることを発表したが、その直後に渡邊雄太がワールドカップ出場の意向を表明。12人のメンバー入りに向けたチーム内競争は行いながらも、各ポジションで軸となる選手は定まり、チーム作りを進めてきた。

2019年のワールドカップ前回大会で日本代表を指揮したフリオ・ラマスは、八村と渡邊を中心とする個の力を重視し、Bリーグでプレーする国内組もサイズを重視した選手選考を行ってきた。しかしトム・ホーバスはそれとは対照的に、サイズよりもスピードとスキルを重視。女子日本代表で東京オリンピックで銀メダルを獲得した、ハイテンポなペースに持ち込んで3ポイントシュートで打ち合いを制するバスケを選択している。

女子日本代表を率いていた時もそうだったが、組織力を前面に押し出す分、同じメンバーで長い時間を共有し、連係を高めていくことが重要となる。ここまでの流れは順調で、チーム力は着々と高まっていたのだが、ワールドカップを目前に控えたこの時期に問題が起きた。

一つはルーク・エヴァンスを追加招集したこと。今回の準備期間のスタートから、1枠しかない日本代表の帰化選手はジョシュ・ホーキンソンで固定されていた。それがここに来て、股関節を痛めているホーキンソンが間に合わなかった場合の保険としてエヴァンスが招集された。「ジョシュは今週から5on5の練習にも参加、MRIの結果も問題ありません」と発表されているものの、このタイミングでエヴァンスを代表に加えたのはホーキンソンのコンディションが万全ではないからだろう。

エヴァンスは東京オリンピック終了後にホーバスが男子日本代表の指揮を執ることになってすぐに招集され、高さとパワー、攻守に精力的な姿勢を買われて良いパフォーマンスを見せた。しかし、ホーキンソンが帰化選手の資格を得ると、より走れてスキルのあるホーキンソンが代表に定着している。2人はいずれも帰化選手のセンターだが、プレースタイルは大きく異なる。ホーキンソンがケガで練習に参加できていないだけでも痛手であり、ここで特徴の異なるエヴァンスへの切り替えを余儀なくされれば、さらにダメージは大きい。

当確だった渡邉飛勇が痛すぎる負傷離脱

さらに先日の練習試合中、渡邉飛勇がブロックショットを狙って跳んだ後にバランスを崩してフロアに落ち、右腕を痛めて戦線離脱となった。24歳と若く、プロキャリアはまだまだ浅い渡邉だが、恵まれた体格と運動能力の高さで、パワーフォワードの渡邊雄太、センターのホーキンソンに次ぐ『第3のビッグマン』として定着しつつあった。ただでさえビッグマンの層は手薄なところに、渡邉の離脱は非常に大きな痛手となる。

最終12名入りが『当確』だった渡邉がケガをして、帰化選手の1枠はケガ明けでコンディションが十分ではないであろうホーキンソンか、準備期間の最終段階に代表合宿に加わったばかりで連携に課題のあるエヴァンスのいずれか。もともとビッグマンのポジションで言えば、ラマスからホーバスへと指揮官が代わっても重用され続けた張本天傑がケガで今夏は代表活動ができず、選手層が懸念されていた。

渡邊雄太に期待されるのはエースの働きで、ゴール下で相手の大型選手と肉弾戦を繰り広げる消耗の激しい仕事は他の選手が担いたい。そうなると期待とプレッシャーは井上宗一郎と川真田紘也に向く。

井上はビッグマンでありながら3ポイントシュートを得意とする『ストレッチ5』で、ゴール下で激しく相手と戦うよりは、3ポイントシュートの脅威を与えて相手をゴール下から引きずり出すスタイル。3ポイントシュートの精度が高く、どんな時でも思いきり良く打ち切ることで指揮官の信頼を勝ち取り、ホーバス体制下で一貫して重用されてきた。しかしゴール下で戦わざるを得ない状況では高さと強さで相手に押し込まれ、ディフェンスでもリバウンドでも苦戦しがち。いかにして自分のペースに相手を巻き込むかが重要となる。

川真田は今年2月に代表デビューを飾った遅咲きのセンター。こちらは井上とは対照的にクラシックなセンターで、ゴール下で相手ビッグマンと押し合いへし合いをする中で、力で押し切っていくタイプ。滋賀レイクスでも役割は同じで、Bリーグの外国籍選手を相手にタフに戦うことで自分の評価を高めてきた。代表でのビッグマンは、練習相手として合宿に呼ばれる立場の選手が少なからずいる。川真田も当初はこの立ち位置だったはずだが、長い代表合宿の中で信頼を積み重ね、今は最終12名入りが現実的となってきた。

チーム力の最大化に向けて残された試合はあと3つ

井上と川真田はワールドカップ開幕直前の土壇場で12名入りのサバイバルレースを繰り広げているが、ビッグマンの層が薄いこと、2人のプレースタイルが全く異なることを考えると、他のポジションの人数を削って2人とも最終メンバー入りしてもおかしくない。いずれにしてもセンターはホーキンソンかエヴァンス、パワーフォワードは渡邊が先発で、多くのプレータイムを得るだろうが、消耗も激しいしファウルがかさむポジションでもあり、ベンチから出る井上や川真田にどれだけのパフォーマンスができるかで、日本代表の戦い方自体が変わってくる。

渡邉の戦線離脱、ホーキンソンのコンディションの懸念は日本代表にとって大きなトラブルだが、どのチームも100%でワールドカップのような大会に臨むことはできない。ここで問われるのが選手層の厚みで、センターのポジションが弱点となってしまうのか、井上と川真田のいずれか、あるいは両方が奮起することで強豪国と渡り合うレベルまで持っていけるのか。

8月15日のアンゴラ戦、17日のフランス戦、19日のスロベニア戦と東京でワールドカップを前に最後の国際強化試合が行われる。最終メンバーへ個人が生き残るためではなく、チーム力を最大限に引き上げるための戦いにおいて、とりわけ井上と川真田のパフォーマンスに期待したい。

関連記事

●  バスケットボール男子日本代表 2023年試合日程・結果・テレビ放送・ネット配信予定

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。

●  【番組表】直近の注目コンテンツは?
●  【お得】DAZNの料金・割引プランは?