COVID-19のパンデミックに伴い、ボクシング界は長きに渡って中断を余儀なくされてきた。しかし昨今は質の高い試合が演じられるようになるなど活気を取り戻してきている。それでは、現在全階級を合わせた世界最強のファイターは誰だろうか?
この記事では、DAZNが独自に選定したトップ10ファイターをランキング形式で紹介する。新たにPFPランキング入りを果たしたのは誰だろうか?また、落選の脅威にさらされている選手は誰だろうか?
DAZN選定パウンド・フォー・パウンドランキング:選考方法
PFPランキングを決める際に、DAZNチームが考慮している要素をいくつか示しておこう。
- 通算成績:もちろん勝敗数は重要だ。記録には数字以上の意味があるかもしれないが、順位を上げるには勝っていかなければならない。
- 対戦相手のレベル:全階級の全選手と比較しようというときに、レベルの低い相手に30戦全勝しても印象は残せない。最大のライバルやチャンピオンを下してこそ勝利の価値が大きくなるというものだ。
- 勝利した試合のクオリティ:格好良く勝つことも印象を高める要因だ。格上の対戦相手を乗り越えて大きな勝利をもぎ取るというのも良い要素だ。
- 活動の頻度:ランキングに載った選手がしばらく試合を行わなかったからといって、すぐに選手としての価値が落ちるわけではない。だが最近大一番で勝利を挙げた選手からの突き上げを受けるリスクがある。
それでは、2022年5月9日時点のDAZN選定PFPランキングを紹介する。上記の考慮事項を念頭に置いて見てもらいたい。
1. オレクサンドル・ウシク (↑1)
Mark Robinson/Matchroom Boxing
クルーザー級を圧倒しアンディスピューテッド王者となったウシクは、ヘビー級で数試合しか経験していないにも関わらずPFP常連であったアンソニー・ジョシュアを上回り、ヘビー級世界王座のほとんどを奪ってしまった。次はAJ(ジョシュアの愛称)とのリマッチが待ち受けている。勝利すれば、おそらくは2階級目のアンディスピューテッド王者となるための戦いが待っていることだろう。
2. テレンス・クロフォード (↑1)
GettyImages
クロフォードとウシクの差はほぼないに等しい。カネロがビボルに敗戦を喫したことで、二人は同時にカネロの順位を上回ることとなった。もし"バド"(クロフォードの愛称)が望むスペンスJrとのウェルター級統一戦を次に行うことができ、二人のPFPトップ5戦士が激突することになれば、勝者は一気に首位の座に躍り出ることになる可能性が高い。
3. カネロ・アルバレス (↓2)
Matchroom
カネロの達成した8年半に渡る連勝記録やこれまでの功績、そしてディミトリー・ビボルに喫した敗戦が相手の階級で起こった出来事であることを考慮すれば、少なくとも今は彼が3位よりも下に順位を落とすことは考えづらい。次戦は9月に行うものと予想されているが、カネロはたくさんの選択肢の中からどのような道を選ぶだろうか。興味は尽きない。
4. 井上尚弥 (変動なし)
Getty Images
無敗の3階級王者であり、バンタム級統一王者である井上尚弥は、昨年12月にアラン・ディパエンを破りトップ5以内を確保した。熾烈な競争を繰り広げるこのランキングでさらに上を目指すためには、もっと有名なビッグネームとの対戦を行っていく必要がある。6月7日に計画されているノニト・ドネアとの復帰戦はさらに多くのタイトルを統一するビッグマッチとなっており、まさにこの条件を満たす一戦だ。
5. エロール・スペンスJr (変動なし)
Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
4月に行ったヨルデニス・ウガス戦で終盤にKOで勝利したエロール・スペンスJrは、自身が未だに世界トップクラスのファイターであることを改めて知らしめた。テレンス・クロフォードとの夢の一戦が実現すればボクシング界最強のファイターを決める戦いとなるかもしれないが、当面はトップ5のポジションでやっていかなければならないだろう。
6. ディミトリー・ビボル (初登場)
Ed Mulholland / Matchroom
2022年までに積み重ねてきたビボルのパフォーマンスや結果を考慮すれば、トップ20の中に入ることは間違いないファイターだった。そして今回、元PFP王者のカネロ・アルバレスを見事に破ったことで、トップ10に見合う実力があることを証明した。ライトヘビー級という自身の庭での勝利ではあったが、とはいえ来月に予定されているアルトゥール・ベテルビエフvsジョー・スミスJrの勝者と将来的に統一戦を行い、勝利すれば、現3位のカネロを上回る可能性すら出てくるはずだ。
7. タイソン・フューリー (↓1)
GettyImages
4月にディリアン・ホワイトを一蹴したフューリー。母国のライバルを6ラウンドレフェリーストップで下し世界王座を防衛してみせた。試合後、無敗のイングランド人は引退について口にしたため、DAZN選定PFPランキングではもうすぐお目にかかれなくなってしまうかもしれない。だが、もし現役続行を決意しオレクサンドル・ウシクと戦い、勝利すれば、順位は一気に上ることになるだろう。
8. ジョージ・カンボソスJr (↓1)
Matchroom
6月に行われる同国出身の無敗のスター、デヴィン・ヘイニーとのライト級統一王座防衛戦に勝利すれば、PFPランキングの順位はさらに上がっていくはずだ。
9. ステファン・フルトンJr (↓1)
「クール・ボーイ・ステフ」は素晴らしい成果を残した2021年をエンジョイした。1月にはアンジェロ・レオを倒してWBOスーパーバンタム級王者となり、初めてのタイトルを獲得したかと思えば、その後ロペスvsカンボソスと同日の夜にWBC王者ブランドン・フィゲロアに勝利し、王座統一を果たしたのだ。フィラデルフィア出身のファイターがどこまで到達できるか、楽しみだ。
10. シャクール・スティーブンソン (変動なし)
Mikey Williams / Top Rank
シャクール・スティーブンソンがいつかPFPランキングに入ることは間違いなかった。ニューアーク出身のファイターはオスカル・バルデスを圧倒してスーパーフェザー級統一王者になったことで、初めてのランクインを果たした。スティーブンソンは24歳にして2階級世界王者であり、このランキングの常連になることが予想されている。これから130ポンド(スーパーフェザー級)を舞台にアンディスピューテッド王者を目指すのだろうか、それともライト級のビッグネームとの対戦の誘惑に惹かれ、階級を上げるのだろうか?
惜しくも選外となった選手たち
最近トップ10リストから脱落した、ワシル・ロマチェンコ、ジョシュ・テイラー、テオフィモ・ロペス、ガーボンタ"タンク"デーヴィス、ファン・フランシスコ・エストラーダといった、「ベスト15」の選手たちの名をここに記すことで、この記事を締めくくりたい。ここに列挙した選手たちは、ビッグマッチで1度勝利しさえすれば再浮上することができるだろう。だからこそ、向こう数ヶ月の動向は非常に興味深い。同様に、デヴィン・ヘイニーやノニト・ドネアといったファイターたちも、現トップ10ファイターと相対する次戦で勝利することができれば新たに議論の対象となるだろう。
ボクシング 配信予定 | DAZN番組表
日時(日本時間) | カード | 詳細 |
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5月15日(日) 9:00 | ラミレス vs.ボーセル | WBAライトヘビー級12回戦 |
5月21日(土) 3:00 | レハラガ vs.メトカルフ | WBAコンチネンタルスーパーウェルター級王座決定戦 |
※配信予定、及び出場選手は変更になる場合あり
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