ライアン・ガルシアがルーク・キャンベルを破ったのは昨年の初め。その頃は将来の対戦相手候補に欠くことはなかった。
この勝利によってガルシアはWBC王座の指名挑戦者となり、次のステップはデヴィン・ヘイニー戦になるだろうと思われていた。だが、この若者は王者経験のある対戦相手とはまだ戦ったことがなかたっため、他のタイトルコンテンダーとの対戦が相次いでいた。
そのうちの一つがガーボンタ"タンク"デーヴィスだった。デーヴィスはWBAライト級正規王者ではあるものの、巧みにキャリアを形作ってきた割には十分な到達点に達したとは言えない状態だ。タンクとガルシアは『Facetime』で互いを煽り合い、対戦の準備が整ったかのように見えた。だが結局試合は実現しなかった。
タンクとの一件の後、ガルシアはマニー・パッキャオと戦いたいとまで言っていたが、すぐに破談に。その後このアメリカ人ファイターは精神面の不調を訴え休養に入ってしまった。その後復帰戦として当初はジョジョ・ディアスと暫定王座の座をかけて戦うことになっていたが、手術が必要なほどのケガを追ってしまい、再び戦線を離脱することになってしまった。
再び復帰したガルシアにとって最適な対戦相手が誰なのかはっきりしなかったが、エマニュエル・タゴエと対戦することが発表された。明らかに調整向きの対戦相手ではないが、ガルシアが再び世界王者になる可能性を考えれば、倒すべき相手である。
タゴエはハードパンチャーとして知られているわけではないが、簡単に負ける選手でもない。139ポンド(約63.0kg)という契約は復帰戦を戦うガルシアにとっては調整が楽なウェイトかもしれないが、年齢を考慮すればもうひとりの男に俄然有利に働くことになるだろう。
世界王者経験
結論から言えば、タゴエはこれまで4つの主要管理団体の世界ベルトを一度も巻いたことはない。だがその他の団体を含めれば、IBOのベルトを巻いたことがある。2004年のデビュー戦でランテ・アディに敗れた以降は32試合全てに勝利している。2007年にアブドゥルマリク・ジャベールを破ってフェザー級ガーナ王座に就くと、様々なタイトルを獲得し始めた。2010年には南アフリカのトムソン・マクワナを破りWBOスーパーフェザー級アフリカ王者に輝いた。その後世界規模のベルトを巻いたのは2011年のことであった。
同年6月にチリ人ファイターのオスカル・ブラボを3-0の判定で破り、空位となっていたIBFフェザー級インターコンチネンタル王座を獲得したのだ。なお2012年11月にはジョージ・アシーを破り、WBAライト級インターナショナル王座を獲得している。
2017年にはムゾンケ・マガリをTKOで破ってIBOライト級王座を奪取。2018年にはパウルス・モーゼスに勝利しWBOライト級アフリカ王者となっている。2019年にはロシアのヴャチェスラフ・グセフと対戦し、IBFライト級インターナショナル王座とWBOライト級グローバル王座を戴冠した。この2試合が母国で戦う最後の試合となり、これ以降はアメリカに拠点を移し国際舞台で戦うこととなった。
キャリア最大の勝利
2020年11月にカリフォルニア州ハリウッドのセミノール・ハード・ロック・ホテル & カジノで行われたメイソン・メナード戦では、ボクシング界で最もきらびやかな開催地の一つでも十分なパフォーマンスを見せることができ、これまでで最も経験豊富な対戦相手と相対してもプレッシャーにも耐えられるファイターであることを見せつけた。この試合はノンタイトル戦だったが、自身が30代前半に突入しても能力を維持していることを示すことはできた。そしてこの試合の模様から、ガルシアの復帰戦に完璧にふさわしい対戦相手であるとも言えるだろう。
ボクシング 配信予定 | DAZN番組表
日時(日本時間) | カード | 詳細 |
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4月10日(日) 10:00 | ガルシア vs.タゴエ | ライト級12回戦 |
4月17日(日) 3:00 | ベン vs.ヘールデン | WBAコンチネンタル・ウェルター級タイトル戦 |
※配信予定、及び出場選手は変更になる場合あり
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