経歴
2019年よりF1デビュー
1996年生まれ、アレックス・アルボンはイギリス人の父ナイジェルと、タイ人の母カンカモルの間に生を受け、イギリスで育った。
子供の頃からカートで腕を磨き、後にフォーミュラ・ルノー、ヨーロッパF3、GP3シリーズと順調にステップアップ。2017年からはFIAフォーミュラ2選手権に参戦し、初年度は10位でシーズンを終える。翌2018年はDAMSからF2に出走し、4勝をマークして年間3位に付けた。
そして2018年11月、トロ・ロッソから2019年よりレギュラードライバーとしてF1に参戦することが発表された。カーナンバーは23で、敬愛するモトGPライダー、ヴァレンティーノ・ロッシのラッキーナンバーである46を半分にした数字を選んでいる。
トロ・ロッソではF1デビュー戦のオーストラリアGPで14位完走を果たすと、第2戦バーレーンGPでは9位入賞。第3戦中国GPでも10位に入り、2レース連続でポイントを獲得した。アルボンは第4戦~第6戦までも完走を果たし、デビューから6レース連続でフィニッシュチェッカーを受けるという安定感を披露。
第11戦ドイツGPでは6位入賞を果たし、第12戦ハンガリーGPでは10位に入ると、その直後にレッドブルで本領を発揮できずにいたピエール・ガスリーと入れ替えという形で、レッドブルへの昇格が決まった。
デビューから12戦でレッドブルに抜てき
Getty Images
その年F1デビューしたばかり、アルボンのレッドブル抜てきを“時期尚早ではないか”と見る向きもあったが、アルボンは第13戦ベルギーGPで5位入賞を果たすと、それから第19戦のアメリカGPに至るまで4~6位の順位で7レース連続フィニッシュと堅実に結果を残した。
迎えた第20戦ブラジルGPでは終盤に単独2位へと浮上するも、王者ルイス・ハミルトンと接触してスピン。この後順位を落とし、結果として14位で完走となった。そして最終戦アブダビGPでは6位入賞を果たしている。レッドブルではブラジルGPこそ終盤に順位を落としたものの、ほぼすべてのレースで上位に食い込む結果に。
2019年のF1デビューシーズンはトロ・ロッソで12戦、レッドブルで9戦出走し、92ポイントを獲得してドライバーズランキング8位となった。迎えた2020年もレッドブルではマックス・フェルスタッペンと組み、引き続きメルセデス、フェラーリらライバルとの戦いに挑んだ。
結果としてレッドブルでのフル参戦は1季のみ
Getty Images
2020年はレッドブルのセカンドドライバーとしてフルシーズンを戦い、2度表彰台に上がったが僚友フェルスタッペンに速さで劣るレースが目立ち、結果として105ポイントの総合7位に終わった。そして2021年からベテランのセルジオ・ペレスが加わることになり、アルボンは翌2021年をレッドブルのリザーブドライバーとして過ごすこととなってしまう。
この2021年、アルボンはレッドブルで開発に尽力する傍ら、ドイツツーリングカー選手権にも参戦し、表彰台の頂点に立つことも。結果としてシリーズ6位でフィニッシュとなり、フォーミュラカー以外でも改めてレースセンスを示す形に。
また、このシーズンの後半にはアルファタウリで角田裕毅のアドバイザー役を務めた。ルーキーの角田本人もF1でフル参戦経験を持つアルボンが相談役になったことについて「レースやセッティングでの疑問があった時になんでも相談できる。自分が思いつかなかったことを彼から提案してくれることもあるし、本当に頼りになる良い人です」と語っていた。
そしてアルボンは2022年、メルセデスに移籍を果たしたジョージ・ラッセルの穴埋め役という形で、ウィリアムズのレギュラードライバーになることが発表された。
下位チームでも十分な存在感を見せる
Getty Images
2022年、ウィリアムズのレギュラーシートを獲得したアルボンは、競争力に乏しいウィリアムズのマシンを駆りながらも明確な存在感を示す。
予選でもQ2進出の頻度が多く、決勝でも良いレースペースを示し、第3戦オーストラリアGPでは10位入賞を果たした。アルボンは入賞圏内に届かなくてもコンスタントに順位を上げていく堅実さを見せ、2022年は改めて評価を上げる内容となった。
イタリアGP直前には虫垂炎により欠場を余儀なくされるというまさかの病欠もあったが、3度の入賞で4ポイント奪取という結果は、コンストラクターズ最下位のウィリアムズという状況を考えたら上出来と言って良いだろう。
ストレートの速さを活かし、2023年は中団勢の一角に
Red Bull Content Pool
2023年、ウィリアムズの僚友はラティフィから前年のF2総合4位、アメリカ人ドライバーのローガン・サージェントとなった。
同年のウィリアムズは最下位の位置ではなく、コース特性やストレートの持ち味が合致するトラックでは、上位勢に匹敵する速さを示した。
アルボンはそんな中で予選では度々Q3に進出を果たす。決勝でもストレートでのスピードを活かしてライバル勢との競り合いで、アドバンテージを示す場面も。
総合力こそ上位勢に敵わずとも、アルボンは7度の入賞で27ポイントの総合13位でシーズンを終えている。
続く2024年もアルボン&サージェント体制で挑むことになった。かつてレッドブルでは辛酸を嘗めたアルボンは、ウィリアムズで評価を改めて高め、上位チームから引き抜きのうわさが絶えない状況となっている。それだけに今季のF1はアルボンがどれだけ上位を“食うことができるのか”も要注目ポイントと言えるだろう。
プロフィール
アレクサンダー・アルボン
Getty Images
1996年3月23日生まれ|タイ国籍(出生地はイギリス)|トロ・ロッソ(2019)、レッドブル(2019~2020)、ウィリアムズ(2022~)
通算成績(2024年終了時点)
- 出走/106回
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/0回
年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
---|---|---|---|
2019年 | トロ・ロッソ/レッドブル | 0勝 | 8位 |
2020年 | レッドブル | 0勝 | 7位 |
2022年 | ウィリアムズ | 0勝 | 19位 |
2023年 | ウィリアムズ | 0勝 | 13位 |
2024年 | ウィリアムズ | 0勝 | 16位 |
2024年の成績
- 年間:12ポイント/16位
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/0回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦バーレーンGP | 位 |
第2戦サウジアラビアGP | 位 |
第3戦オーストラリアGP | 位 |
第4戦日本GP | 位 |
第5戦中国GP | 位 |
第6戦マイアミGP | 位 |
第7戦エミリア・ロマーニャGP | 位 |
第8戦モナコGP | 位 |
第9戦カナダGP | 位 |
第10戦スペインGP | 位 |
第11戦オーストリアGP | 位 |
第12戦イギリスGP | 位 |
第13戦ハンガリーGP | 位 |
第14戦ベルギーGP | 位 |
第15戦オランダGP | 位 |
第16戦イタリアGP | 位 |
第17戦アゼルバイジャンGP | 位 |
第18戦シンガポールGP | 位 |
第19戦アメリカGP | 位 |
第20戦メキシコGP | 位 |
第21戦サンパウロGP | 位 |
第22戦ラスベガスGP | 位 |
第23戦カタールGP | 位 |
第24戦アブダビGP | 位 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |