経歴
母国フランスでキャリアをスタート
1996年、フランスに生を受けたエステバン・オコンは、幼少期からカートに親しみ、2004年からキャリアをスタートさせる。すぐさま頭角を現したオコンは2007年、2008年と国内のカート選手権でタイトルを獲得し、注目のティーンエイジャーとして期待される存在となった。
その後、2012年からフォーミュラ・ルノー2.0に参戦し、ルーキーイヤーから上位で結果を残す。翌2013年には年間3位に入った走りが評価され、2014年からはFIAフォーミュラ3・ヨーロピアン選手権へのステップアップを果たした。
着々とカテゴリーをステップアップしたオコンの勢いは留まらず、初参戦のFIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権でタイトルを獲得したのち、2014年の最終戦アブダビGPでロータスからフリー走行への出走機会が与えられた。
テストドライバーを経てF1デビュー
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2015年はフォース・インディアでテストドライバーを務めつつ、GP3にも参戦。そこでは参戦初年度でタイトルを手中にし、翌2016年はメルセデスとルノー、両方のテストドライバーに任命された。
複数の自動車メーカーからサポートを受けるという異例の状況に置かれたオコンは、第13戦ベルギーGPからリオ・ハリアントに代わって、マノー・レーシングのシートを獲得。ついにレギュラードライバーとして、F1デビューを果たした。非力なマシンで9レースを戦ったが、その走りは非常に高く評価され、2017年シーズンのフォース・インディアとの契約を勝ち取ることになった。
フォース・インディアでの1年目は素晴らしいシーズンとなり、全20戦中18回の入賞を果たし、その評価に恥じない実力を発揮。しかしチームメイトのセルジオ・ペレスとの同士討ちが相次ぎ、チーム側がチームオーダーでコントロールする事態となった。
シート喪失も再びF1の舞台に返り咲く
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2018年はチームの財政難もあり、苦しいシーズンを過ごすことになった。またマシンの競争力不足に加えてバトル中の接触なども増えてしまう。なかでも第20戦ブラジルGPでは、周回遅れのオコンがトップ走行中のマックス・フェルスタッペンと接触して、レース後にもめる一幕も見られた。
さらにストーブリーグがオコンにとって不利な方向に動く。関係の深かったルノーのシートにダニエル・リカルドが収まり、フォース・インディアのオーナーとなった資産家のローレンス・ストロールの影響で、チームにランス・ストロールが加わることになり、オコンは2019年のレギュラーシートを失うことになった。
この状況にメルセデスのトト・ウォルフ代表がサポートの意向を示し、オコンがF1のシートを獲得するためには、メルセデスのサポートをあえて外すことも辞さないと話した。しかし、結果的にレギュラードライバーの座は獲得できず、2019年はメルセデスのテストドライバーに就任することに。
2020年はニコ・ヒュルケンベルグに代わってルノーのシートを獲得したオコン。同僚である実力者ダニエル・リカルドに比べて上位争いを展開するケースが少なく、入賞頻度でもやや見劣りする結果に。だが波乱含みの終盤のサクヒールGPでは初優勝したセルジオ・ペレスに続く2位表彰台を獲得した。10度の入賞で年間12位に終わっている。
ルノーは2021年よりチーム名がアルピーヌへと変更。そして相棒は2005年、2006年にルノーで2度の世界王者に輝いたフェルナンド・アロンソとなった。
2021年は待望のF1初優勝
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チーム名がルノーからアルピーヌへと変わり、僚友が3年ぶりF1帰還のアロンソに変わった2021年、オコンは序盤から入賞圏内でのフィニッシュを繰り返すも、表彰台には遠い位置での戦いが中心となった。
第6戦アゼルバイジャンGP終了後の2021年6月16日には、2024年までアルピーヌと契約延長に至ったことが発表された。だがオコンはこの契約更新後に精彩を欠く場面が散見され、長期契約が妥当だったのか疑問視する声も少なからず浮上。
だがウェット路面の第11戦ハンガリーGPでは、千載一遇のチャンスがやってくる。スタート直後のターン1ではバルテリ・ボッタスが多重クラッシュを誘発し、レッドブルの2台やランド・ノリスが巻き添えに。後方ではランス・ストロールもブレーキングで失敗し、シャルル・ルクレールやダニエル・リカルドが巻き込まれる事態に。上位勢が姿を消す中で、ターン1でインを突いたオコンは2番手に浮上した状態でレースは早くも赤旗中断となる。
4周目の赤旗再開時にはハミルトンがそのままスターティンググリッドに着いた一方、2番手オコン以下すべてのマシンがピットに入り、ドライタイヤにスイッチ。そしてピットレーンからのスタートとなった。ハミルトンはその翌周にピットへと入ったため、オコンは5周目にしてトップに立つ。
そこからオコンはセバスチャン・ベッテルに追われながらもラップリーダーとしてレースをけん引。また、後方では後ろから追い上げるルイス・ハミルトンを、僚友アロンソがブロックしてオコンをアシストする流れも脚光を浴びた。結局オコンはこのチャンスを生かしてトップでチェッカーを受け、キャリア初優勝を果たした。
このシーズン、オコンの表彰台は優勝したハンガリーGPのみだったが、シーズン74ポイントを獲得してドライバーズランキング11位でシーズンを終えている。
2022年は総合8位でフィニッシュ
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2021年は初優勝をマークしたオコンだったが、レギュレーションの大きく変わった2022はレッドブル&フェラーリ&メルセデスに比べて苦戦するも、序盤からコンストラクターズ4番手の速さを示す。
オコンは僚友フェルナンド・アロンソとあわや同士討ちかとも思わせるバトルを演じ、ヒヤヒヤする場面もあったが、第1戦から7位、6位、7位と堅実にポイントを重ねていった。
ポイント争いでは3強6人の次となる総合7位はマクラーレンのランド・ノリスとなったが、オコンは92ポイントを稼いで総合8位となっている。アロンソとのポイントも2021年は74-81だったが、2022年は92-81と、2シーズン目でオコンは2度の王者を上回っている。
2023年は中団勢として戦い総合12位
Red Bull Content Pool
そして2023年はアロンソがアストンマーティンへと去り、アルファタウリ離脱のピエール・ガスリーがアルピーヌのレギュラードライバーとなった。オールフランス体制がこれで完成する一方で、オコンとガスリーはフランス・ノルマンディー出身の幼なじみであり、下部年代時代にスカラシップ選考会で大きな溝が生まれ、それ以降不仲であることが話題となっていた。
ガスリーとの仲について「僕らはもう大人になった」と語り、問題ないと強調している。この人事がアルピーヌにとって大きなプラスになるのか、それともマイナスとなってしまうのか、2人の相乗効果が要注目となった。
2023年のアルピーヌは中団勢でもなかなかトップとの力量は大きく、優勝争いには程遠い展開に。また、トラック適性の合致する、合致しないサーキットで戦える位置が大きく変わる側面もあった。
そんな中でもオコンは僚友ガスリーと競りながらも、モナコGPでは3位表彰台に上がるなど、存在感を示す。この後シーズン中盤に入ると、僚友ガスリーにポイントで先行される展開が続いたものの、波乱続きとなった終盤のラスベガスGPでは4位入賞を果たし、58ポイントの総合12位でシーズンを終えた。これは僚友ガスリー(62ポイント/総合11位)と4ポイント差と、ほぼチーム内で五分の成績となっている。
2024年のオコンは、古株として改めてガスリーより上の結果を残し、アルピーヌを改めて上位争いに導けるのかが注目ポイントとなる。
プロフィール
エステバン・オコン
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1996年9月17日生まれ|フランス国籍|マノー(2016)、フォース・インディア(2017~2018)、レーシング・ポイント(2018)、ルノー(2020)、アルピーヌ(2021~2024)、ハース(2025~)
通算成績(2024年終了時点)
- 出走/156回
- 優勝/1回
- PP/0回
- FL/1回
年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
---|---|---|---|
2016年 | マノー | 0勝 | 23位 |
2017年 | フォース・インディア | 0勝 | 8位 |
2018年 | フォース・インディア/レーシング・ポイント | 0勝 | 12位 |
2020年 | ルノー | 0勝 | 12位 |
2021年 | アルピーヌ | 1勝 | 11位 |
2022年 | アルピーヌ | 0勝 | 8位 |
2023年 | アルピーヌ | 0勝 | 12位 |
2024年 | アルピーヌ | 0勝 | 14位 |
2024年の成績
- 年間:23ポイント/14位
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/1回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦バーレーンGP | 位 |
第2戦サウジアラビアGP | 位 |
第3戦オーストラリアGP | 位 |
第4戦日本GP | 位 |
第5戦中国GP | 位 |
第6戦マイアミGP | 位 |
第7戦エミリア・ロマーニャGP | 位 |
第8戦モナコGP | 位 |
第9戦カナダGP | 位 |
第10戦スペインGP | 位 |
第11戦オーストリアGP | 位 |
第12戦イギリスGP | 位 |
第13戦ハンガリーGP | 位 |
第14戦ベルギーGP | 位 |
第15戦オランダGP | 位 |
第16戦イタリアGP | 位 |
第17戦アゼルバイジャンGP | 位 |
第18戦シンガポールGP | 位 |
第19戦アメリカGP | 位 |
第20戦メキシコGP | 位 |
第21戦サンパウロGP | 位 |
第22戦ラスベガスGP | 位 |
第23戦カタールGP | 位 |
第24戦アブダビGP | 位 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |