「角田裕毅はガスリーを脅かす存在になる」仏メディアが20歳の日本人ドライバー“相模原の新風”に注目｜F1

アルファタウリの角田裕毅について、フランスメディアが大注目している。

チームメートのピエール・ガスリーがフランス出身ということもあり、20歳の日本人ドライバーについて賛辞の言葉を贈りながらも「角田裕毅の将来性はガスリーにとって良いニュースではない」と記し、ガスリーの立場を脅かす存在になるとフランス版『Eurosport』が説いている。

「グランプリデビューで目覚ましい活躍を見せ、角田裕毅は早くもライジングスターとして注目を集めている。この日本人はまだF1の舞台で証明しなければならない要素が多くある。だが、それらを満たすすべてを持っているようだ。そのスケールはアルファタウリ側が求めているものを超えている。ガスリーにとって、これは良いニュースではない」

「角田裕毅というドライバーはまだ20歳であり、159センチと体も小柄。ダニール・クビアトの後釜として、彼は2021年からF1のシートを確保した。角田はプレシーズンテストのサクヒールにおいて、いきなりマックス・フェルスタッペンのトップタイムから僅差（0.093秒差）のラップタイムを刻み、セッションを終えた。そして開幕戦ではフェルナンド・アロンソ、ランス・ストロールなどを力強くオーバーテイクし、2ポイントをつかみ取っている」

記事では角田のキャラクターについて「彼はF1プロモーターが愛すべき存在」と、時代の寵児になっていると伝えた。

「深く掘り下げると、彼はF1プロモーターが愛するすべてだ。現代のモータースポーツにおける重要なプロモーションはデジタルプラットフォーム（Twitter、YouTube、Netflix、Twitchなど）にシフトしている。彼は新たな視聴者の注目を引きつけるF1パイロットなのだ。SNSではフリープラクティス中のトラフィックに対する小さな怒り、決勝では憧れのアロンソをパスした感嘆の声など、その様子は世界中で何度となく再生された」

「相模原（角田の地元）の新風は、巨大な自動車産業を形成する国家、日本を魅了する新たなアイコンとなるだろう。日出ずる国のF1ファンは、かつてアイルトン・セナを愛したように、最愛の人を探し続けている。ヘルムート・マルコ氏は彼が日本人初のワールドチャンピオンになるとまで公言した。これまで多くの才能を間近に見てきたレッドブルのアドバイザーさえもそのような賛辞を贈っているのだ」

そしてフランスメディアは自国の英雄、ガスリーの立場がアルファタウリ内でも盤石ではなくなるかもしれないと、危機感混じりにこう続けた。

「昨シーズン、ある程度結果を残したガスリーはもう一度アルファタウリ（旧トロ・ロッソ）からレッドブルに再昇格するという奇跡を期待した。だがその立場に急上昇株の角田が割って入るかもしれない」

昨季コンストラクターズ7位であるアルファタウリ。そんななかでも同チーム事実上のエースであるガスリーは、予選で時折メルセデス、レッドブルに次ぐ一発の速さを見せるなど、改めて確かな存在感を示していた。

だがそのガスリーの立場を脅かす存在になり得るとフランスメディアがフォーカスするほど、角田の才能は現地ヨーロッパでも認められつつあるようだ。