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【プレビュー】「キャリア最大の大一番」完全アウェーに成長した“サムライ”が乗り込む|アフマダリエフvs.岩佐亮佑|ボクシング

渋谷淳
【プレビュー】「キャリア最大の大一番」完全アウェーに成長した“サムライ”が乗り込む|アフマダリエフvs.岩佐亮佑|ボクシング(C)Getty Images
【ボクシング プレビュー】日本時間4日、IBF世界スーパー・バンタム級暫定王者の岩佐亮佑が、IBF正規王者にしてWBAスーパー王座も保持するムロジョン・アフマダリエフと対戦する。
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IBF世界スーパー・バンタム級暫定王者、岩佐亮佑の待ちに待った大一番が目前に迫ってきた。日本時間4日、ウズベキスタンのタシケントで岩佐が挑むのはIBF正規王者にしてWBAスーパー王座も保持するムロジョン・アフマダリエフだ。

まずはここ数年の岩佐の足跡を振り返っておこう。2017年9月、小國以載を下してIBF世界スーパー・バンタム級王者となった岩佐は翌年の2度目の防衛戦でTJ・ドヘニーに判定負けして王座陥落。力を出し切れずに悔いの残る黒星を喫した。

この敗戦から復活を決意した岩佐は再び世界を目指し、19年2月にロサンゼルスで開催されたIBF同級挑戦者決定戦でセサール・フアレス(メキシコ)に勝利。同年2月、元WBOバンタム級王者、マーロン・タパレス(フィリピン)との暫定王座決定戦では、11回に渾身の左ストレートで実力者のタパレスを沈め、暫定王座を獲得した。

この時点で岩佐のターゲットはドヘニーを下してWBAスーパーとIBF正規の2冠を保持していたダニエル・ローマンだった。しかし、ローマンは岩佐が暫定王者となった1ヶ月後、プロ8戦目のアフマダリエフに小差の判定で敗れ、岩佐の標的がアフマダリエフに代わったというわけである。

これで「さあ、アフマダリエフだ」となったのだが、待っていたのはまさかのコロナパンデミック。試合はなかなか決まらず、昨年11月にいったんは決まりかけたスケジュールも流れてしまった。ようやく決戦の時を迎える岩佐が「これまでのフラストレーションを含めてウズベキスタンで爆発させる」と腕を撫すのは当然だろう。

さて、そのアフマダリエフはアマチュアで300勝15敗という戦績を誇り、16年のリオデジャネイロ五輪バンタム級で銅メダルを獲得している。元トップアマといえばきれいなスタイルを想像しがちだが、このチャンピオンは変幻自在という言葉がよく似合い、打ち始めたら止まらないというパワフルさも併せ持つ。なかなかやっかいなタイプなのだ。

対する岩佐はリーチが長く、スピードとテクニックをいかしたきれいなボクシングを身上としている。しかし、初めて世界王者になって以降はそれまで敬遠していたフィジカルトレーニングに取り組んで弱点だった体の強さを鍛え、海外での試合を通して時に泥臭く戦う術も身につけた。今やどんな相手に対しても簡単には崩れない自信を持っている。

岩佐はアフマダリエフがローマンを下したアメリカの試合を生観戦しており、そのときの感想を「勢いがあってけっこう自由奔放なボクシングだと思ったけど、こいつ、つえーなあとは思わなかった。圧倒的な強い戦い方ではなかったし、勝機はあるなと思った」と語っている。もちろん「飲み込まれないようにする」と王者の勢いを警戒しながらも、勝機は十分にあるとみているのだ。

「5ラウンドまでは五分、最低でも1ポイント差でいきたい。5ラウンドを過ぎればある程度失速してくれると思う。前半は腹を打ちたい」と作戦の一端を明かすのは参謀役のセレス小林会長だ。確かにアフマダリエフは前半型であり、徐々にペースダウンしていく傾向がある。

セレス会長の言葉通り、前半をいかにしのぐかがサウスポー対決のカギと言えるだろう。かわすところはかわし、止めるところは止めてペースを握れば、岩佐のスピードと技術が後半に入ってウズベキスタン人を凌駕する展開が見えてくる。ゲームを徐々に支配して終盤にノックアウト勝ち。これが岩佐の描く理想的なストーリーだ。

岩佐はアフマダリエフに勝利した暁には、かつてWBCバンタム級王者、山中慎介との試合で計量に失格し、日本のファンから大ひんしゅくを買った現WBCスーパー・バンタム級王者、ルイス・ネリ(メキシコ)との対戦も思い描く。

今回の興行はウズベキスタンが国を挙げて開催するとも伝えられ、岩佐にしてみると完全アウェーの状況が予想される。海外メディアの予想がアフマダリエフ有利に傾く中、岩佐は「キャリア最大の大一番」と位置づける試合で真価を発揮できるか? 勝てば未来が大きく開けるのは間違いない。海外でたくましく成長した“サムライ”岩佐のファイトに期待が集まる。

文・渋谷淳(しぶや・じゅん)

1971年生まれ、東京都出身。慶應義塾大卒。新聞社勤務をへて独立し、現在はボクシングを中心にスポーツ総合誌「Number」などに執筆。著書「慶応ラグビー 魂の復活」(講談社)。ボクシング・ビート誌のウェブサイト「ボクシングニュース」、会員制有料スポーツサイト「SPOAL(スポール)」の編集にも力を注いでいる。

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日時(日本時間)カード詳細
4月3日(土)
23:00
アフマダリエフ
vs.岩佐亮佑
WBAスーパー&IBF世界Sバンダム級王座統一戦
4月18日(日)
8:00
アンドラーデ
vs.ウィリアムス
WBO世界ミドル級タイトルマッチ
4月24日(日)
3:00
マーティン
vs.プロスパー
EBU ヨーロッパスーパーライト級

※配信予定、及び出場選手は変更になる場合あり

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