経歴
母国を離れヨーロッパで武者修行
イタリア系移民の子としてオーストラリア西部のパースで生まれ、9歳からカートで腕を磨いたダニエル・リカルドは、2006年に活動の拠点をヨーロッパに移し、本格的にF1を目指して挑戦を始めた。
2006年以降はフォーミュラ・BMWやフォーミュラ・ルノーを舞台に経験を積んだリカルドは、2008年からレッドブル・ジュニアチームに加わり、一気にF1への距離を縮めた。すると翌2009年にはイギリスF3を大差で制し、その活躍が認められ2010年からトロ・ロッソのテストドライバーを務めることになった。
トロ・ロッソのテストドライバーとしての活動とともにフォーミュラ・ルノー3.5 シリーズでもレースを続けていた2011年に、F1デビューのチャンスが訪れる。レッドブルがHRTのシートを買い上げる形で、リカルドに出走機会が与えられたのである。第9戦イギリスGPでデビューを果たし、シーズン後半にはチームメイト(ヴィタントニオ・リウッツィ)に引けを取らない速さを披露した。
トロ・ロッソからレッドブルへ
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2012年はシーズン開幕からトロ・ロッソのドライバーとして参戦。翌2013年も同様に中位ながら安定した走りで評価を高めたリカルドは、2013年限りで引退した同郷のマーク・ウェバーの後任として、ついにレッドブルのシートを獲得した。
競争力のあるマシンを手に入れた2014年に、ついにF1初優勝の瞬間が訪れた。第7戦のカナダGPで予選6番手からスタートしたリカルドは、ブレーキトラブルを抱えながらもコース上でライバルたちを抜き去り、見事トップチェッカーを受けた。その後の第11戦ハンガリーGP・第12戦ベルギーGPは連勝して、シーズン3勝・表彰台8回というキャリアハイの成績を残した。また、チームのエースであったセバスチャン・ベッテルを上回るリザルトを残したことで、その才能は誰もが認めるところとなった。
翌2015年は未勝利に終わったものの、2016年には、21戦中20戦入賞・全戦完走という非常に安定したパフォーマンスでチームをけん引し、第5戦からチームメイトになった伸び盛りのマックス・フェルスタッペンとのコンビで、第16戦マレーシアGPでは1-2フィニッシュを達成。自身は2度目のランキング3位に入った。
また、第12戦ドイツGPの表彰台では、自らの靴にシャンパンを注いで飲むという「シューイ」というオーストラリアの祝い方を披露。プレゼンターや他のドライバーも巻き込み、ちょっとしたブームにもなった。
2季ルノーを経て、2021年からマクラーレンへ
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2017年以降、フェルスタッペンをチームのエースとして扱うレッドブルの方針が徐々に強まるなかでも奮闘したリカルド。第8戦アゼルバイジャンGPで勝利を挙げると、翌年の第6戦モナコGPではポールトゥウィンを飾るなど、随所にその実力を発揮していた。
この年はランキング5位で終え、2018年は中国GP、モナコGPで2勝をマークしたが、シーズン終盤にルノーと2年契約を結んだことを電撃発表。5季在籍したレッドブルを去り、ルノーへと新天地を求めることになった。
ルノーはなかなか上位争いに加わることが難しい状況下だったが、リカルドはその中でも8度の入賞をマーク。2019年は54ポイントを手にしてシーズン9位で終えている。
そして2020年5月14日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い開幕戦が後ろ倒しになる中、リカルドが2021年からマクラーレンに移籍することが発表された。同じタイミングでマクラーレンのカルロス・サインツがフェラーリに行くと公表され、複数のチームによる玉突き移籍が実現した。
2020年のルノーはマクラーレン、レーシング・ポイントとともにコンストラクターズ3番手を争う位置にいたが、結果的に年間5位の成績で終わった。リカルド本人は2度表彰台に立ち、ファステストラップも2度マーク。ドライバーズランキングでは年間5位となった。
そしてルノーでの2シーズンを経て、リカルドはマクラーレンへと新天地を求めることに。
マクラーレンに9年ぶり優勝をもたらす
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新天地マクラーレンでは序盤から順応に苦しむ状況もあり、古株の僚友ランド・ノリスが安定して上位フィニッシュする一方、リカルドは表彰台に手が届かない展開が続いた。
それでも一発の速さ、レースペースではベテランならではの腕を見せ、イタリアGPでは予選2番グリッドを獲得。そして決勝ではマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンがシケインで接触リタイアしたこともあり、マクラーレンのワン・ツーフィニッシュが実現。
リカルドにとってはレッドブル時代の2018年以来3年ぶりのF1優勝となり、マクラーレンとしては2012年以来9年ぶりのF1優勝となった。
その後リカルドは浮き沈みもあり、ドライバーズランキング7位チャールズ・ルクレールから44ポイント差の総合8位でマクラーレン初年度を終えている。
2年目の2022年はシーズン通じて37ポイント奪取となり、ドライバーズランキング11位。前年の115ポイントから明確に成績が落ちたこともあり、マクラーレンはリカルドとの契約を断念。オーストラリア人期待の若手、2021年のF2王者オスカー・ピアストリがリカルドの後釜となった。
アルファタウリ途中加入の2023年、左手負傷で離脱も経験
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マクラーレンを離脱した2023年、リカルドは古巣レッドブルのリザーブとしてシーズンを迎えた。
するとレギュラードライバーとして1年目、アルファタウリのニック・デ・フリースが伸び悩んでいることもあり、イギリスGP終了後の2023年7月11日に契約解除となる。そしてその後任として、レッドブルリザーブのリカルドがアルファタウリのシートに収まることになった。リカルドはかつて前身のトロロッソ時代に籍を置いていたこともあり、2013年以来10年ぶりの古巣帰還となった。
ハンガリーGP、ベルギーGPを消化し、サマーブレイク明けのオランダGPで、リカルドは大怪我を負ってしまう。フリープラクティス2回目で、バリアに追突したオスカー・ピアストリを避けるため、リカルドはそのままバリアにマシンを突っ込ませる。
この衝突時ステアリングに手をかけたままだったため、リカルドは左手を骨折してしまった。すぐさまピンチヒッターとして、前年F2で総合3位だったリアム・ローソンがAT04を駆り、ローソンは5レースを消化。アメリカGPよりリカルドが戦列復帰している。
アルファタウリのAT04はシーズン後半から大型アップデートを入れていったこともあり、徐々に中団勢でもしっかり戦えるチームになっていく。リカルドはメキシコGPで、予選4番グリッドを獲得。決勝では7位フィニッシュを果たしている。この決勝結果は同シーズン、アルファタウリにおける最上位の決勝結果となった。
リカルドは2023年、離脱期間もあったが7戦で入賞は前述のメキシコGPの1度のみ。時には僚友の角田裕毅を上回るさすがの順応力を見せたが、2024年はシーズンを通じてしっかり結果を示したい。以前より“レッドブル再昇格が目標”と口にしているリカルドにとっても、2024年は正念場のシーズンとなるはずだった。
だが第18戦シンガポールGPが終わった数日後の9月26日、リカルドがチームを離脱し、同年の残り6戦はリアム・ローソンがVCARB 01を駆ると発表された。35歳リカルドはレッドブル再昇格を目指していたがその目標は手に届かず、シーズン終盤戦を前にしてシートを失うこととなっている。
プロフィール
Red Bull Content Pool
ダニエル・リカルド
1989年7月1日生まれ|オーストラリア国籍|HRT(2011)、トロ・ロッソ(2012~2013)、レッドブル(2014~2018)、ルノー(2019~2020)、マクラーレン(2021~2022)、アルファタウリ/ビザ・キャッシュアップRB(2023~2024)
通算成績(2024年開幕時点)
- 出走/240回
- 優勝/8回
- PP/3回
- FL/16回
年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
---|---|---|---|
2011年 | HRT | 0勝 | 27位 |
2012年 | トロ・ロッソ | 0勝 | 18位 |
2013年 | トロ・ロッソ | 0勝 | 14位 |
2014年 | レッドブル | 3勝 | 3位 |
2015年 | レッドブル | 0勝 | 8位 |
2016年 | レッドブル | 1勝 | 3位 |
2017年 | レッドブル | 1勝 | 5位 |
2018年 | レッドブル | 2勝 | 6位 |
2019年 | ルノー | 0勝 | 9位 |
2020年 | ルノー | 0勝 | 5位 |
2021年 | マクラーレン | 1勝 | 8位 |
2022年 | マクラーレン | 0勝 | 11位 |
2023年 | アルファタウリ | 0勝 | 17位 |
2023年の成績
- 年間:6ポイント/17位
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/0回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦バーレーンGP | - |
第2戦サウジアラビアGP | - |
第3戦オーストラリアGP | - |
第4戦アゼルバイジャンGP | - |
第5戦マイアミGP | - |
第6戦エミリア・ロマーニャGP【中止】 | |
第7戦モナコGP | - |
第8戦スペインGP | - |
第9戦カナダGP | - |
第10戦オーストリアGP | - |
第11戦イギリスGP | - |
第12戦ハンガリーGP | 13位 |
第13戦ベルギーGP | 16位 |
第14戦オランダGP | - |
第15戦イタリアGP | - |
第16戦シンガポールGP | - |
第17戦日本GP | - |
第18戦カタールGP | - |
第19戦アメリカGP | 15位 |
第20戦メキシコGP | 7位 |
第21戦サンパウロGP | 13位 |
第22戦ラスベガスGP | 14位 |
第23戦アブダビGP | 11位 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |