元ハースのマグヌッセン「2018年夏にトロ・ロッソ行きの話があった」3年前の逸話を明かす｜F1

昨季までハースのレギュラードライバーだったケビン・マグヌッセンが、かつてトロ・ロッソに加わる可能性があったことを明かしている。

マグヌッセンはデンマーク『TV3』の番組内で「2018年夏にトロ・ロッソ行きの話があったんだ」と語った。

「その時点でレッドブルはダニエル・リカルドの退団が決まっていて、レッドブルには後釜の候補（ピエール・ガスリー）がいたようなんだ。トロ・ロッソのシートが空く見通しだったみたいだね。結果として契約書とか具体的な段階までは至らなかったけど、確かにトロ・ロッソは当時、選択肢の一つにあったんだ」

だがデンマーク人ドライバーは、当時ハースが好調を維持していたこともあり「僕は当時のハースに満足していたんだ。2018年の段階でチームは大きく成長していた。だからチームから離れるべきではないと思って、トロ・ロッソのチャンスは選択肢から除外してしまったんだ」と振り返っている。

ハースは2018シーズン、コンストラクターズ5位と大躍進のシーズンを過ごした。マグヌッセンも11度の入賞を果たし、年間56ポイントでドライバーズランキング9位となった。

一方で2018年当時のトロ・ロッソ（現アルファタウリ）はホンダのパワーユニットに変更したばかりでそこまで競争力はなく、チームとして年間33ポイントでコンストラクターズランキング9位だった。それだけに当時ハースのマグヌッセンにとっては、トロ・ロッソへの移籍は選択肢として現実的なものではなかったようだ。

なお結果として2019シーズンからトロ・ロッソはダニール・クビアトと再契約を締結。これは2018年の夏当時、レッドブルジュニアチームにおいて、スーパーライセンスの取得条件を満たしている若手がいなかったことから、クビアトを再起用する運びとなった。

トロ・ロッソは2019年に年間6位（85ポイント）、アルファタウリとチーム名を変えて初年度の2020シーズンは年間7位（107ポイント）。2020年にはピエール・ガスリーがキャリア初優勝を果たすなど、中団グループの後方ながら、存在感を示している。

一方でマグヌッセンの所属したハースは2018年こそ年間5位（93ポイント）と躍進したものの、翌2019年は年間9位（28ポイント）、2020年も年間9位（3ポイント）と、アルファタウリとは逆に、徐々に成績を下げる結果となった。

2020年限りでハースのシートを失い、2021年からは北米で行われているIMSAスポーツカー選手権へと新天地を求めたマグヌッセン。もし2019シーズンからトロ・ロッソへと加わっていた場合、各チームのシートラインナップは現在、大きく異なる陣容になっていたかもしれない。