【歴代F1ドライバー】記録より記憶に残る奔放な英国人｜エディ・アーバイン｜LEGEND OF F1　

1965年生まれ、イギリス・北アイルランド出身のエディ・アーバインは、F1では10シーズンにわたって活動した。だが、歯に衣着せぬ発言、偉大な先輩とのトラブル、同僚ミハエル・シューマッハとの関係、1999年のタイトルレースと、話題に事欠かないドライバーだった。

アーバインは国際F3000を経て、1991年より全日本F3000選手権に参戦し、日本を拠点に活動していた。1993年には32ポイントを獲得したが、同ポイントの星野一義に優勝回数で及ばなかったことから、このシーズンは年間タイトルを逃している。

この活躍が評価され、国際F3000時代の古巣でもあるジョーダンのF1チームから、1993年の日本GPでF1デビューすることになった。鈴鹿を知り尽くしているアーバインはデビュー戦ながら予選8番手に入り、決勝ではスタートからオーバーテイクを決めたり、後の王者デイモン・ヒルと激しい争いを繰り広げるなど、いきなり存在感を示した。

だがレース後、周回遅れのアーバインが進路を譲らず何度も危険な走行をしたとして、当時マクラーレンのアイルトン・セナがジョーダンチームの控室に怒鳴り込んできたという。その顛末については本人が「Legend of F1 :エディ・アーバイン」内で語っている。

アーバインは1996年よりフェラーリに移籍し、ミハエル・シューマッハと同僚に。ドライバーズポイントで初年度は10位だったが、7位、4位と着実に結果を残し、1999年は開幕戦のオーストラリアGPで悲願のF1初勝利。そして大きな転機となったのは第8戦のイギリスGPだった。シューマッハがクラッシュして足を骨折したことにより、長期離脱が確定。代役にミカ・サロが入り、後半戦アーバインはフェラーリのエースドライバーとしてチャンピオン争いをすることに。第15戦のマレーシアGPからシューマッハが復帰し、このレースでアーバインはシューマッハとのワンツーフィニッシュを果たした。ミカ・ハッキネンを4ポイント上回り、最終戦鈴鹿を迎えることになった。

日本GPでは予選1番手シューマッハの“アシスト”に注目が集まったが、ハッキネンを抑えることができず、1位ハッキネン、2位シューマッハ、3位アーバインで決着。シーズン最終戦でアーバインはハッキネンに逆転され、タイトルを手にすることができなかった。

1999年限りでアーバインはフェラーリを去り、移籍先のジャガーで2002年をもってF1から退いた。なお、アーバインがF1のキャリアでマークした勝利数は4。すべてタイトル争いを展開した1999年に記録したものだ。

奔放な性格で多くのファンに愛されたアーバイン。まさに”記録より記憶に残る”レーサーと言えるだろう。DAZNで配信中の「Legend of F1 :エディ・アーバイン」の視聴期限は、2020年4月30日までとなっている。

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