歴史
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2009年にF1新規参戦チームながらドライバーズタイトル、コンストラクターズのダブルタイトルを獲得したブラウンGPを買収して「メルセデスGP」として2010年よりF1に参戦を果たした。
当初はニコ・ロズベルグ、そして2006年限りで引退していたミハエル・シューマッハを4年ぶりに復帰させるも、コンストラクターズで4位、4位、5位と開始3シーズンは優勝争いに食い込むのも難しい状況が続いた。
2013年はルイス・ハミルトン、ロズベルグ体制となり、ここで優勝回数3度、コンストラクターズでは2位に浮上するなど、トップチームの一員に。
翌2014年からは常勝チームとして、7年連続でダブルタイトルを奪取している。とりわけ強さを見せたのはロズベルグが初の王者となった2016年で、このシーズンは21戦中19戦でメルセデスが勝利するなど、ライバルチームを圧倒。また、ハミルトンとロズベルグのマッチレースはし烈を極めたことでも知られる。
そのロズベルグは2016年の年間王者となった数日後にF1からの引退を表明。2017年からはフィンランド人ドライバーのバルテリ・ボッタスを迎え、以降はハミルトン&ボッタスのラインナップで2021年まで戦い、2022年はボッタスが去り、ジョージ・ラッセルが加わった。
F1の創成期に躍動も撤退へ
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メルセデスはかつて、黎明期である1954年~1955年に、2シーズンのみワークスチームとしてF1に初参戦している。このときは当時のトップドライバーであるファン・マヌエル・ファンジオを迎え、ドライバーズタイトルを連覇した。だが1955年のル・マン24時間レースでメルセデスのマシンを駆ったピエール・ルヴェーが200名以上の死傷者を出す大事故を起こして炎上、即死したことから、この後メルセデスは30年近くモータースポーツ活動から身を引くことになってしまう。
後にメルセデスはエンジンサプライヤーとしてF1界に復帰。1990年代はザウバー・チームにパワーユニットを供給し、1995年からはマクラーレンのエンジンサプライヤーに。1998年、1999年にミカ・ハッキネンがドライバーズタイトルを連覇した時のエンジンがメルセデスだったことでも著名。マクラーレンには2014年までエンジンを供給し続け(2021年から再度マクラーレンのPUサプライヤーに)、この間にハミルトンは2008年に初の年間王者となっている。
現在のメルセデスAMGはメルセデスのワークスチームとして“第2期”となる。そのルーツを辿ると、2010年のチーム発足時、前年の王者ブラウンGPを買収して生まれたチームとしても知られる。ブラウンGPは2008年限りで撤退したホンダ・レーシング・F1チームの買収により生まれたチームであることから、ホンダが“第3期”(2000~2008年)の撤退をしていなかったら、現代最強チームのメルセデスAMGは誕生せず、全く異なるマシン、パワーユニット、ラインナップとなっていたかもしれない。
2020年はハミルトン独走で7度目V
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開幕戦のオーストラリアGPは新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、直前で中止になることが決定。開幕が7月にずれ込み、第1戦オーストリアGPではボッタスが開幕戦を制す。第2戦~第4戦はハミルトンが3連勝を飾り、序盤にしてメルセデスの1強状態であることが明確に。
シーズンを通じてハミルトン11勝、ボッタス2勝と他を寄せ付けない強さを示し、2014年から続くダブルタイトル連覇を7に伸ばしている。
ボッタスは2020年秋、早々に2021年のシートが確定していた一方、ハミルトンは新シーズンの契約更新がなかなか決まらず。2021年2月8日になり、ようやく1年契約がまとまったと公表された。王者メルセデスはハミルトン&ボッタスのセットで5季目へと突入することとなった。
2021年はコンストラクターズ8連覇もドライバーズ王者を明け渡す
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そして2021年は序盤戦からハミルトンとマックス・フェルスタッペンによるマッチレースの様相を呈し、ドライバーズランキングトップの座が5度も入れ替わるデットヒートに。第21戦サウジアラビアGPを終え、ハミルトン8勝、フェルスタッペン9勝で、両者369.5ポイントで並び最終アブダビGPを迎えることになった。
このレースでは2番手スタートのハミルトンがスタート直後にフェルスタッペンを抜き、多くの周回でラップリーダーを務める。そして終盤53周目にニコラス・ラティフィがクラッシュしてセーフティーカーが入ると、ハミルトンはそのままステイアウトした一方でフェルスタッペンはソフトタイヤにスイッチ。ファイナルラップの58周目にレース再開となったが、ロングランのハードタイヤを履いたハミルトンにとっては、フレッシュなソフトタイヤのフェルスタッペンが相手では為すすべなし。ターン5でトップの座を奪われたハミルトンは2番手でフィニッシュ。
結局最終ラップで優勝を逃したハミルトンはドライバーズランキング2位で2021年シーズンを終えることになった。ドライバーズタイトルは失った形になったが、コンストラクターズタイトルは2014年からの8連覇となっている。
レギュレーションの大きく変わる2022年はハミルトンと、ウィリアムズから加入したジョージ・ラッセルの英国人コンビで迎えることになった。
シーズンわずか1勝に終わった2022年
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2022年も優勝争いを演じるものと見られたメルセデス。だが開幕前に発表したW13は、サイドポッドの形状を大きく変えた通称“ゼロポッド”を用意するも、この新機構が機能せず。また、同シーズンは序盤からマシンが高速走行時に激しく縦揺れするポーパシング現象にも悩まされ、メルセデスは思うような速さを見せることができず。
開幕時にフタを開けてみると、レッドブル、フェラーリを3番手で追う状況となった。スピードという点でも序盤は安定感を欠き、第4戦エミリア・ロマーニャGPでは前年に優勝を争ったハミルトンが、トップを快走するフェルスタッペンのラップダウンになるという衝撃的なシーンも。
それでも後半戦に入るとメルセデスは力を上げていき、終盤にはレッドブル、フェラーリとともに3強に数えられる位置で戦い続けた。そして第21戦サンパウロGPでは、ラッセルが待望のF1初勝利。2番手ハミルトンはラッセルを真後ろで追うが、ラッセルはノーミスを続けての初Vとなった。結果的に2022年のF1勝利はこの1勝のみとなってしまった。
ゼロポッドを見限る方向転換も2023年未勝利…だが総合2位の座は確保
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2023年は前年よりスタートしたゼロポッドを継続。だが序盤戦はアストンマーティンがポテンシャルをアップさせたこともあり、レッドブルを追いかける第2勢力は前年よりも混戦となった。
そんな中でもメルセデスはハミルトンが第3戦オーストラリアGPで2位表彰台に上がるなど、ある程度の機能性を示していたものの、第7戦モナコGPを迎える前にゼロポッドの機構に見切りをつけ、ライバルチームと同様にサイドポッド上部が張り出した空力へと方向転換を余儀なくされた。
結果的にこの変更は明らかにメルセデスのポテンシャルアップをもたらし、ここからハミルトンは度々表彰台に上がるなど、レッドブルの対抗馬になり得る力があることを示した。
2023年シーズンはレッドブルの一強状態が明確。ハミルトンは6度、ラッセルは2度表彰台に上がったものの、メルセデスとしては2023年未勝利に終わった。
22戦中21レースをレッドブルが制するという独創的な勢力図だったが、メルセデスはコンストラクターズ2位を確保することに成功した。
そして2024年に入り、2月1日にルイス・ハミルトンが2024年限りで離脱し、2025年からフェラーリへと電撃移籍することが発表される。これで2013年よりメルセデスからエントリーしていたハミルトンは、今季限りで去ることになった。ハミルトン&ラッセルの組み合わせは今季限りで見納めとなるが、メルセデスとしては今一度タイトル争いを演じる位置に浮上することが目標であることは揺るぎない。
すでに開幕前から複数の契約延長、そしてハミルトンの移籍劇などで話題となったオフシーズンのF1。2024年、ハミルトンはしっかり存在感を示して同チームでの戦いを終えられるのか。そしてラッセルとしても、今後メルセデスの根幹を担う存在として、十分な力を有していることをトラック上で示したいところだ。
ドライバー
ルイス・ハミルトン
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1985年1月7日生まれ|イギリス国籍|マクラーレン(2007~2012)、メルセデス(2013~2024)、フェラーリ(2025~)
通算成績 ※2024年開幕時点
- 出走/332回
- 優勝/103回
- PP/104回
- FL/65回
- ドライバーズタイトル/7回(2008、2014、2015、2017、2018、2019、2020)
2023年の成績
- 年間:234ポイント/3位
- 優勝/0回
- PP/1回
- FL/4回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦バーレーンGP | 5位 |
第2戦サウジアラビアGP | 5位 |
第3戦オーストラリアGP | 2位 |
第4戦アゼルバイジャンGP | 6位 |
第5戦マイアミGP | 6位 |
第6戦エミリア・ロマーニャGP【中止】 | |
第7戦モナコGP | 4位 |
第8戦スペインGP | 2位 |
第9戦カナダGP | 3位 |
第10戦オーストリアGP | 8位 |
第11戦イギリスGP | 3位 |
第12戦ハンガリーGP | 4位 |
第13戦ベルギーGP | 4位 |
第14戦オランダGP | 6位 |
第15戦イタリアGP | 6位 |
第16戦シンガポールGP | 3位 |
第17戦日本GP | 5位 |
第18戦カタールGP | Ret. |
第19戦アメリカGP | DSQ |
第20戦メキシコGP | 2位 |
第21戦サンパウロGP | 8位 |
第22戦ラスベガスGP | 7位 |
第23戦アブダビGP | 9位 |
ジョージ・ラッセル
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1998年2月15日生まれ|イギリス国籍|ウィリアムズ(2019~2021)、メルセデス(2020※第16戦サクヒールGPのみスポット参戦、2022~)
通算成績(2024年開幕時点)
- 出走/104回
- 優勝/1回
- PP/1回
- FL/6回
2023年の成績
- 年間:175ポイント/8位
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/1回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦バーレーンGP | 7位 |
第2戦サウジアラビアGP | 4位 |
第3戦オーストラリアGP | Ret. |
第4戦アゼルバイジャンGP | 8位 |
第5戦マイアミGP | 4位 |
第6戦エミリア・ロマーニャGP【中止】 | |
第7戦モナコGP | 5位 |
第8戦スペインGP | 3位 |
第9戦カナダGP | Ret. |
第10戦オーストリアGP | 7位 |
第11戦イギリスGP | 5位 |
第12戦ハンガリーGP | 6位 |
第13戦ベルギーGP | 6位 |
第14戦オランダGP | 17位 |
第15戦イタリアGP | 5位 |
第16戦シンガポールGP | 16位 |
第17戦日本GP | 7位 |
第18戦カタールGP | 4位 |
第19戦アメリカGP | 5位 |
第20戦メキシコGP | 6位 |
第21戦サンパウロGP | Ret. |
第22戦ラスベガスGP | 8位 |
第23戦アブダビGP | 3位 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |