2017年終盤にトロ・ロッソからF1へ
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1996年生まれ、フランス・ルーアンで育ったピエール・ガスリーは幼少期からカート競技に挑戦し、2006年~2008年にかけてフランス国内でもトップクラスの成績を残す。なお、この頃には年齢の近い、現フェラーリのシャルル・ルクレール、故アントワーヌ・ユベール(2019年9月、F2レース中に事故死)とガスリーはしのぎを削る間柄だったという。後にフランスのエリートアカデミーに選ばれ、ガスリーはフォーミュラカーのカテゴリーにステップアップを果たした。
フランス・F4選手権やフォーミュラ・ルノーで評価を高め、2014年からはレッドブル・ジュニアチームの一員に。同年にはGP2シリーズにも参戦し、2015年よりレッドブルレーシングのリザーブドライバー契約を結ぶ。だがF1の舞台ではなかなか参戦のチャンスが与えられず。2016年のGP2タイトルを手にしたこともあり、2017年はトロ・ロッソからのF1デビューが有力と見られていたものの、トロ・ロッソはダニール・クビアトの続投が決まったことからシートが空かず、ガスリーのF1デビューは先送りとなった。
だが迎えた2017年9月、トロ・ロッソはクビアトの代わりにガスリーを起用することを発表。ガスリーはF1デビューとなったマレーシアGPを14位、日本GPを13位で終えると、スーパーフォーミュラの日程と重複したアメリカGPは出走せず、その後の3戦もすべて完走し、2017年終盤に出走した5戦はすべて決勝でフィニッシュチェッカーを受けている。
迎えた2018年より、トロ・ロッソはパワーユニットがルノーからホンダへとシフト。ガスリーは第2戦のバーレーンGP予選を6番手で終えると、決勝では4位フィニッシュを果たし、初のポイントを獲得。戦力的には見劣りするトロ・ロッソのマシンを駆りながらもガスリーはその後もモナコGP、ハンガリーGPなどでも入賞を果たし、このシーズンは29ポイントを獲得してドライバーズランキング15位となった。そして2019年はダニエル・リカルドの後任としてレッドブルへ昇格することとなる。
2019年レッドブルでは本領を発揮できず
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2019年はマックス・フェルスタッペンとコンビを組んでレッドブルから参戦を果たしたが、ガスリーはレッドブルでの順応に苦労し、トップ3チームの一角であるにもかかわらず、力の劣るマシンに競り負けるケースが散見された。これはパーツ不足やセットアップがなかなか定まらないなど様々な理由があったのだが、ガスリーにはレッドブルのドライバーを務めるには力不足なのではと指摘する声も浮上。
モナコGPで5位、イギリスGPでは4位に食い込み、中国&モナコでファステストラップをマークするなど、一発の速さもアピールしていた。だが第11戦ドイツGPでは終盤に兄弟チームでもあるトロ・ロッソのアレクサンダー・アルボンに追突し、入賞圏外へと脱落(14位で完走扱い)するという失態を演じてしまう。
そして第12戦ハンガリーGP終了後、ガスリーはトロ・ロッソへ出戻りとなり、入れ替わる形でアルボンがレッドブルへと昇格となった。
トロ・ロッソへ復帰することになったガスリーだったが、ここから再び才覚を示す。第13戦~第18戦の6レース中4戦で入賞を果たし、迎えた第20戦ブラジルGPでは、前を走っていたアルボンとルイス・ハミルトンが接触したことにより、終盤にして2位に浮上。猛追する王者ハミルトンを最後までしのぎ切り、自己最高位の2位でチェッカーを受けた(ハミルトンはこのレース終了後に順位降格のペナルティを受けている)。このレースは前半戦の同僚でもあったレッドブルのフェルスタッペンが制し、レッドブル&トロ・ロッソによるホンダエンジンのワンツーフィニッシュでもあった。
2019年にガスリーは95ポイントを獲得。レッドブルからトロ・ロッソへの降格という憂き目に遭ったが、速さと持ち前の度胸をアピールし、一定の評価を取り戻すことに成功している。
2020シーズンは大躍進の初優勝
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そして2020年、トロ・ロッソはレッドブルのファッションブランドであるアルファタウリを冠にしてスクーデリア・アルファタウリ・ホンダというチーム名に改称した。ガスリーは予選時からQ3進出へと頻繁に進出するなど、改めて速さを示した。そして第8戦イタリアGPではルイス・ハミルトンの戦略ミス、シャルル・ルクレールのクラッシュなどが重なり、途中からガスリーがラップリーダーに。終盤にはカルロス・サインツの猛追を受けたものの、そのままトップチェッカーを受けて念願のF1初勝利をマークした。
2020シーズン、ガスリーは1勝含む10度の入賞を果たし、ドライバーズランキング10位で終えた。
アルファタウリで上位勢に迫る速さを見せる
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2021年は新たな相棒に角田裕毅を迎え、日本人ドライバーとのコンビで戦いに挑んだ。アルファタウリのマシンは一発の速さを持つ一方で、決勝のレースペースではやや劣る特性があるとの見方があるなか、フランス人ドライバーは22レース中16レースで予選トップ6以内に入るという、非凡な才能を示した。
決勝では1度の表彰台を含む110ポイントを稼ぎ出し、年間総合9位となった。これは上位4チーム(メルセデス、レッドブル、フェラーリ、マクラーレン)8名のドライバーに次ぐ成績となる。
2022年は苦戦を余儀なくされる
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2022年に入ると、ガスリーはなかなか上位争いに加わることができず。予選でも上位グリッドを獲得していたガスリーだったが、アルファタウリのAT03はポテンシャル不足であることがうかがえた。
第7戦アゼルバイジャンGPで5位入賞を果たすまでは僚友角田にポイントで先行される状況となったが、結果として同シーズンの決勝最高位はこの5位となった。
ガスリーは第10戦イギリスGPで、スタート直後の混乱に巻き込まれてリタイア。第11戦オーストリアGPから最終戦アブダビGPまで12レース連続で完走を果たすも、入賞圏内に届いたのは後半戦で3レースのみと、不本意な成績となった。獲得ポイントも2021年は110点だったが、翌2022年は23点まで激減している。
そして第17戦日本GPが開催中の土曜日、ガスリーは2022年限りでレッドブルグループから離脱し、2023年からアルピーヌへと加わることが発表された。
以前よりレッドブル再昇格が目標だと公言していたガスリーだったが、セルジオ・ペレスがすでに2024年まで契約を延長しており、レッドブルのシートは残り2シーズン事実上埋まっている状況。そのためガスリーはレッドブルと袂を分かち、母国フランスの名門アルピーヌへと身を投じることになった。
新天地アルピーヌでは初年度から僚友オコンを上回る
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2023年、新天地アルピーヌでの僚友は、同胞フランスのオコン。幼い頃から旧知の仲でありライバルではあるが、フランスの下部年代時代にはスカラシップの枠を争ったことがあり、本人だけでなく父親同士も不仲という間柄になってしまった。
そんな中、ガスリーは新天地アルピーヌでも抜群の順応性を示し、開幕6レースで4度の入賞を果たす。僚友オコンはモナコGPで3位表彰台に上がったこともあり、ここからオコンがポイント獲得数で先行するも、サマーブレイク明けのオランダGPでガスリーは、アルピーヌでの初表彰台に上がる。
ここからはシーズンを終えるまで対オコンという点でポイント数で常に先行し、62ポイントの総合11位でシーズンを終えた。
2023年はレッドブルが一強状態で、メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーティンが第2勢力を形成した。その5チーム10人に次ぐ11位というガスリーの2023年は、できる限りの成果だったと言えるだろう。
2024年もガスリー&オコンのセットで挑むアルピーヌは、前年からどこまで上位勢に迫れるのか、ガスリーとしても再び表彰台に頂点に立つような、躍進の一年にしたいところだ。
プロフィール
ピエール・ガスリー
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1996年2月7日生まれ|フランス国籍|トロ・ロッソ(2017~2018)、レッドブル(2019)、トロ・ロッソ(2019)、アルファタウリ(2020~2022)、アルピーヌ(2023~)
年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
---|---|---|---|
2017年 | トロ・ロッソ | 0勝 | 21位 |
2018年 | トロ・ロッソ | 0勝 | 15位 |
2019年 | レッドブル/トロ・ロッソ | 0勝 | 7位 |
2020年 | アルファタウリ | 1勝 | 10位 |
2021年 | アルファタウリ | 0勝 | 9位 |
2022年 | アルファタウリ | 0勝 | 14位 |
2023年 | アルピーヌ | 0勝 | 11位 |
2024年 | アルピーヌ | 0勝 | 10位 |
通算成績(2024年終了時点)
- 出走/154回
- 優勝/1回
- PP/0回
- FL/3回
2024年の成績
- 年間:42ポイント/10位
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/0回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦バーレーンGP | 位 |
第2戦サウジアラビアGP | 位 |
第3戦オーストラリアGP | 位 |
第4戦日本GP | 位 |
第5戦中国GP | 位 |
第6戦マイアミGP | 位 |
第7戦エミリア・ロマーニャGP | 位 |
第8戦モナコGP | 位 |
第9戦カナダGP | 位 |
第10戦スペインGP | 位 |
第11戦オーストリアGP | 位 |
第12戦イギリスGP | 位 |
第13戦ハンガリーGP | 位 |
第14戦ベルギーGP | 位 |
第15戦オランダGP | 位 |
第16戦イタリアGP | 位 |
第17戦アゼルバイジャンGP | 位 |
第18戦シンガポールGP | 位 |
第19戦アメリカGP | 位 |
第20戦メキシコGP | 位 |
第21戦サンパウロGP | 位 |
第22戦ラスベガスGP | 位 |
第23戦カタールGP | 位 |
第24戦アブダビGP | 位 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |