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World Boxing Organization(WBO)

【プレビュー】波瀾万丈のキャリアを歩むベテランボクサー・高山勝成が2階級制覇に挑戦|ボクシング

渋谷淳
【プレビュー】波瀾万丈のキャリアを歩むベテランボクサー・高山勝成が2階級制覇に挑戦|ボクシング時事通信
【ボクシング プレビュー】日本時間9日、高山勝成がWBOジュニアフライ級タイトルマッチで王者のエルウィン・ソトと対戦する。
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元ミニマム級世界王者の高山勝成(寝屋川石田)が8日(日本時間9日)、米テキサス州アーリントンのAT&TスタジアムでWBO世界ライトフライ級王者のエルウィン・ソト(メキシコ)に挑戦する。

海外経験も豊富な日本のベテランが、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)とビリー・ジョー・サンダース(イギリス)によるスーパーミドル級3冠戦をメインイベントとする大舞台で2階級制覇にチャレンジする。

37歳のベテラン、高山にとって思いがけないチャンスが巡ってきた。世界のスーパースター、スーパーミドル級で2冠を保持するカネロとWBO同級王者のサンダースによるビッグマッチはNFLダラス・カウボーイズの本拠地、AT&Tスタジアムに7万人の観客が集まる超ビッグイベント。その舞台で行われるもう一つの世界タイトルマッチに日本の高山が起用されたのだ。

まずは高山の波瀾万丈のキャリアを振り返ってみよう。中学生でプロボクサーを志した高山は卒業後の2000年に17歳でプロデビュー。持ち味のスタミナと運動量を武器に勝ち上がり、05年にWBC世界ミニマム級王座を獲得して初めて世界チャンピオンに輝いた。

その後、WBA暫定王座に就くと、09年に日本ボクシングコミッション(JBC)に引退届を提出し、IBFとWBO王座の獲得に打って出る。当時のJBCはIBFとWBOを認めていなかったからだった。

高山はこの茨の道を“ワールドチャレンジボクシング”と銘打ち、海外での試合をこなしていった。世界の厚い壁に跳ね返されながらも13年3月、3度目の挑戦でIBFミニマム級王座を獲得。翌年にはWBOベルトも腰に巻き、ミニマム級で世界の主要4団体のベルトを巻くことに成功した。

さらに周囲を驚かせたのは、17年にプロを引退してアマチュアに転向し、東京オリンピック出場に向けて動き出したことだった。このチャレンジは予選敗退に終わり、オリンピック出場は夢と消えたものの、再びプロの世界で戦うことを決意。20年12月、世界ランカーの小西伶弥に完勝して世界ランキングに復帰し、今回のチャンスを手にしたのである。

チャンピオンのソトは高山よりもひとまわり以上若い24歳のメキシカンだ。小柄ながらブンブンと振り回す威勢のいいボクシングで頭角を現し、19年6月にWBOライトフライ級王者だったアンヘル・アコスタに挑戦。20勝20KO1敗という強打の王者に対して不利が予想される中、得意の好戦的なボクシングで3回にダウンを奪うと、11回にアコスタをフラフラにさせてストップ勝ちを収めた。世界を驚かせたソトはその後2度の防衛を成功させている。

今回の試合の予想を見ると、海外メディアやブックメーカーは王者ソトの有利と見ていることが分かる。ソトは18勝(12KO)1敗という高いKO率を誇り、ずんぐりした体型もあってゴリゴリのファイターというイメージを抱きがちだが、外側から強振するフック系のパンチだけでなく、強打に交えるタイミングのいいジャブや軽快なフットワークも武器にしている。長いリーチをがっちりと固めるディフェンスも崩しにくいと言えるだろう。

キャリア41戦で32勝(12KO)8敗の高山はスピードと運動量、手数の多さが最大の持ち味だ。前後左右に自在に動いて相手に的を絞らせず、ハイテンポでコツコツとパンチを当ててポイントを稼いでいく。昨年12月の試合では、4年ぶりのプロのリングだったにもかかわらず、本来のボクシングを貫いて実力者の小西を翻弄した。高山が本来の力を発揮すれば、パワフルなソトを空転させることができるのではないだろうか。

最大の不安材料は準備期間がわずか3週間だったということだ。高山本人は試合10日前の段階で「現在の仕上がりに関しては極端に短期間なので何とも言えませんが、今できる限り準備を行っています」と語っている。海外での試合に慣れているとはいえ、わずか3週間で大舞台というのはさすがのベテランでも簡単なことではない。

それでもなお、チャンスから逃げず、アメリカに乗り込む高山には拍手を送りたい。ソトも主催のマッチルームボクシングと契約して初めての試合がいきなり大舞台ということで気合いは十分だ。ライトフライ級はWBAスーパー王者に京口紘人(ワタナベ)、WBC王者に寺地拳四朗(BMB)が君臨する。この試合の勝者がのちのち京口や拳四朗と対戦することを想像して見れば、観戦の楽しみはさらに増すことだろう。

文・渋谷淳(しぶや・じゅん)

1971年生まれ、東京都出身。慶應義塾大卒。新聞社勤務をへて独立し、現在はボクシングを中心にスポーツ総合誌「Number」などに執筆。著書「慶応ラグビー 魂の復活」(講談社)。ボクシング・ビート誌のウェブサイト「ボクシングニュース」、会員制有料スポーツサイト「SPOAL(スポール)」の編集にも力を注いでいる。

エルウィン・ソトの戦績

  • 国籍:メキシコ
  • 生年月日:1996年12月23日
  • 身長:160cm
  • リーチ:─
  • 対戦数:19試合
  • 対戦記録:18勝1敗、12KO

高山勝成の戦績

  • 国籍:日本
  • 生年月日:1983年5月12日
  • 身長:158.5cm
  • リーチ:158.0cm
  • 対戦数:41試合
  • 対戦記録:32勝8敗(無効試合1)、12KO

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カネロ vs ソーンダースのファイトカード

カードマッチデータ
カネロ・アルバレス
vs.ビリー・ジョー・ソーンダース
WBC、WBA、WBOスーパーミドル級タイトルマッチ
エルウィン・ソト
vs.高山勝成
WBOジュニアフライ級タイトルマッチ
キエロン・コンウェイ
vs.スレイマン・シソクホ
ジュニアミドル級
フランク・サンチェス
vs.ナギー・アギレラ
ヘビー級
マーク・カストロ
vs.アービング・マシアス・カスティーヨ
ジュニアライト級
キーショーン・デイビス
vs.ホセ・アントニオ・メザ
ライト級
ケルビン・デイビス
vs.ヤン・マルサレク
ウェルター級
クリスチャン・アラン・ゴメス・デュラン
vs.TBA
ウェルター級

ボクシング 配信予定 | DAZN番組表

日時(日本時間)カード詳細
5月9日(日)
9:00
カネロ・アルバレス
vs.ビリー・ジョー・ソーンダース
スーパーミドル級3団体統一戦
5月16日(日)
3:00
ハーパー
vs.チェ・ヒョンミ
WBC、WBA世界女子Sフェザー級王座統一戦

※配信予定、及び出場選手は変更になる場合あり

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