ボクシングは現在、様々な階級で次々とハイクオリティの戦いが繰り広げられ、コロナ禍以降勢いを取り戻している。
階級に依らずファイターたちの強さをランキングすると、誰が最も強いファイターとなるだろうか?
この記事では、DAZNが独自に選定したトップ10ファイターをランキング形式で紹介する。新たにPFPランキング入りを果たしたのは誰だろうか?また、落選の脅威にさらされている選手は誰だろうか?
DAZN選定パウンド・フォー・パウンドランキング:選考方法
PFPランキングを決める際に、DAZNチームが考慮している要素をいくつか示しておこう。
- 通算成績:もちろん勝敗数は重要だ。記録には数字以上の意味があるかもしれないが、順位を上げるには勝っていかなければならない。
- 対戦相手のレベル:全階級の全選手と比較しようというときに、レベルの低い相手に30戦全勝しても印象は残せない。最大のライバルやチャンピオンを下してこそ勝利の価値が大きくなるというものだ。
- 勝利した試合のクオリティ:格好良く勝つことも印象を高める要因だ。格上の対戦相手を乗り越えて大きな勝利をもぎ取るというのも良い要素だ。
- 活動の頻度:ランキングに載った選手がしばらく試合を行わなかったからといって、すぐに選手としての価値が落ちるわけではない。だが最近大一番で勝利を挙げた選手からの突き上げを受けるリスクがある。
それでは、2022年12月5日時点のDAZN選定PFPランキングを紹介する。上記の考慮事項を念頭に置いて見てもらいたい。
1. オレクサンドル・ウシク (変動なし)
Mark Robinson/Matchroom Boxing
クルーザー級を圧倒しアンディスピューテッド王者となったウシクは、ヘビー級で数試合しか経験していないにも関わらずPFP常連であったアンソニー・ジョシュアを上回り、ヘビー級世界王座のほとんどを奪ってしまった。サウジアラビアで行われたリマッチでパワーアップしたジョシュアだったが、ウシクも新たな姿を見せ、初防衛に成功。自国の防衛のため一時的に戦列を離れたにも関わらず、戴冠時よりも素晴らしいパフォーマンスを見せた。今、ウシクはまさにボクシング界最強の男だ。
2. テレンス・クロフォード (変動なし)
GettyImages
クロフォードとウシクの差はごく僅かだ。カネロがビボルに敗れたことで、二人は同時にカネロの順位を上回ることとなった。エロール・スペンスJrとのアンディスピューテッド王者決定戦が待望されたが、次はダビッド・アバネシヤンと戦うことになった。勝利しても状況に変化はないが、負ければランキングで失うものは大きいだろう。
3. 井上尚弥 (変動なし)
Getty Images
6月のノニト・ドネア戦は井上にとって再び厳しい試練になるとの見方もあったが、井上はフィリピンのレジェンドをなんと第2ラウンドで撃破。大方の予想を裏切らない快勝を挙げ、バンタム級を制圧し続ける。この一戦の驚くべきパフォーマンスにより、カネロ・アルバレスを退け3位にランクインしている。
4. カネロ・アルバレス (変動なし)
GettyImages
カネロの8年半に及ぶ連勝記録と、5月の敗戦はディミトリー・ビボルの階級であったことから、カネロをこれ以上大きくランクダウンさせる理由はない。9月には宿命のライバル、ゲンナジー・ゴロフキンを破って復活を遂げたが、判定勝利ではトップ3返り咲きには不十分だ。
5. ディミトリー・ビボル (↑1)
Mark Robinson/Matchroom Boxing
5月にカネロ・アルバレスに圧勝しPFPランクインを果たしたディミトリー・ビボルは、今度はライトヘビー級のトップコンテンダーであるヒルベルト・ラミレスをも圧倒して見せた。ビボルは間違いなく2022年に大きく飛躍したファイターの一人だ。来年アルツール・ベテルビエフを倒すことができれば、トップ3まで駆け上がる可能性は高い。
6. エロール・スペンスJr (↓1)
Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
4月に行ったヨルデニス・ウガス戦で終盤にKOし勝利したエロール・スペンスJrは、自身が未だに世界トップクラスのファイターであることを改めて知らしめた。テレンス・クロフォードとの夢の一戦が実現すればボクシング界最強のファイターを決める戦いとなるかもしれないが、当面はトップ5のポジションでやっていかなければならないだろう。
7. ステファン・フルトンJr (変動なし)
"クールボーイ・ステフ"は2021年に素晴らしい成果を残した。2021年1月にアンジェロ・レオを倒してWBOスーパーバンタム級王者になると、11月にはWBA王者ブランドン・フィゲロアを倒し一気に統一王者になった。2022年も絶好調を維持しており、ダニエル・ロマンを圧倒して勝利している。
8. デヴィン・ヘイニー (変動なし)
GettyImages
オーストラリアに赴きジョージ・カンボソスJrとライト級全てのベルトを懸けて戦った。ヘイニーは一方的な試合で勝利を挙げ、カンボソスの勝利を願ったメルボルンの観客を沈黙させた。ライト級ですべてのベルトを手にしたヘイニーだが、他の同級トップコンテンダー達を倒すことでPFPランキングを上げることはできるだろうか?
9. シャクール・スティーブンソン (変動なし)
Mikey Williams / Top Rank
シャクール・スティーブンソンがいつかPFPランキングに入ることは間違いなかった。ニューアーク出身のファイターはオスカル・バルデスを圧倒し、スーパーフェザー級統一王者になったことでついにランクイン。24歳にして2階級世界王者であり、このランキングの常連になることが予想されている。だが、直近の試合で計量に失敗し、王座を剥奪された。ライト級で新たな挑戦を行うことになりそうだ。
10. ジャーメル・チャーロ (変動なし)
Showtime Boxing
ブライアン・カスターノとのリマッチに勝利したことで、チャーロは10位にランクインした。荒々しいアルゼンチン人ファイターをTKOで沈めたことで、スーパーウェルター級世界最高のファイターとしての地位を確かなものにした。カスターノとの2連戦以前の成果も加味し、PFPランクインに値すると判断した。
惜しくも選外となった選手たち
タイソン・フューリーはディリアン・ホワイトに勝利したのち引退を表明し、トップ10リストから外れることになった。ボクシング界トップレベルの実力を維持しているだろうが、確実とは言い切れない。12月にチゾラとの試合が行われたことで引退を撤回したことは確認できたが、実力で有利とみなされたこの対戦ではチゾラとの差は小さく、10ラウンドで十分な実力を示すことはできなかった。オレクサンドル・ウシク、ジョー・ジョイス、アンソニー・ジョシュアらと試合を行えば、ランキングに復帰する可能性が出てくるだろう。ガーボンタ・デーヴィスとワシル・ロマチェンコはランクイン間近のファイターだ。それぞれライアン・ガルシアやデヴィン・ヘイニーあたりと試合を行えれば、トップ10が見えてくるかもしれない。より軽量のファン・フランシスコ・エストラーダもトップ10に近づいていると言える。テレンス・クロフォードはエロール・スペンスJrと試合を組めなかった。これは近い将来大きな代償となるかもしれない。
ボクシング 配信予定 | DAZN番組表
日時(日本時間) | カード | 詳細 |
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12月11日(日) 4:00 | ワーリントン vs.ロペス | IBF世界フェザー級王座戦 |
12月18日(日) 11:00 | クリエル vs.ソロモン | NABF北米ウェルター級タイトルマッチ |
※配信予定、及び出場選手は変更になる場合あり
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