IBFフェザー級新世界王者に輝いたワーリントン
ジョシュ・ワーリントンにとって王者キコ・マルティネスとの一戦は、自身のキャリアだけでなく、英国がフェザー級の中心になれるかが懸かっていた。
昨夏に行なわれたイベント『Fight Camp』でリー・ウッドがシュ・ツァンを破り、WBA正規王者となって以来、フェザー級での英国勢の未来は輝かしい。
昨年はマウリシオ・ララとの連戦では勝利できず(敗戦と引き分け)苦戦したワーリントンだったが、これまでのキャリアで積み重ねた信用は厚かった。長期に渡り熱烈に追いかけるファンたちに支えられ、開催地がどこであってもすぐにチケットが売り切れるほどの人気ぶりだ。先週のファースト・ダイレクト・アリーナで行なわれた一戦も例外ではなかった。
サッカークラブであるリーズ・ユナイテッドのアンセム「マーチング・トゥギャザー」が1万3000人の観衆によって大合唱された。試合はワーリントンが試合序盤の1Rにダウンを奪い、さらに7Rにレフェリーストップで試合を終わらせ見事に勝利してIBFのベルトを手にした。
WBA世界フェザー級を制したウッド
マルティネス vs ワーリントン2のちょうど2週間前、リー・ウッドはマイケル・コンランと対戦。この試合は年間最高試合の候補となっている。
ノッティンガムのモーターポイント・アリーナに押しかけた観客は、ウッドが最終ラウンドで劇的なKO勝利をもぎ取った瞬間を目撃したのだ。しかもウッドは初回にダウンしており、ジャッジ3名の採点では負けていたところからの大逆転劇だった。
ウッドの右を被弾しロープの間から転落しリングサイド席の前に落下してしまったコンラン。衝撃的な幕切だったが、コンランの容態が安定したことが確認されると、話題はウッドの次の対戦相手に流れた。
両雄激突なるか
すでに会場は決まっており、ウッドの愛するサッカークラブ、ノッティンガム・フォレストの本拠地であるシティ・グランドで行なわれることになっている。だが、今欲しい情報は対戦相手の名前だ。
ウッド-コンラン戦の直後には、リマッチが示唆されていた。しかし、あれほどの強烈なパンチを浴びたコンランは回復までに時間がかかる。さらに、ワーリントンがIBFフェザー級タイトルを獲得したことでウッドとの英国対決に注目が集まるようになった。
イングランドサッカー界において最も景色のよい競技場で、乱戦を演じることを厭わない二人のフェザー級ファイターが自国でぶつかりあう姿は、英国ボクシングファンの夢のようなものだ。
しかし「リーズの戦士」(ワーリントンの愛称)が顎と手を骨折したとの情報が入ってきた。つまり、望む声の多かったウッドとの統一戦は数ヶ月先に持ち越しになってしまうかもしれず、コンランのリマッチが再び可能性として検討されることになったのだ。
いずれにせよ、フェザー級戦線は、英国内だけでなく世界にとって大きな出来事となるだろう。
フェザー級を席巻する英国ボクサー
フェザー級元世界王者のリストに目をやると、ユニオンジャックの国旗を至るところに見ることができる。一方でアメリカやメキシコ、様々な南米の国々が126ポンド(フェザー級)で幅を利かせている。だがサッカースタジアムでタイトルマッチを行うことが言及されているまさに今、英国がフェザー級ボクシングの中心を奪還したようである。
ウッドがトレント川沿い(※ノッティンガムを指す)に誰を招待するかはさておき、記憶に残る一戦になることだろう。それがコンランであれば、数週間前と似たような雰囲気を大きいスケールで再現するものと思われる。
ウッドとノッティンガム・フォレストのファンがスタジアムの片側に陣取り、もう片方にはアイルランド人のファンが陣取ることになるだろう。初顔合わせで激闘を演じた二人の戦士が再び相まみえ、ファンの声援はシティ・グラウンドをコロシアムのような雰囲気に変えるだろう。
ウッド-ワーリントン戦になったとしても、同様の雰囲気になると思われる。熱心なサッカーファンである二人が激突する一戦になるため、ウッドはフォレスト代表、ワーリントンはリーズ代表として戦う形になるかもしれない。
サッカーの試合のように、土曜日の午後に普段見られるような感じになりそうだ。リーズのファンは「アウェイ戦」のような形で大挙してイースト・ミッドランズに乗り込んでくるだろう。何千人ものファンがやってきて街を占拠し、開始のゴングが鳴るとシティ・グラウンドのピッチで繰り広げられる戦いに没頭する。だが今回は22人の選手の戦いではなく、たった2人の男が自身のキャリアを賭け、126ポンドで自身の地位をさらに固めるために戦うのだ。
さて、フェザー級にはあと二人の世界王者がいる。WBOベルトを保持するエマヌエル・ナバレッテと、最近ゲーリー・ラッセル・ジュニアを破りWBCベルトを獲得したマーク・マグサヨだ。この二人がいることで、ワーリントンにとっては自身が望んだアメリカで戦う機会を得ることになる。一方で、キャリアにあと数年の余裕があるナバレッテとマグサヨにとっては、次戦のスケジュールをあまり急いで決めるほどではないようだ。
ジョシュ・テイラーとジャック・カットラルの二人が先月判定にもつれ込む一戦を演じたものの、英国ボクシング界は現在とてもよい状態にある。試合が毎週行なわれているし、同日に複数のイベントが行なわれるときもある。国内のファンは、ボクシングに関して最高の環境に浸ることができるのだ。
ヘビー級やライトヘビー級といったいくつかの階級においては、すでに英国はたくさんのタレントを有している。そして、現在フェザー級も英国ボクシング界において一時代を築こうとしている。すでにその名を世界に轟かせているフェザー級陣営たちは、すぐに減速する様子はなさそうだ。
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日時(日本時間) | カード | 詳細 |
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4月10日(日) 10:00 | ガルシア vs.タゴエ | ライト級12回戦 |
4月17日(日) 3:00 | ベン vs.ヘールデン | WBAコンチネンタル・ウェルター級タイトル戦 |
※配信予定、及び出場選手は変更になる場合あり
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