元王者ニコ・ロズベルグ氏「断った」ハミルトンの新型コロナ欠場、2020年サクヒールGPでスポット復帰の話があったと明かす｜F1

2016年のワールドチャンピオン、ニコ・ロズベルグ氏が、2020年の第16戦サクヒールGPにおいて、スポット参戦で4年ぶりにF1復帰する話があったと語っている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年は3月開幕のオーストラリアGPが直前になって中止に。第1戦は7月までスライドする事態となり、オーストリアGPでようやくシーズンインとなった。

この年はドライバーの新型コロナウイルス感染が相次ぎ、レーシング・ポイント（当時）のセルジオ・ペレスは第4戦、第5戦で欠場。そしてランス・ストロールも第11戦直前に陽性と診断され、この時の代役はニコ・ヒュルケンベルグが務めた。

そして終盤の第15戦バーレーンGP終了後、メルセデスのルイス・ハミルトンも新型コロナウイルス感染と診断され、翌第16戦サクヒールGP出走が不可能となってしまう。

ロズベルグ氏は「メルセデスから再び走らないかとの話を受けた。1レースだけとはいえ本当に迷ったよ」と言いつつ、2016年の最終戦以降、4年近く第一線から離れていたことから、断ったと述べている。ドイツ『Antenne Bayern』に対して語った。

「またとないチャンスにも思えたけど、やはり受けるわけにはいかなかった。3周以上レースをするだけのフィジカルが今の自分にあるとは思えなかったからね。無理だという結論に至った」

「F1のマシンをコントロールできるだけの筋力がもうないんだ。腕は動かないだろうし、首もG（重力による負荷）に耐えられるとは思えなかった。もう自分にはF1でドライビングできるような筋肉がなかったんだ」

結果的に2020年の第16戦サクヒールGPは、メルセデス・ヤング・ドライバープログラムの一員であるウィリアムズのジョージ・ラッセルが、スポット参戦でメルセデスのマシンを駆った。ラッセルはフリープラクティスからトップタイムを連発するも、予選では2番グリッドとなった。決勝ではチームのピットミスもあり大幅に順位を落とし、9位でフィニッシュ。初優勝のチャンスを逃す結果となった。

だが若きイギリス人ドライバーは同チームのバルテリ・ボッタスを決勝レース中にオーバーテイクするなど、トップドライバーの才覚を示した形に。ちなみに同レースは当時レーシング・ポイントのセルジオ・ペレスが、キャリア最遅となる190戦目でF1初優勝を決めたレースでもある。

結果としてハミルトンの欠場はサクヒールGPのみとなったが、当時のメルセデスは2016年以降トラックから離れていたロズベルグにスポット復帰を打診するなど、水面下では代役確保に奔走していたようだ。また、4年近く第一線から離れていたロズベルグが「無理」と断りを入れるほど、F1のマシンをコントロールするのは、スキル以上に相当なフィジカル能力が求められる模様だ。

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